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【業界人・覆面次郎】悩める開発陣 2017/10/11(水)

2017/10/11 19:30 投稿

  • タグ:
  • 覆面次郎
  • パチンコ
 先日開発者の方とお話していたときのこと。

 「まさかあの台が稼働するとは思わなかったよねー」

 この“あの台”ってのは、「CRぱちんこGANTZ」のことです。発売前に試打をしてきた開発の方は、市場でウケるわけがないと思ったそうです。

 小当たりラッシュを搭載しているとはいえ、それはもう業界では当たり前の機能ですし、演出も特筆すべきようなものもない、普通の演出。役モノだって、他のド派手な機械に比べれば、地味なほうでしょう。

 打ってみて、「これは京楽やっちゃったんじゃないか」とさえ思ったそうです。

 しかし、ふたを開けてみればびっくり。
 小当たりラッシュは業界に旋風を巻き起こし、それを見た他メーカーが急いで準備するまでになりました。
 演出も、シンプルにいわゆる“待ち”となる演出がわかりやすく、長時間打っていられる作りになっており、そこが高稼働に繋がっているのかもしれません。


 なんでこんな話をしたかと言いますと、開発者ってのもただ機械を作っているわけではありません。悩みに悩んで、ユーザーに面白いと思ってもらう台を作るのを当然第一と考えています。
 そのために大事なのは、感覚を市場に近づけるというもので、一般遊技者が面白いと思う感覚がわからなければ、ヒットする台なんて作れないわけです。
 そんな中、このGANTZによる市場の感覚の違いにはショックを受けておられました。


 さて、業界内でよく言われるのが「ぱちんこCR北斗無双」は面白いのか? という問題です。
 スペックが良いから稼働しているという意見が大多数なのですが、演出が市場ではどういう評価を受けているのか、いまだに明確な答えが出ていません。
 しかし、北斗無双の演出は未完成な部分が多い、というのが多くの開発者の意見です。この問題は、「CRルパン三世 消されたルパン」の大ヒットにも言えることでしたね。
 ルパンもST全盛の時代にバトルタイプ、という時代の趨勢もあるかもしれませんが、多くのファンが夢中になって打ったのもまた事実でしょう。


 このように頭ひとつ抜けて稼働する台が出てくると、開発段階ではどうしても「○○みたいな演出に」という声が上がってきます。ヒット台に倣って作るのはセオリーですからね。
 それは、コケられない大きな版権や、人気のシリーズ物になればなるほど顕著です。そんな版権ほど、“冒険ができない”とも言えます。

 「CRぱちんこ必殺仕事人V」の評価が市場で高いかと言うと、前評判ほどではなく、それは「CR牙狼GOLD STORM翔」にも言えますよね。

 今こそ冒険するべきとき……だと思うのですが、その一歩を踏み出せるのはどこのメーカーの開発者なんでしょうか
 保留の色成り上がりゲーム、擬似連積み重ねゲーム、先読み待ち……こういった流れを崩し、新しいゲーム性を作りたい。開発者はもちろんそういったアイデアを日ごろから考えているのですが、人気台ほど冒険できないジレンマも。

 スペックでの勝負ができなくなってきている現在の業界に於いて、先に挙げたGANTZのようなダークホースじゃありませんが、新しいパチンコのウェーブを作るのは、誰も聞いたことのないような版権の台だったりするのかもしれません。


 というわけで今週はこの辺で。
 それではまた来週お会いしましょう。

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