中国経済の先行きが不透明だとか欧州とりわけドイツ経済の不透明感も手伝い企業業績は停滞基調を強めています。為替は円高方向に向かいつつあり、多くの企業は1ドル=110円を前提に企業業績を見直しています。
 マイナス金利の影響で銀行をはじめとした金融機関は運用で稼げないという状況下になり、少しでも有望な融資先や投資先を求めてアクションを起こす必要に迫られています。


 原油安基調にようやく終止符が打たれつつあることがNYダウを堅調にさせていますが、日本の企業業績は輸出関連企業を中心に伸び悩み、ついには減益に転じる企業が相次いでいます。
 一方では内需系の企業にはマクロ景気とは関係なく着実に成長を遂げつつある企業が見出せます。


 3月11日は東北大震災から5年という節目の時を迎えました。いつの間にか東北復興の掛け声が小さくなりつつあるように感じられますが、これまでの復興 支援から自立していく東北の姿が内需を刺激するようになればと思います。東北復興はまたやってくると見られる日本のどこで起こるかわからない大震災への備 えを喚起し、まさに国土強靭化対応が国のインフラ全般に求められていると言っても良いかと思います。

 これ以外でも保育、介護、1億総活躍社会、ロボット、車の自動運転、サイバーセキュリティ、AI、電力・ガス自由化、フィンテック、IoT、ビッグデー タ、ソーシャルレンディング、地方創生、ふるさと納税、健康、再生医療、民泊、シェアードエコノミーなどのテーマの下で成長を指向する企業が、いまホット に株式市場で語られ、それぞれに株価を刺激しています。

 また、まったく別の視点では企業価値が高いのに市場で評価されないバリュー銘柄が打ち出す配当政策や新たな成長戦略にも投資家は秘かに関心を持っているようにも見られます。


 マクロ景気動向によって多くの企業は業績に不安感を募らせていますが、過去2年間、打ち出されてこなかった最後の切り札が公共投資。内需を刺激するネタが株式相場にとってはまだあるという点を忘れてはならない重要な要素です。

 業績を伸ばせない企業には一旦、活躍はお休みにして、業績が伸ばせる限られた企業に活躍の場が広がる展開となっていますが、投資家の皆さんは新たな活躍株の登場を心待ちにされているかと思います。


 マクロ景気の動向に左右されない新成長株は日本の株式市場に着実に根付いてきています。

 既に気がつかないうちにそうした新成長株が活躍していることになるのではないでしょうか。


(炎)


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