市場での人気は需給の良し悪しで決まりがちです。今後の成長性を加味した評価が本当は必要なのですが、情報不足の中では限界です。
逆に言うとそうした展開では銘柄の選定をしっかりすればリターンもあげやすいと思われます。
上場後に早くも調整傾向に入った銘柄もあり、中には公開価格をも下回ってきた銘柄も出ております。
業績内容は良いのに需給悪で売られた銘柄の代表は12月21日に上場したグローバルWiFi事業を展開するビジョン(9416)です。
公開価格2000円に対して初値は2213円。高値は2390円ですが、その後、1741円まで売られるなど換金売りに押される展開となっています。
外国人観光客向けにWiFiルーターレンタルサービスを開始しており、訪日外国人が増加する中、オリンピックに向け今後の成長が注目されます。本来は人気化が予想されるセクターながら需給悪で株価は停滞気味ですが、いずれは見直されるかと思われます。
特に12月決算で第3四半期までの経常利益の進捗率は93%に達しており、上場費用を差し引いてもかなりの上方修正が期待されます。
時価総額は既に147億円余りになっていますが、来期以降の成長を加味すると極端な割高感はないと見られます。
12月のIPO銘柄では極端に人気を集めたアークン(3419)の株価が異色です。公開価格1360円に対して初値は2日目の4925円、そこを安値に連日のストップ高で株価は本日は9000円台に乗せてきています。
情報セキュリティ関連ということでFFRIの連想買いが入っているのかと推察されますが、事業規模や内容を吟味する限りではやや過熱していると感じられます。
2015年にIPOした銘柄で公開価格を下回っていて割安感のある銘柄はどこかで見直し買いが入ると期待されます。
例えば公開価格1600円だったデクセリアルズ(4980東証1部)は、1200円台に株価低迷。PERは11倍台の水準となっています。配当利回りは4%台となっており、そろそろ注目したいところです。
また、コールセンター事業を展開するベルシステム24ホールディングス(6183)も公開価格1555円から1119円まで下落しましたが、今2月期決算が一時的な費用で大幅な減益となることを背景にしたもので、来期か
らの業績向上を踏まえて見直しのタイミングと見られます。
このほか、新サービス業態では水回り緊急駆け付けサービスのアクアライン(6173)が公開価格1250円に対して1000円割れを演じているほか、厨 房機器や空調機器のメンテナンスサービス会社の三機サービス(6044)も公開価格1540円に対して3分割実施後の510円はPER11倍台でそろそろ 見直しのタイミングが接近していると見られます。
また、7月にIPOした製造請負サービスの平山(7781)も公開価格2130円に対して安値1350円まであり(時価1390円)PERが10倍を割れてきたことと保有現預金並みの時価総額になったことなどを踏まえて投資のチャンスと見られます。
押しなべて年内最終受け渡し前に株価は換金売りで値を消してきました。
そうした銘柄への不信感は残りますが、冷静に見ればそうした銘柄の安値を黙って買っておくのも成果を得やすいのではと思います。
(炎)
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