先週のコラムでは「そろそろ相場も落ち着くだろう」との印象で書きましたが、その後の僅か1週間で日経平均は今日(30日)の戻りを入れても5.7%(9月30日大引け)も下げました。VWの不正事件と資源価格下落に絡んだグレンコア社の信用不安は随分な重石と感じます。
あのドイツのVWが?・・・と驚きました。東芝の場合には事業セグメントに無理がありましたから分かるような気がしますが・・・。それにしても先進国の大企業としては前代未聞の不祥事が続きます。
大方の日本人が優れていると感じる製品はドイツ製の自動車など耐久消費財、フランス仕込みのパンや北欧系のインテリア、イタリアのファッションや家庭料 理(日本料理の次点として)、そして中国狂産党公認のコピー(特許詐欺)製品辺りでしょうか(笑)。その一角が崩れた意味は大きそうです。
今回の事件ではドイツの優良ブランドの一角が傷つき、自動車の売り上げも落ちるのでしょうが、とは言え、世界でその分の自動車販売が減る・・・という事は無く、若干の影響はあるものの他社製品に代替されるはずです。
特に中国やブラジルではVWが相当のシェアを伸ばしていましたので、それらが剥落する分、一時的であるにせよその他メーカーには相当有利な環境が訪れました。
もっとも狡賢いヨーロッパの事ですから、いずれまた自分達に有利なルールへと変更をするのでしょうが彼らが不利な状況は暫く続きそうです。今後数年間で如何にこの市場シェアを取り込むかの熾烈な争奪戦が始まっているはずです。
世界景気にはマイナス影響が出るものの、エアバッグでダメージを受けたホンダをはじめとした日本車メーカーには追い風です。今後についても環境適応車の需要が一層高まりますので、この事件を他山の石とせず一層の技術開発に注力すべきと思います。
その際に世界に伍するためにも国内部品メーカーの再編が必要ではないでしょうか。ただでさえ自動車部品メーカーは親会社の動向次第で収益が左右される脆 弱さが残っている業種です。それ故に収益のアップサイドに期待できず、また株主還元の自由度が低いため割安に放置されたままの会社が多数あります。
規模が小さければ飽和状態の国内市場での競争を余儀なくされますが、大型化して海外に出てゆけば日本企業に拡大余地が生まれます。欧米資源大手同士の規 模拡大により日本企業は交易条件の悪化を経験したのですから、この機会に日本が強みを持つ開発・製造会社が規模を拡大し、世界での覇権を取るべく再編の決 断をすべき時期と考えます。
足元の投資環境は中央銀行の資金供給による資金余剰と成長鈍化懸念との綱引き状態であるため中長期投資家がなかなか動けずにいます。また中国の景気減速懸念やVW問題に加えてグレンコアの経営不安説まで出てきました。
日本市場を見る場合には事業再編や規制緩和による個別企業の成長見込み、ないしは日銀による更なる緩和措置(当座引き下げとか)などが出ないことには、当面は軟調な市場が続くのではないかと思います。
但し円高が進まないようであれば株式市場がここから一段と下落するとも思えません。
米国利上げについては既に1年以上も話題となり続け、改めて市場を動かすほどのテーマにはなり辛いと思われますし、中東の紛争が治まる気配がありませんので資源価格もボトムを探す動きになろうかと思います。
長いテーマとしては中国を筆頭に新興国の景気動向になるのでしょうが、バブルの継続を前提とするなら中長期投資家には良い投資機会が来たと考えています。
リスクを見極め、規模やノウハウを拡大することが出来る胆力ある経営陣が居る会社を見分けたいものです。
それにしても外人が少し売りに回るだけで随分と下げるものです。日本を代表する優良企業の株式が短期資金に振り回されるばかりで、これほどにも評価されないマーケットなのかと感じる次第です。
ただ、株式市場の下げの割には円ドルは一時的に買われたものの120円辺りから殆ど変動がありませんから、為替への影響が少ない辺りに安心感もあります。
(ご参考 9月30日引け値ベース)
トヨタ(7203):
PER9.6倍、PBR1.29倍、配当利回り2.86%
三菱UFJ(8306):
PER10.4倍、PBR0.65倍、配当利回り2.51%
三井物産(8031):
PER10倍、PBR0.58倍、配当利回り4.77%
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
あのドイツのVWが?・・・と驚きました。東芝の場合には事業セグメントに無理がありましたから分かるような気がしますが・・・。それにしても先進国の大企業としては前代未聞の不祥事が続きます。
大方の日本人が優れていると感じる製品はドイツ製の自動車など耐久消費財、フランス仕込みのパンや北欧系のインテリア、イタリアのファッションや家庭料 理(日本料理の次点として)、そして中国狂産党公認のコピー(特許詐欺)製品辺りでしょうか(笑)。その一角が崩れた意味は大きそうです。
今回の事件ではドイツの優良ブランドの一角が傷つき、自動車の売り上げも落ちるのでしょうが、とは言え、世界でその分の自動車販売が減る・・・という事は無く、若干の影響はあるものの他社製品に代替されるはずです。
特に中国やブラジルではVWが相当のシェアを伸ばしていましたので、それらが剥落する分、一時的であるにせよその他メーカーには相当有利な環境が訪れました。
もっとも狡賢いヨーロッパの事ですから、いずれまた自分達に有利なルールへと変更をするのでしょうが彼らが不利な状況は暫く続きそうです。今後数年間で如何にこの市場シェアを取り込むかの熾烈な争奪戦が始まっているはずです。
世界景気にはマイナス影響が出るものの、エアバッグでダメージを受けたホンダをはじめとした日本車メーカーには追い風です。今後についても環境適応車の需要が一層高まりますので、この事件を他山の石とせず一層の技術開発に注力すべきと思います。
その際に世界に伍するためにも国内部品メーカーの再編が必要ではないでしょうか。ただでさえ自動車部品メーカーは親会社の動向次第で収益が左右される脆 弱さが残っている業種です。それ故に収益のアップサイドに期待できず、また株主還元の自由度が低いため割安に放置されたままの会社が多数あります。
規模が小さければ飽和状態の国内市場での競争を余儀なくされますが、大型化して海外に出てゆけば日本企業に拡大余地が生まれます。欧米資源大手同士の規 模拡大により日本企業は交易条件の悪化を経験したのですから、この機会に日本が強みを持つ開発・製造会社が規模を拡大し、世界での覇権を取るべく再編の決 断をすべき時期と考えます。
足元の投資環境は中央銀行の資金供給による資金余剰と成長鈍化懸念との綱引き状態であるため中長期投資家がなかなか動けずにいます。また中国の景気減速懸念やVW問題に加えてグレンコアの経営不安説まで出てきました。
日本市場を見る場合には事業再編や規制緩和による個別企業の成長見込み、ないしは日銀による更なる緩和措置(当座引き下げとか)などが出ないことには、当面は軟調な市場が続くのではないかと思います。
但し円高が進まないようであれば株式市場がここから一段と下落するとも思えません。
米国利上げについては既に1年以上も話題となり続け、改めて市場を動かすほどのテーマにはなり辛いと思われますし、中東の紛争が治まる気配がありませんので資源価格もボトムを探す動きになろうかと思います。
長いテーマとしては中国を筆頭に新興国の景気動向になるのでしょうが、バブルの継続を前提とするなら中長期投資家には良い投資機会が来たと考えています。
リスクを見極め、規模やノウハウを拡大することが出来る胆力ある経営陣が居る会社を見分けたいものです。
それにしても外人が少し売りに回るだけで随分と下げるものです。日本を代表する優良企業の株式が短期資金に振り回されるばかりで、これほどにも評価されないマーケットなのかと感じる次第です。
ただ、株式市場の下げの割には円ドルは一時的に買われたものの120円辺りから殆ど変動がありませんから、為替への影響が少ない辺りに安心感もあります。
(ご参考 9月30日引け値ベース)
トヨタ(7203):
PER9.6倍、PBR1.29倍、配当利回り2.86%
三菱UFJ(8306):
PER10.4倍、PBR0.65倍、配当利回り2.51%
三井物産(8031):
PER10倍、PBR0.58倍、配当利回り4.77%
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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