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変われない市場運営 その2

2015/09/11 12:40 投稿

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8月20日のコラムにて中学生までの給食費の全額公費負担などを書きましたが、読者の方から「払えない家庭と、意図的に払わない家庭を一緒にしてはいけない」との指摘を頂きました。

 小職もそのように思うのですが、最近は親の価値観や常識、倫理観にも大きな変化が起きており実際には様々な家庭がありますから、それらを公平に峻別する のは相当困難な作業になるかと思います。そしてそれらにかかる費用や手間などのコストを考慮するなら別の視点からの手法を探るべきと考えるからです。


 そもそも日本人の大半は真面目であるが故に「不払いのような不公平はいかん」と言う議論になりがちですが、その少数の狡い連中を差別化しよう(公平に扱おう)とするあまり、逆に余計な負担を(気が付かないうちに)強いられているように感じます。

 平たく言えば、その不公平を取り除くために「学校の先生や役所に徴収の負担を負わせたり新たな方法を取り入れること=公的負担の増大」と言う図式が成り 立ち、それらの費用を捻出するために行政予算が増え、そしてそこにまたシロアリが群がり、新しい既得権が生まれる・・・と言う歴史の繰り返しになりがちと 考えるからです。

 公的負担にすれば先生方の無駄な仕事も減り本業に注力できますし、費用の管理や配分に係る経費全体も減らせます。食材調達や人に係る費用なども文科省は ガラス張りにした上で、同業務・権限を各自治体に移せば効率が増すでしょう。それに加えて「給食食材調達機構(仮)」などと言うふざけた組織を作らせない よう監視すれば一層良いですね(笑)。


 厚生や教育については全国一律の公平性を維持する必要はあるものの、執行については各自治体の実情(地域特性)に応じたきめ細やかな対応が大事と思いま す。一口に給食と言っても地域による嗜好や作り方、季節性や食の教育方針、原価や人件費など様々と思います。予算執行権を手放したくない文科省(霞が関) が口を出すほどに国民負担が増えることに気付かないと、何時までも既得権を温存させることになります。

 良く目を凝らして見るとアチコチにこのような無駄があることに気付きます。


 公的支出と民間支出を明確に区分することが大事で、日本人の公平感や倫理観を上手く刺激される(利用される)ことによって余計なコストを発生させる仕組みを見直さない限りは、いつまで経っても無駄は減りません。役人はその肝を良く心得ています。


 ここ数年急増している詐欺事件にしても「詐欺をしたり、手を貸した輩には厳罰を処す」ための法律を強化し、警察による捜査の自由度を上げるなどの工夫を するだけで相当の抑止力になるはずなのに、それを放置したままNHKや民法では「気を付けて!」との映像が大量に流され、詐欺防止のために金融機関が莫大 な費用を投下しています。結局それらは巡り巡って我々一般国民の負担となっているのですが、何故に回り道をするのか?役所の存在感を示すため?役人の仕事 量を維持するため?(笑)
 国民には見え辛い意図的な無駄と言わざるを得ません。


 これからは社会保障費の負担の在り方や教育も含めた少子高齢化対策としても、マイナンバー制の運用に合わせた公平な課税と財政の透明化が課題となるでしょう。

 日本丸を沈没させないためにも、何としてでも既得権者(団体)を一つずつ潰しながら改革していくしか方法がありません。マイナンバーにしても隙を見せれば、これを利用した新たな利権の仕組みを作られかねません。真の政治力が問われます。


 資本市場も同様で、財界トップが自己保身の思想から逃れられなければ、日本の金融市場は効率の悪いアジアの1ローカル市場に成り下がることとなり、個人 の資金逃避と共に金融産業も衰退するでしょう。既に東証の地盤沈下により(管理レベルや透明性では2流以下の)中国市場と十羽一絡げで売買されるほど評価 が下がっています。


 今後数カ月内には金融市場の動揺も治まってくるものと思われますが、動揺し、悲観に満ちた時が投資のチャンスです。市場が変われないのなら、その変われないことを利用して投資するしかありません。


 8月下旬からの株式市場は投機ファンドに振り回されています。昨日は何人かの知り合いから「この乱高下はいつまで続くのか?」と言う問い合わせをもら い、「今はオプションと先物を使って稼ぎたいファンドと、公的や銀行などのクジラとの空中戦だから長くは続かない。SQが過ぎれば徐々に落ち着くのではな いか。」と応えました。海外ファンドにいいようにオモチャにされています。


 つい先日まで「年内21,000円」「年度末には22,000円」と言っていた方達の中には「16,000円も有り得る」と言ってみたり、「戻り相場に備えて今はキャッシュポジションを高めるべき」などと言う識者も散見されます。
 とは言え、下落し過ぎて売るに売れなくなってから「キャッシュを高めて」と言われても、無尽蔵に紙幣を刷れる日銀じゃないんですから・・・(苦笑)。

 まあ、この手の専門家がこんなことを言い始めた頃がボトムに近いと見るなら、言われた通りに今更キャッシュを高めるのは避けたいですね。どうせ上がってくれば強気に変わるのですから(汗)。


 今日(9日)の日経平均株価は1日で1,343円、率にして7.71%も値上がりしました。1日で1,000円以上も値上がりしたのはリーマンショック 翌月の10月以来です。売り方のポジションの巻き戻しとともに、今日の寄り付きに売りで入った目先筋の踏み上げも加わったようです。
 さて、明日以降はどのようになるのか。


 米国利上げの話題が続きますが、仮に上げたとしても0.25%程度の薄い利上げに留まるのではないでしょうか。それ以外に政策的な変更が無ければ、しば らくは、円ドル為替なら117円~125円辺り、日経平均株価なら19,000円を中心に上下1,000円くらいのレンジで、どちらかに行き過ぎたと感じ たときが投資のタイミングかな?と思っています。
 仮に今期予想EPSを堅目に1,300円としても19,000円ならPERは14.6倍で、まずはこの前後を基準にすれば良いと考えるからです。

 もちろん中長期の流れとしては円安を見込んでいますから予想は難しいのですが、短期的な売買を楽しむ場合の目安として、今はこの辺りかと。


 また、何時になるか分かりませんが、投資家を向いていないと感じる万年割安株に対するTOBの成功例などが出てくるようなら、その手の投資手法にいつでも注力できるような心構えはしておきたいものです。

 何故なら、そのような積極性・変革性のある市場に変われなければ国内株式市場の将来も先が短いと思うからです。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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