■第2次ギリシャ危機
7月5日、ギリシャ国民の大多数が愚かな決断を下しました。少数派となってしまった良識ある「EU提案受け入れ派」は憤懣やるかたないでしょう。
奇しくも、民主主義発祥の地を自称するギリシャにおいて「多数決は正しい結果をもたらさない」=「民主主義は衆愚政治に陥りやすい」ことを実証してしまいました。
これからギリシャ国民は、自らが下した愚かな決断の責任を取っていくことになるでしょう。
しかし、ギリシャ国民の愚かな選択は、ドイツを中心とするEUや日本をはじめとする海外の国々にとっては朗報です。なぜなら、「お荷物」のギリシャを切り離すことができるからです。
確かに、2010年のギリシャ危機当時は、ギリシャが倒れれば世界に重大な影響を及ぼす可能性がありました。ですから、IMFやEUが巨額の資金を費やしてギリシャを救済することにも意味があったのです。
しかし、その後の5年間でドイツをはじめとするEU諸国や日本、米国などの主要国は充分な体力を回復しました。ですから、EU経済の2%程度を占めるギ リシャが崩壊してもそれほど大きな問題にはなりません。また、南欧諸国にとってもギリシャ崩壊は良い「見せしめ」になるでしょう。南欧諸国の国民はギリ シャ国民ほど愚かではないはずです。
ところが、ギリシャ国民はこれまでEUが甘い顔をしていたのを良いことに、この期に及んでも「(EUは)ごねればまた金を出すさ」と甘く見ています。
これまでも、何回か取り上げて来た「オリンピックと国家崩壊の関係」(詳細は文末をご参照ください)では2004年にアテネオリンピックを開催したギリ シャの危機は2013年から2015年ごろにやってくるはずでした。ところが2010年に「ギリシャ危機」が起こったので、「早すぎる」と思ったのです が、結局アテネオリンピックから11年後の2015年にギリシャが崩壊してつじつまが合いそうです。
■チャイナ崩壊の時期
そして、「ネクストギリシャ3か国」=「チャイナ+南・北朝鮮」も危険な状態にあります。
この3か国が先進国になれないのは、ドラッカー風に言えば「<知識労働者>を恐怖で脅して働かすことはできない」からです。
例えば、ガレー船を漕いだり畑を耕す仕事であれば、奴隷であっても主人が鞭で打って働かすことができます。ところが、iPS細胞や人型ロボットの研究者を鞭で打って働かすことはできません。彼らの頭の中を暴力で支配することはできないからです。
つまり、「先進国」になるためには大量の知識労働者が必要であり、彼らを引き留め実力を発揮させるためには「自由」な環境が必要にも関わらず、「ネクス トギリシャ3か国」のような専制主義国家ではそのような「自由」を提供できません。したがってこれらの国々は、知識労働者を引き留め実力を発揮させること ができないために、永遠に先進国の「下請け国」にとどまらざるを得ないのです。
南朝鮮(韓国)と北朝鮮の崩壊は、それほど先ではないと思いますが、時期の見通しは困難です。
チャイナについては、前述の「オリンピックと国家崩壊の関係」によれば2008年の北京オリンピック開催後9年目~11年目に当たる2017 年~2019年の可能性が高いと言えます。ただし、その兆候はすでに出ており、ギリシャのように2回に分かれて危機がやってきたり、危機の時期が早まる可 能性も十分あります。
<参考>
1、オリンピックと国家崩壊の相関関係
◎経済・社会は概ね20年、10年、5年のサイクルで動いている(世代交代は20年ごと)
◎オリンピック開催の9~11年後に危機を迎える国が多い。
1)ベルリンオリンピック1936年:第3帝国崩壊1945年
2)東京オリンピック1964年:第一次オイルショック1973年~1975年(第二次オイルショック1979年)
3)モスクワオリンピック1980年:ベルリンの壁崩壊1989年、ソ連邦崩壊1991年
4)ソウルオリンピック1988年:韓国崩壊(アジア通貨危機)1997年
5)アテネオリンピック2004年:ギリシャ危機2010年、そして今年は11年目。
★北京オリンピック:2008年=2017年~2019年共産主義中国崩壊?
★リオデジャネイロオリンピック:2016年
(大原浩)
【大原浩の書籍】
<お知らせ>
★「賢人バフェットに学ぶ・投資と経営の成功法則」昇竜社(アマゾン・キン
ドル版)が発刊されました。バフェットの投資と経営に関する成功のエッセンスを、1章当たり約3000字、全18章でコンパクトにまとめています。
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が発刊されました。ストーリー仕立てで、バフェットの投資の本質を直感的にわかりやすく描いています。
http://goo.gl/MKtnf6
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
7月5日、ギリシャ国民の大多数が愚かな決断を下しました。少数派となってしまった良識ある「EU提案受け入れ派」は憤懣やるかたないでしょう。
奇しくも、民主主義発祥の地を自称するギリシャにおいて「多数決は正しい結果をもたらさない」=「民主主義は衆愚政治に陥りやすい」ことを実証してしまいました。
これからギリシャ国民は、自らが下した愚かな決断の責任を取っていくことになるでしょう。
しかし、ギリシャ国民の愚かな選択は、ドイツを中心とするEUや日本をはじめとする海外の国々にとっては朗報です。なぜなら、「お荷物」のギリシャを切り離すことができるからです。
確かに、2010年のギリシャ危機当時は、ギリシャが倒れれば世界に重大な影響を及ぼす可能性がありました。ですから、IMFやEUが巨額の資金を費やしてギリシャを救済することにも意味があったのです。
しかし、その後の5年間でドイツをはじめとするEU諸国や日本、米国などの主要国は充分な体力を回復しました。ですから、EU経済の2%程度を占めるギ リシャが崩壊してもそれほど大きな問題にはなりません。また、南欧諸国にとってもギリシャ崩壊は良い「見せしめ」になるでしょう。南欧諸国の国民はギリ シャ国民ほど愚かではないはずです。
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■チャイナ崩壊の時期
そして、「ネクストギリシャ3か国」=「チャイナ+南・北朝鮮」も危険な状態にあります。
この3か国が先進国になれないのは、ドラッカー風に言えば「<知識労働者>を恐怖で脅して働かすことはできない」からです。
例えば、ガレー船を漕いだり畑を耕す仕事であれば、奴隷であっても主人が鞭で打って働かすことができます。ところが、iPS細胞や人型ロボットの研究者を鞭で打って働かすことはできません。彼らの頭の中を暴力で支配することはできないからです。
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南朝鮮(韓国)と北朝鮮の崩壊は、それほど先ではないと思いますが、時期の見通しは困難です。
チャイナについては、前述の「オリンピックと国家崩壊の関係」によれば2008年の北京オリンピック開催後9年目~11年目に当たる2017 年~2019年の可能性が高いと言えます。ただし、その兆候はすでに出ており、ギリシャのように2回に分かれて危機がやってきたり、危機の時期が早まる可 能性も十分あります。
<参考>
1、オリンピックと国家崩壊の相関関係
◎経済・社会は概ね20年、10年、5年のサイクルで動いている(世代交代は20年ごと)
◎オリンピック開催の9~11年後に危機を迎える国が多い。
1)ベルリンオリンピック1936年:第3帝国崩壊1945年
2)東京オリンピック1964年:第一次オイルショック1973年~1975年(第二次オイルショック1979年)
3)モスクワオリンピック1980年:ベルリンの壁崩壊1989年、ソ連邦崩壊1991年
4)ソウルオリンピック1988年:韓国崩壊(アジア通貨危機)1997年
5)アテネオリンピック2004年:ギリシャ危機2010年、そして今年は11年目。
★北京オリンピック:2008年=2017年~2019年共産主義中国崩壊?
★リオデジャネイロオリンピック:2016年
(大原浩)
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