「自宅」の購入というのは不動産の購入ですから、お金の損得は「不動産投資」の損得と同様に計算します。
先に言っておきますと、よく「自宅」購入を損得ベースで語ると
「自宅も持つことは損得ベースで考えていない」
「自宅をもつことは賃貸とは異なる幸福感(所有感)があるので比較するのはナンセンス」
などの意見をいただきますが、それは全面的に正しい主張です。
「自宅」を持つこと自体は、人それぞれの価値観が反映されますので、価値観で判断するのが正解です。
ただし、一方で金銭面での検討も重要項目の一つでありますので、今回のように基本的な考え方だけでも理解しておいてほしいものです。
本題に戻りまして、「不動産投資」の判断基準の一つにIRR(内部収益率)という指標があります。
IRRは、投資(自分が出したお金)に対する収益率で、不動産で言えば保有している期間のキャッシュフローを分析してはじき出す数字です。
単純に言えば、不動産の購入から売却までのキャッシュフローを計算して、IRRがプラスであれば資金回収ができた状態、マイナスであれば投資としてはマイナスで終わるものと判断できます。
(キャッシュフローの計算としては○年後に自宅を売却する前提を置くことがとても重要です)
一般的な不動産投資であれば、収入の項目は「家賃」ということになるのですが、「自宅」を所有する場合には、「家賃」が発生しません。
そこで、「帰属家賃」といって、自分が所有している家に住んでいる場合でも、本来そこに住んでいれば当然に支払うべき家賃が発生していると考えて、「疑似投資不動産」として計算していくことになります。
その前提で、購入前に「投資不動産」として、IRRがどの程度なのかをきっちりと計算して「自宅」購入を行えば、それほど失敗することはありません。
ただし、最後のポイントとして「帰属家賃」の額については注意が必要です。
現在10万円の賃貸に住んでいる人が、「帰属家賃」30万円の価値のある住宅を購入することは、IRRがゼロであっても、購入期間中30万円の賃貸物件に住んでいることと同じだけの資金流出が発生します。
10万円の賃貸で、日々の生活の資金繰りが普通に回っている家庭では、30万円の「帰属家賃」の住宅を購入することは、やはり厳しいと言わざるを得ません。
投資用不動産のキャッシュフロー分析については、ネットで検索すればいくつかのソフトやエクセル表が出てきます。
もちろん、ご相談いただければ私の方でも計算しますので、お気軽にお声がけください。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
http://www.mlplanning.co.jp/
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