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特許内容を分析すると新事業の方向が見える

2015/03/03 15:42 投稿

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ノーリツ鋼機のような老舗の研究開発型企業は特許取得に熱心で、その特許の大半はこれまでは写真印刷に傾けられてきましたが、今後は画像解析など広がりが見られます。企業が出願・保有する特許を分析すると事業の方向性が見えてきます。


 直近ではトヨタが発売した燃料電池車MIRAIが水素時代の幕開けを告げています。水素関連事業を指向している企業も特許を分析すると、それが理解されます。


 企業情報には様々なものがありますが、特許は株式投資にとっては時に重要なポイントとなります。通常の投資家は株価や出来高、業績、EPS、BPS、 キャッシュフロー、配当金などを見て投資しますが、一歩進んでこれまで出願されている特許を見て頂くことで事業の方向性を読み取ることができます。
 特許は出願から10年で期限が切れますので、この間で事業化ができると見れば審査請求を行い、正式に特許を取って事業に臨むのが通例ですが、企業によってはこれまでとは異なった特許を出願し始めるケースが出てきます。

 また、中堅のR&D型企業が大手企業と共同出願する事例も多く、その場合は大手企業との緊密度が伺えます。燃料電池自動車の時代は水素社会の到来を告げ ることになり、株式市場での次の大きなテーマは水素となりそうです。石油という化石燃料から水素を活用する時代となって世界は大きく変わっていくことにな ります。昨今の原油価格の下落はそうした時代を予見しているのかも知れません。
 その水素をどうやって作るのか、どのような企業がこの分野に関わっていくのかを研究することで投資家には大きなリターンがもたらされると思われます。既 に水素容器メーカーなどが人気を集めていますが、本格化はこれからです。水素ステーション関係や燃料電池部材(電極シートなど)などで、飛躍を期す新たな 成長企業、活躍企業の登場が予感される昨今となってきました。


 NFKホールディングス(6494)はグループの日本ファーネスとともに積極的に特許取得を図っています。日本ファーネスは工業炉用燃焼機器を主力とす る企業。持ち株会社であるNFKホールディングスが取得した特許には水素の生成を効率化するという内容の特許があります。


 ガス化炉に供給する蒸気の温度を、高温生成ガスの温度に近い温度まで高められるようにして、水素の生成効率を高めることをテーマにした部分酸化のガス化方法というタイトルの特許ですが、なかなか意味深な内容を含んでいます。

 今期の業績は下方修正されていてまだぱっとしませんが、中期計画ではポジティブな展望を持っている水素関連企業です。


 先日、私が執筆している有料メルマガに取り上げたある老舗上場機械会社の場合もそうした赤字に苦しんでいますが、経営が急逝した前社長の子息にバトンタッチしたことでスピード感を持って改革が進むのではないかとの期待があります。
 同社の既存事業は新聞社向けの輪転機の製造販売で時代の流れで新聞の読者数の減少で設備投資が停滞した業界の事情から業績は長年にわたり低迷。リーマン ショック後の急速な業績悪化を乗り切る施策が遅れたのか、いまだに赤字決算が続いています。これまで大幅なリストラを断行してきたにも関わらず今期の業績 が赤字なので株価は低迷状態が続いています。


 その企業はR&Dにも熱心で当然特許出願も多く、それが特許化されたりもしています。既存事業が停滞する中で新たな分野への進出を表明しているのです が、まだ明確ではありません。その新事業についてIPDLで最近の特許を調べてみましたが、まさにこれだろうという結論に至りました。それは電極シートの 製造装置事業です。
 今後大量に必要になると見られる二次電池用の電極シートの大量生産用装置に関する特許を同社は出願していますが、まだ具体的な事業化までは至っていませ ん。赤字継続で株価の低迷が見られるこの会社は東京機械製作所(6335)で株価は74円。時価総額は65億円に留まっています。詳細についてはまた改め ての機会に取り上げることにします。

(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)



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