今年5月8日のコラム「置き去り?」で下記のように記述しました。

「それにしてもと・・・、いつになったら成長戦略や規制緩和を感じられるようになるのか・・・?」(中略)
「消費者の支持が得られない市場や商品が繁栄(拡大)するはずもなく、国内株式市場はすそ野が広がらない故に単なる賭博場に成り下がっています。悪質な縦 割り行政が続くことで国民の利益が置き去りとなっています。一般投資家がしっかりと利益を上げられる市場整備や運営が必要です。」
(以上、引用)

 株式市場は10月に入ってからの大幅な下落により、日経平均株価では5月末からの上げ幅の大半を失いました。最近の株価推移は上記の5月初旬に感じたものと同様なものを想起します。

 半年前にこのコラムを書いた時に考えたのは、安倍政権補足からはや1年半が過ぎたにもかかわらず改革の方向性を感じることが出来ず、国民の生活が置き去 りにされたままであること、金融市場に於いても投資家重視の視点を置き去りにしたまま金融政策だけに頼り相場を持ち上げようとしていること、富裕層(主に 高齢者や資産家層)の資産価格押し上げによって目先の消費を嵩上げしようと目論んでいることなど、根本的な解決策(痛みを伴う政策)が示されないままであ ることへの懸念です。

 あれから半年がたった今に至っても同様のデジャヴを感じます。継続的な資金供給やファンダメンタルズの改善などもあるため株式市場が今年の安値を割るほどに下げるとは思いませんが、それにしても下げるときには暴力的な下げ方をします。正にカジノです。

 ゴキブリ達は既得権維持のために票格差是正も構造改革も先送りし、縦割り行政の弊害も是正せぬままに、財政ファイナンスと言うモルヒネに頼って何とかな ると考えているのでしょうか。このままでは産業も金融市場も発展せず、ひたすらカジノ金融市場が続いてしまうと言う事です。そしてこの未成熟な鉄火場に GPIFは国民の年金資産投入額を増やそうとしているのか?

 悪く解釈すれば「破綻への助走」が始まったと言うべきか。政府としては既に返済不能なまでに膨れ上がった借金を、ハイパーインフレとは言わずとも、一定 レベル以上のインフレを発生させ、そしてそれをコントロールすることにより借金額の相対的膨張を抑える、または減らすことを狙っているのではとの懸念で す。
 但し、これには単なる物価上昇だけでは対応できません。経済成長に沿ったインフレでなければいけない訳で、これこそ大変難しい(まずはコントロール不可 能な)オペレーションになるものと思われます。が、この方針であるなら、まだ暫くはモルヒネに頼り続けると言うことなのでしょう。本格的なバブルへと向か うのか?国民置き去りの身勝手な国家運営と言わざるを得ません。

 先日は松島法相のウチワ問題が(日本の司令塔であるはずの)国会での主要議題になりました(呆)。小渕元経産相(父は元首相)の資金管理手腕については 無様と言う他はありませんし、宮沢洋一新経産相(伯父は元首相)にも早々に政治活動費でSMクラブへの支出、不明朗な政治資金管理・・・などの情けなさ過 ぎるニュースも出て来ました。
 構造改革を嫌う役所からの安倍政権の弱みに付け込んだリークなのでしょうが、一方の野党も既得権に縛られ本格的な政策議論が出来ず、リーク情報に乗っかった重箱の隅をつつくような「足の引っ張り合い国会」から抜け出せません。

 政治家の既得権である3バンにより無能な世襲政治家が生み出され、国家を破壊していく様を目の当たりにしています。

 とうとう中国は漁船団を使って小笠原の海までも荒らし始めました。漁業の常識からは経済的メリットなど感じられないのに、中国共産党は何等かの意図を 持って1,000キロ以上も離れた地域に漁船団を向かわせているのです。こんな時こそ「世界自然遺産の破壊行為までも利用する中国」として中国共産党の暴 挙ぶりを効果的に海外に発信せねばいけないにもかかわらず無能なマスゴミのニュースに任せたきりです。

 消費増税についても懸念の声が増えてきました。当然ですね。増税の見返りとして経済活性化のため、将来世代のための構造改革や政治改革がセットで実行さ れねばいけないはずが、小手先の景気刺激策を口にするだけで増税で得た金を使って公共工事のバラマキ、予算の分捕り合いくらいしかしていないのですか ら・・・。この体たらくを見た株式市場も伸び悩んでいるのでしょう。

 ゴキブリ達は政権が替わろうが何だろうが、本当の弱者(将来世代)や目の前の重要課題を置き去りにしたままゴミダメ論争を続ける腹積もりでしょうか。太古の昔から生き延びてきた生命力を感じざるを得ません。


(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)