今週(9月22~26日)の東京株式市場は、前週に続き4日間の立会いでしたが、日経平均株価で91円の下落となりました。ただ、25日には米株高、円安 の進行を受けて年初来高値を更新。26日は144円安となりましたが、9月期末の配当落ちに伴う90円程度の下押し要因を考慮すると底堅い相場展開であっ たと評価できます。

 国内の景気は回復度合いが思わしくなく、その意味でも10月1日発表の日銀短観が注目されます。ただ、米国景気の好調は持続しており、それを背景とする 円安傾向も続くと思われますので、自動車、電機・精密、機械などを中心とする業績改善期待が株式相場を下支えするものと想定されます。

 なお、米連邦準備理事会(FRB)は9月のFOMC(16~17日)で、月額250億ドルの追加証券購入額を10月から100億ドル減額して150億ド ルとすることを決定しました。さらに、追加証券購入(量的緩和第3弾=QE3=)を次回10月のFOMC(28~29日)で終了する方針を確認していま す。
 イエレンFRB議長は、QE3終了後の政策金利の引き上げについて、慎重に時期を判断する姿勢を示しています。しかし、米国の順調な景気回復を背景とする早期利上げの思惑などから、米国の金利は上昇傾向を辿り、外為市場ではドルが強含む展開が続くと思われます。

 11月4日には米国で中間選挙が実施されますが、共和党が下院に続き、上院でも過半数を占める可能性が高まっています。共和党はFRBの量的緩和政策に 対し、強く反対してきました。中間選挙前に量的緩和を終了することは偶然でもなさそうですが、共和党が上下院で多数を占めた場合、早期の利上げに対する圧 力が強まる可能性もあります。その場合の国際金融資本市場の反応はどうでしょうか。今後の大きな注目ポイントといえます。

(水島寒月)

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