日経平均がついに昨年末の高値を更新し、一気に強気の意見が聞かれるようになってきました。抜けてきたばかりのタイミングなので、ここで弱気を言うのは筋 ではないのですが、過去の変動を冷静に眺めると、上げピッチが速い場合は警戒感も出てきます。為替の円安が株価の上げにつながったことを考えますと、その 動向にはますます目が離せない状況です。
先週は1ドル=109円45銭までの円安となり110円が目前に迫るなど、ややこれもピッチが速い感が致します。
さて、順調に高値抜けした日経平均ですが問題はここからです。為替が円安となれば輸出企業にとっては恩恵を受けやすくなりますが、それが国内産業にまで プラスの影響をもたらすまでには時間を要します。むしろ円安による原材料高が今後の企業業績や国民生活に及ぼす負の影響が気になってきます。
日経平均が高値を抜けた今は良い。だが冷静になればこの先しばらくすればやや波乱も想定されます。こうした動きは個別企業の9月中間決算以降の下期業績 の二極化要因となりますので選別物色の動きが一層鮮明になると考えられます。いや既にそうした気運が高まっていると考えられます。
今は何でも良いから株を買おうという気運にまでは至っていません。つまり機関投資家を中心に為替の円安を機に国際優良株や主力輸出関連銘柄、インデックス連動銘柄に資金を投じているものと推察されます。
一方では個人主体の中小型材料株はまちまちの動きとなっており、やや調整含みの中に依然としてあるように思われます。
循環的な視点ではこの先に待っているのはこうした放置されてきた個別銘柄にも買いの手が活発に入るという展開ですが、それには景気の先行きへの自信とそれに伴う企業業績の拡大が求められます。
テーマのスケールが大きい投資対象には全員参加型の相場展開が期待され、既にこれまで国土強靭化(現在進行形)、ロボット、新エネルギーなどのテーマで の活躍銘柄が登場しましたが、理化学研究所の問題で影を潜めてきた創薬ベンチャーへの投資熱は昨年の5月以降冷めたままの状況です。
これに関与した個人投資家の運用成果は影響を受けた状態ですが、既に多くは全体相場の上昇局面の中で損金処理を実行し株価の位置も再度の上昇局面に向けた水準にまで低下してきた銘柄も見受けられます。
現実の利益を追求する投資が盛り上がる一方で、病気の克服に向けた夢を追い求めるビジネスを展開する企業への投資がなくなることはないと思われます。
500兆円の日本株の時価総額のうちトヨタやソフトバンクは32兆円を占めていますが、2社の経常利益は合わせて約3.5兆ですから妥当な水準か、この先のビジネス展開ではむしろ割安感のある水準です。
一方の創薬ベンチャー(20社余りが上場)はその時価総額の合計は約7000億円となり、その利益合計は当然赤字ですが、一部に大きな利益を生み出し始めた企業もあります。
現実を追うのか夢を追うのか。現実を追う流れが強まり株式相場の高値更新が見られる中で次の展開を睨む投資家の皆さんのお考えはいかがでしょうか。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
先週は1ドル=109円45銭までの円安となり110円が目前に迫るなど、ややこれもピッチが速い感が致します。
さて、順調に高値抜けした日経平均ですが問題はここからです。為替が円安となれば輸出企業にとっては恩恵を受けやすくなりますが、それが国内産業にまで プラスの影響をもたらすまでには時間を要します。むしろ円安による原材料高が今後の企業業績や国民生活に及ぼす負の影響が気になってきます。
日経平均が高値を抜けた今は良い。だが冷静になればこの先しばらくすればやや波乱も想定されます。こうした動きは個別企業の9月中間決算以降の下期業績 の二極化要因となりますので選別物色の動きが一層鮮明になると考えられます。いや既にそうした気運が高まっていると考えられます。
今は何でも良いから株を買おうという気運にまでは至っていません。つまり機関投資家を中心に為替の円安を機に国際優良株や主力輸出関連銘柄、インデックス連動銘柄に資金を投じているものと推察されます。
一方では個人主体の中小型材料株はまちまちの動きとなっており、やや調整含みの中に依然としてあるように思われます。
循環的な視点ではこの先に待っているのはこうした放置されてきた個別銘柄にも買いの手が活発に入るという展開ですが、それには景気の先行きへの自信とそれに伴う企業業績の拡大が求められます。
テーマのスケールが大きい投資対象には全員参加型の相場展開が期待され、既にこれまで国土強靭化(現在進行形)、ロボット、新エネルギーなどのテーマで の活躍銘柄が登場しましたが、理化学研究所の問題で影を潜めてきた創薬ベンチャーへの投資熱は昨年の5月以降冷めたままの状況です。
これに関与した個人投資家の運用成果は影響を受けた状態ですが、既に多くは全体相場の上昇局面の中で損金処理を実行し株価の位置も再度の上昇局面に向けた水準にまで低下してきた銘柄も見受けられます。
現実の利益を追求する投資が盛り上がる一方で、病気の克服に向けた夢を追い求めるビジネスを展開する企業への投資がなくなることはないと思われます。
500兆円の日本株の時価総額のうちトヨタやソフトバンクは32兆円を占めていますが、2社の経常利益は合わせて約3.5兆ですから妥当な水準か、この先のビジネス展開ではむしろ割安感のある水準です。
一方の創薬ベンチャー(20社余りが上場)はその時価総額の合計は約7000億円となり、その利益合計は当然赤字ですが、一部に大きな利益を生み出し始めた企業もあります。
現実を追うのか夢を追うのか。現実を追う流れが強まり株式相場の高値更新が見られる中で次の展開を睨む投資家の皆さんのお考えはいかがでしょうか。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
コメント
コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。