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孫子の投資法 敵を知り己を知る その5

2014/06/25 14:28 投稿

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本連載を初めてお読みになる方は<孫子の投資法その1>を先にご覧ください。 http://okuchika.jugem.jp/?eid=4482

■戦争のことをよく知らないのに、軍隊を直接指揮しようとしてはならない

◎国王に対して将軍とは助け役であり、親密であればある程良い成果を出せる。
 助け役と主君のコミニュケーションがうまくいかなければ国家は弱くなる。
 そこで、国王は軍事に関して次のことに注意しなければならない。
1)戦争のことをよく知らないのに、軍隊を直接指揮しようとしてはならない。
2)戦争のことをよく知らないのに、将軍と一緒に軍隊を動かそうとしてはならない。兵隊はどちらの指示に従うか迷うことになる。
3)実戦のことも分からないのに、最前線で軍隊の指揮を行おうとしてはならない。兵士は迷い疑うことになる。

 ウォーレン・バフェットが傘下の企業(バークシャー・グループ)を、マネジメントする手法は、かつての日本の「おみこし型」経営システムに似ています。

 おみこし型経営システムとは、部長や社長などの上司は部下が担ぐおみこしの上に載って何も仕事をしない、というやり方です。

 欧米流の「リーダーが先頭に立って切り盛りすべきだ」という考え方に汚染された現在の日本では、「社長や部長が何もしないでいるなんてとんでもない!」と憤る方も多いかもしれません。

 しかし、日本の黄金時代すなわち高度成長時代においては、この「おみこし型経営システム」によって企業の発展が促されたのも事実です。

 バフェットは、「どのような会社でも、無能な人物が経営者になる時がある。そのような時でも、盤石な経営を続けることができる会社に投資したい」と語り ます。ビル・ゲイツが言うところの「ハムサンド=サル」でも経営できる会社が望ましいということですから、「おみこし型経営」こそ理想であるということに なります。

 もちろん、会社は「人間」が支えているわけですから、ハムサンドが経営できるおみこし型の会社というのは、従業員が極めて優秀ということです。

 よく言われるのは、日本は「中間層が厚い」ということです。トップに立つリーダー同士を比較すると、日本のリーダーは少々頼りなく見えるときがありますが、それでいいのです。

 日本はどのような上司(リーダー)が出現しても、しっかりと部下(国民)が国を支える素晴らしい国家です。

 それに対して、日本の隣でナチス化を進めている国やその子分の国などは、部下(国民)によって国家が支えることができないため、ハムサンド・リーダーの出現によって、国家存亡の危機に瀕しています。

 企業でも国家でも根本原理は同じです。「事件は現場で起こっている」という言葉がありますが、いくらリーダーが雲の上で号令しても物事はうまくいきません。

 ですから、国王(リーダー)は、具体的な仕事は将軍(現場)に任せて、将軍(現場)が、「この国王(リーダー)のためなら死んでもいい」と思わせるほど、(人間的に)尊敬されるよう努力すべきです。

 バフェットは、数多くの企業買収を行ってきましたが、買収先の企業の経営に口を出すことは有りません、しかし、傘下企業の経営者達は、バークシャー・グループの一員であることを誇りに思い、バフェットを尊敬していますから、色々な口実をつくって相談事を持ちかけます。

 もちろん、相談ごとに対してバフェット自身の意見を述べますが、最後に必ずこの一言を付け加えます。
「あなた自身が正しいと思う方法で経営をしてください」

 国王(リーダー)が将軍(部下)を信頼して、任せることが成功の大原則です。逆に言えば信頼できる将軍(部下)がいなければ決して成功できないということです。

(大原浩)

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(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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