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四季報を見よう

2014/05/23 17:16 投稿

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始めに、先週のメルマガに つきまして開業医をしておられる読者の方からコメントを頂きました。医療と見做されていないあの手の整骨院で保険が使えることへの疑問とともに、厚労省の 行政手法に対しても絶望的と感じている様子が窺えました。小職の友人の医師も以前から同様のことを言っていますが、それこそ真面目にやっている現場の先生 方こそが(詳しいだけに)我々より強い危機感を持っておられるようです。厚労利権に群がるゴキブリどもの所業はいよいよ忌々しき状況に至っていると感じま す。

 ところで、先週は下記のように書きました。

「ここ数カ月間はその大事な施策が出てくるのを市場が待っている時期でした。余り期待は出来ないものの6月には(それなりの)第3の矢が出てくるのでしょ うし、日銀も少なくとも資産買い取り枠を広げる程度の施策は打ち出さねばいけないムードになってきたと感じます。そうなるとまずはメガバンク、不動産、そ の他主力銘柄の中で利回りの高い銘柄などが物色されるのか?などと考えている次第です。銀行は儲けすぎ批判を避ける為、(毎度のことですが)控えめな決算 予想を出しましたが。」

 と書いたものの市場は依然として混沌としており、あっちへ行ったりこっちへ行ったりと物色の焦点が定まらない動きとなっています。メガバンクも割安と書 いたものの、前期決算は引き当て減少などにより利益が嵩上げされている部分も大きいですから、長期的な金利上昇を懸念するなら多少配当利回りが高いとはい え割安とまでは言えないのかもしれません。同時に、今期予想が出されたばかりのこの1~2ヵ月は将来に渡って伸びそうな企業を地道に探す(研究する)のに 適した時期です・・・。

 毎度の事ですが、サラリーマン経営者を頂いた企業の(やる気の無い)(または顧客企業から「儲かっているならマケテくれ」と言われるのを避けるための) 控えめな今期予想も目につきましたが、とは言え、前期は設備投資の増加やこの機会に不良資産を落としてしまおうとする企業会計などにより増益幅が少なかっ た、或いはそれに倣って今期予想を抑え目にした企業などの第一四半期以降の決算も楽しみでもあると言えます。

 この5~6月中旬は年度決算発表を受けて金融各社のアナリスト達により、上記以外にも明らかに今期増益と思えるのにコンサバな見通しを発表していた企業や、逆に無理をして背伸びをした予想を出した企業を探し出し、独自の今来期予想を作成する作業が進められています。
 彼らの作業の中で既に幾つか、自動車販売や資源開発が好調な北米で設備増強を済ませた企業や、スマホも含めた売り上げ増加商品に搭載する部品供給が決まっている企業、想定以上に海外需要が伸びている企業などの目処が付き始めているようです。

 個別の企業名を書き出したら切が無いのですが、比較的簡単な銘柄選びのコツ(と言えるのかどうか?)があります。小職なりに。

 まず直近の四季報(春号ですね)を手元に於き、日経新聞に掲載されている決算速報ページの上から順番に(と言ってもある程度は興味がある企業)、前期末 と今期予想の数字について四季報予想の数字とを見比べていく方法です。かなりの数がありますので、そこは機械的にパッパと順番にペンでマークをする程度に 比較するのですが、慣れてくるうちに時々面白い数字を見つけます。「あれ?今期は思ったより強気になったな。」とか。

 一例ですが、前期~今期にかけて思った以上に上方修正されているものや、今期は伸びるだろうなぁ~と考えていたのに「前期売上増+利益横ばい」で「今期売上微増+利益横ばい」などという意欲の感じられない企業、または今
期営業利益が四季報から大きく上に乖離している企業などと言ったものです。つまり調べたくなります。

 この手のグループの中に結構面白い銘柄が含まれていることがあります。つまり大半の人の予想と幾らか違う予想(もちろん上でも下でも)を出してきたときで、その企業がまだ世間に知られていないネタを抱えている可能性が高いと言うことになります。

 予想数値は企業によって強めに出したり控えめに出したりなどのクセがありますが、3期分も続ければ主だった企業の傾向くらいは覚えてしまいます。どの企 業も社内予算的な為替や金利水準をベースに事業予測を立てていますが、その一方で公表ベースの為替を少し動かせば利益予想が大きく変わることがありますか ら、公表される目先の増減益の数値にばかり目を奪われず、その企業の本音を調べるのがボトムアップの投資手法として楽しみなものです。宝探しみたいで。

 データを独自のアイデアで機械的にスクリーニングして銘柄を抽出することなどもありますが、これは誰もがやっていることで結果として誰もが似たような結 果を得ることになりそうです。面倒ではあるものの、四季報の行間を想像したり手作業によって得られる情報はPCで加工した情報とは一味もふた味も違うと感 じています。
 それらを元に決算短信などへと広げていく訳ですが、四季報や会社情報にしても全てが生の取材を元にしたり時間を掛けて作成している訳ではありませんし、それなりに記者の主観も混じります。これらの微妙な感触と言うか味の違いを感じる銘柄研究も面白いものです。

 但し、博打相場では余り役に立ちません。公表されているマーケットコンセンサスや表面的な「増益、減益」と言ったワードを頼りに上か下かでゲーム感覚(と言った感じ?)で売られたり買われたりしますので、腰を据えた投資がし辛いからです。
 それに、そもそも何故に米国株が上がり易く日本株が上がらないかと言えば仕組みの違いも大きいからと思います。NYSEの上場企業などは「自社株買い+ 償却」を繰り返して株価を上げようとしているところが目につきます。米国の経営者報酬はストップオプションが相当部分を占めるケースが多いですからM&A でも何でも使って株価を上げようとするのでしょう。
 一方、日本のコ古い企業ほど固定費(役員報酬)が大半であり、ちょっとくらい業績が良くなった程度で報酬を上げようとすると(妬みからか?)文句を言わ れ易い?為に飲食など(交際費や社用車とか)で使ったり、いつまでも会社にしがみ付いたりでコソコソと株主に見えないところで金を使うなど、揉み手で役員 に引き上げてもらったスパーサラリーマンばかりの場合には自分さえ安泰なら株価なぞ二の次三の次になってしまいますね。これじゃ株価は上がりません。ここ を何とかしなければ資本市場は十分に機能を発揮しません。・・・また愚痴で済みません。

 小職の場合には随分前から本業が変わってしまったので最近は銘柄研究を真面目にやっていませんが、億近執筆陣のうちの何人かはこれに近しい(且つもっと 高度な)調査を始終しておられるはずです。様々な分野における専門の方々が書いていますので新しい発見もあり、小職も他の方のメルマガを楽しく読ませて頂 いている次第です。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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