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株主への利益還元

2014/02/04 22:58 投稿

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企業が利益を得たらそれを株主に還元するというのは当然のことながら得たお金を内部に過剰に蓄積した場合、市場での評価が上がらず低PBR銘柄、万年割安銘柄という烙印を押されたケースもしばしば出て参ります。
 そうした企業では内部蓄積した資金を使い、利益成長に向け先行投資した結果が業績に反映されるとともに、配当方針を株主や新たな投資家に説明して妥当な株価形成がなされるようにしていかないとなりません。

 成長内容を含んだ中期計画の発表は株主や投資家にとって株式保有の原動力となります。未来が示されないと保有するのは不安となります。今手持ちの銘柄を売りたくてしようがない、とするか買いたくて仕方がないとするかは経営者の考え方や手腕、意識によります。

 冒頭にあるように株主への利益還元という言い方を経営サイドではしますが、経営者自らが創業オーナーである場合は利益還元は自らの懐に入ってくるお金になります。中期計画の表明のなかに利益還元の方針をいかに入れて投資魅力を高めるかが重要な要素となります。
 新たなリスクマネーをいかに取り込むかが株価の形成にとって大事ですが、低PBRに甘んじている企業の経営者には株価の意識が比較的低く、慎重な姿勢で臨まれている方が多いのかも知れません。

 低PBR企業は市場でプレミアムをつけないとM&Aの心配が出てきます。オーナー会社だとM&Aされる可能性は小さいですが、雇われ経営者だとそうした可能性が出てきます。

 そこで前回本メルマガで取り上げたテノックス(1905)やその前に取り上げたKG情報(2408)などの低PBR銘柄に甘んじている企業が取るべき施 策は業績の拡大戦略とその結果の株主への利益還元策にあると思われます。このためこれらの企業が業績連動型の配当を打ち出した点はポジティブに評価すべき かと思われます。

 まだ大きく利益は拡大していない段階での業績連動型配当の表明は将来の業績拡大への目論みが背景となっているものと見て取れ前向きに評価したいと思いま す。もっと言えば両社とも現状は行っていないアナリスト向けの決算説明会を開催すればこの水準の株価ではなくなると考えられます。


【テノックスの配当金について】

 前期の1株当たり配当金は年10円。これまでは赤字に転落した2期間において年8円配当としたのを除くと、年10円の安定的な配当を継続してきましたが、今期より業績連動型の配当を実施するとしています。

 配当性向については方針を表明していませんが、今期の業績が想定以上に好調に着地した場合、増配も期待されます。

 4月以降は消費税増税により、市場の閉塞化を予想する声もありますが、同社の場合は、品質を担保できている技術開発が次々と市場で受け入れられること で、来年度着工以降の工事においても建設業界から注目を集めているとされます。この追い風を背に、株主への利益還元の拡充を果たせるよう、業績連動型の配 当政策を積極的に検討していくと表明しています。
(先週の株価変動ゾーン460円から510円)


【KG情報の配当金について】

 2012年まで同社は年10円配当を基本としてきました。この方針を前期から変更し、配当性向25%を基本に配当を実施する方針を打ち出しています。
 中長期的な成長のために総額5億円の先行投資を計画していましたが前期は2億円に留まり、期初計画(経常利益5億円)を3億円余り上回って8.2億円で着地しました。結果としてEPSは67円となり配当性向25%で配当金は16.8円と大きく増加しました。
 残念ながらずれ込んだ先行投資が今期に3億円発生するという前提から今期の予想経常利益は5.3億円、EPSは42.9円となり、配当金も年10.8円に低下するとの堅い見通しですが、結果としてはまた期初計画を上回るものと期待されます。
 先行投資分を含めた実質経常利益は前期も10億円を超えており、今期も着地では先行投資分を含めた経常利益が10億円台となるものと期待されます。また、来期は先行投資の結果が業績に表れると考えられます。
 既存事業は頭打ちとなっても新規事業が業績を押し上げていくと期待されます。先行投資費用がなくなる分と合わせて経常利益は12億円程度は最低でも期待されます。

 そうなれば業績連動で配当も増えていきます。また、積極的に取り組んでいるとしている新規事業が同社の今後の株価に影響することは言うまでもありません。
(先週の株価変動ゾーン:504円から520円)

(炎)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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