今年のIPO社数は昨年と同様12月の上場ラッシュで本日現在49社となる見込みです。あと2、3社出てくるかも知れませんが、結果としては昨年の46社を上回ります。そのうち27社は東証マザーズとなっており、ジャスダックの数を上回る見込みです。
とりわけ12月はIPOのラッシュ。今年も12社がノミネートしています。
中には私がかつて交流していた会社もあります。
桧家HDの子会社日本アクア、足利銀行の持ち株会社なども登場してきます。1社づつコメントしたいとは思いますが、時間の都合もあり今回はそのうちの注目銘柄だけをピックアップしてみます。
今年のIPOは2月13日のメドレックス(4586)から10月22日のシステム情報(3677)までで32社が行っています。それぞれの株価は上場後大きく変動し、高値つかみで困っておられる投資家や大きくパフォーマンスを上げた投資家もお見えになるかと思います。
IPO銘柄はボラティリティがあって面白いと相変わらず多くの投資家の関心の的になっているものと推察されますが、熱しやすく冷めやすい投資家も多く、上場時の賑わいはどこに行ったのかわからないほど閑散となっている銘柄もあります。
それらのチェックも怠ることなく、新たに登場する銘柄の研究にも時間を割いておきたいところです。
過去を振り返りつつ11月19日のANAP(3189)以降の銘柄に関心を持っておきたいところです。
2月に上場した4社(メドレックス、ビューティガレージ、買取王国、協立情報通信)は公募価格こそまだ上回っていますが、いずれも初値から値を下げていて、どれもが下値を探る動きとなっています。
この中では買取王国(3181)の株価水準(1200円前後)が時価総額21億円となり収益水準に比べて割安感が出てきたように思われます。2月銘柄は 押し並べて忘れ去られている状況なのでどこかで見直し買いが入るのではないかと思われます。決算の進捗状況を確認しながらの取り組みが求められます。
3月に上場した9社(ソフトマックス、オイシックス、オルトプラス、ウォーターダイレクト、鴻池運輸、アサンテ、ファルテック、ブロードリーフ、タマホーム)の中ではアサンテ、ブロードリーフ、タマホームが初値割れの状態が見られます。
個人的には初値1034円から900円割れとなっているシロアリ駆除大手のアサンテ(6073)に頑張ってほしいと願っています。地球規模での異常気象 がシロアリや害虫の発生を促しているようにも思われます。住宅の長期保持ニーズの高まりを受けた中長期的な業績拡大に期待しています。伸び率は低いですが 今期EPSは110円で、PER8倍どころは修正が起きても不思議ではありません。増配発表から徐々に直近のゾーンに戻りつつあるというのが現状です。
また人気化していたオイシックス(3182)が調整場面ながら落ち着きを見せ、初値付近まで下落していますので買いタイミングを伺うところかと思われます。
4月は2社(サンヨーホームズ、オークファン)だけの上場でした。
不動産系のサンヨーホームズ(1420)が株価低迷しているのは大方の投資家が想定したように思われますがこの水準からの株価低落は投資のチャンスでは ないかと思われます。10月7日には655円の安値があり、時価は738円(時価総額93億円)。オリックス、セコム、LIXIL、関電の4社が全体の株 式の72%を保有しており、浮動株は少ないと見られます。大株主の後ろ盾もあり、成長指向で今後の事業スケールの拡大が期待されます。
同月上場のネットオークションの情報サイト運営のオークファン(3674)は人気株のひとつ。上場初値1万480円で9月の5分割前の6月に3万 2350円まで3倍にまで急騰。その後、6990円まで急落したものの、その後は持ち直し気味。5分割の実施後の時価は3410円で時価総額は313億 円。今期予想経常利益4億円に対しての割高感は否めません。成長性は高いとは思いますので今後も人気はあるでしょうが、ここまで来るとそうした株もあるの か程度に眺めておく銘柄かも知れません。
不思議なことに5月の上場はゼロでした。
6月には5社(ぺプチドリーム、横田製作所、リプロセル、JSS、ICDA)が上場。ぺプチ、リプロといった2社のバイオベンチャーに関心が集中しその 他3社は全く見向きもされずにきました。引き続きiPS細胞関連のリプロセル(4978)は8月の5分割実施後の安値付近にあり、上場初値17800円の 半値水準となり折に触れて物色される可能性があります。
7月は4社(サントリー食品インターナショナル、夢展望、フォトクリエイト、ネクステージ)が上場。時価総額1兆円となったサントリー食品に資金が吸い 取られたのか他の3社は上場後下落しています。特に夢展望(3185)は業績の下方修正で公募価格2600円を下回っています。
中古車売買のネクステージ(3186)も公募価格1700円を下回るなど人気薄です。6月のICDA(3184)も自動車販売会社で業績は堅調ながら不人気ですがいずれも業種が影響していると思われます。
8月は2社(アメイズ、N.フィールド)が上場。ホテルチェーンのアメイズ(6076)は福岡証券取引所に上場した企業ですが、不人気かと思いきや案外株価は上場後堅調な推移を辿っています。
介護関連のN.フィールド(6077)も上場直後は穏健な動きでしたが、直近になって15220円という高値をつけるなど異色な動きです。その後の株価 は調整気味で、9180円という水準となっています。現状の業績(今期経常利益1.75億円)に対して時価総額115億円は依然として割高感が強い状況で す。よほど成長性があると見られたものと思われますが、そうした情報は少なくとも私には来ていません。
9月の上場は3社(サンワカンパニー、オープンハウス、エンビプロHD)でしたが、いずれも比較的穏健な動きです。
オープンハウス(3288・東証1部)は不動産デベロッパーで事業規模が大きく上場後堅調な株価推移。時価総額は736億円。今9月期の予想経常利益110億円という水準が下支えしています。
サンワカンパニー(3187)は住宅資材のネット通販会社ですが、9月の安値2450円から時価3650円で反転上昇の動きが見られます。
エンビプロHD(5698)は廃棄物処理企業で上場初値1040円から調整の動きが続いています。今6月期の業績が横ばいでは致し方ありません。
10月は3社(バリューHR、エナリス、システム情報)が上場しました。
この中で最も人気が集まったのは10月8日にマザーズ上場のエナリス(6079)です。エネルギーマネジメント企業ということで電気代が上がっている中 で人気化しているかと思いますが、上場初値は公募価格280円に対して約2.5倍の717円で上場。その後2578円という高値をつけ、時価は1502 円、時価総額は649億円です。12月決算で予想経常利益9億円に対しての割高感は否めません。
一昨年の今頃、話題となったリブセンス(6054)が公募価格990円で2011年12月の初値1800円から1年半で2回の2分割を加味して26000円の14倍にまで評価を高めたことを思い出してみて下さい。
また、昨年12月20日はミドリムシで話題となったユーグレナ(2931)がマザーズに上場。1年間で2回の5分割を実施して上場初値3900円を10 倍にまで高めました。高値は1回目の5分割後の16510円で逆算で82550円で21倍となっています。上場後の安値3690円からは22倍、いずれに しても壮大な変化です。宝くじのような感覚の銘柄でした。
こうした銘柄が今年も登場するかどうかはわかりませんが、可能性はなきにしもあらず。時間はまだたっぷりあります。研究なさってみてはどうでしょうか。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
とりわけ12月はIPOのラッシュ。今年も12社がノミネートしています。
中には私がかつて交流していた会社もあります。
桧家HDの子会社日本アクア、足利銀行の持ち株会社なども登場してきます。1社づつコメントしたいとは思いますが、時間の都合もあり今回はそのうちの注目銘柄だけをピックアップしてみます。
今年のIPOは2月13日のメドレックス(4586)から10月22日のシステム情報(3677)までで32社が行っています。それぞれの株価は上場後大きく変動し、高値つかみで困っておられる投資家や大きくパフォーマンスを上げた投資家もお見えになるかと思います。
IPO銘柄はボラティリティがあって面白いと相変わらず多くの投資家の関心の的になっているものと推察されますが、熱しやすく冷めやすい投資家も多く、上場時の賑わいはどこに行ったのかわからないほど閑散となっている銘柄もあります。
それらのチェックも怠ることなく、新たに登場する銘柄の研究にも時間を割いておきたいところです。
過去を振り返りつつ11月19日のANAP(3189)以降の銘柄に関心を持っておきたいところです。
2月に上場した4社(メドレックス、ビューティガレージ、買取王国、協立情報通信)は公募価格こそまだ上回っていますが、いずれも初値から値を下げていて、どれもが下値を探る動きとなっています。
この中では買取王国(3181)の株価水準(1200円前後)が時価総額21億円となり収益水準に比べて割安感が出てきたように思われます。2月銘柄は 押し並べて忘れ去られている状況なのでどこかで見直し買いが入るのではないかと思われます。決算の進捗状況を確認しながらの取り組みが求められます。
3月に上場した9社(ソフトマックス、オイシックス、オルトプラス、ウォーターダイレクト、鴻池運輸、アサンテ、ファルテック、ブロードリーフ、タマホーム)の中ではアサンテ、ブロードリーフ、タマホームが初値割れの状態が見られます。
個人的には初値1034円から900円割れとなっているシロアリ駆除大手のアサンテ(6073)に頑張ってほしいと願っています。地球規模での異常気象 がシロアリや害虫の発生を促しているようにも思われます。住宅の長期保持ニーズの高まりを受けた中長期的な業績拡大に期待しています。伸び率は低いですが 今期EPSは110円で、PER8倍どころは修正が起きても不思議ではありません。増配発表から徐々に直近のゾーンに戻りつつあるというのが現状です。
また人気化していたオイシックス(3182)が調整場面ながら落ち着きを見せ、初値付近まで下落していますので買いタイミングを伺うところかと思われます。
4月は2社(サンヨーホームズ、オークファン)だけの上場でした。
不動産系のサンヨーホームズ(1420)が株価低迷しているのは大方の投資家が想定したように思われますがこの水準からの株価低落は投資のチャンスでは ないかと思われます。10月7日には655円の安値があり、時価は738円(時価総額93億円)。オリックス、セコム、LIXIL、関電の4社が全体の株 式の72%を保有しており、浮動株は少ないと見られます。大株主の後ろ盾もあり、成長指向で今後の事業スケールの拡大が期待されます。
同月上場のネットオークションの情報サイト運営のオークファン(3674)は人気株のひとつ。上場初値1万480円で9月の5分割前の6月に3万 2350円まで3倍にまで急騰。その後、6990円まで急落したものの、その後は持ち直し気味。5分割の実施後の時価は3410円で時価総額は313億 円。今期予想経常利益4億円に対しての割高感は否めません。成長性は高いとは思いますので今後も人気はあるでしょうが、ここまで来るとそうした株もあるの か程度に眺めておく銘柄かも知れません。
不思議なことに5月の上場はゼロでした。
6月には5社(ぺプチドリーム、横田製作所、リプロセル、JSS、ICDA)が上場。ぺプチ、リプロといった2社のバイオベンチャーに関心が集中しその 他3社は全く見向きもされずにきました。引き続きiPS細胞関連のリプロセル(4978)は8月の5分割実施後の安値付近にあり、上場初値17800円の 半値水準となり折に触れて物色される可能性があります。
7月は4社(サントリー食品インターナショナル、夢展望、フォトクリエイト、ネクステージ)が上場。時価総額1兆円となったサントリー食品に資金が吸い 取られたのか他の3社は上場後下落しています。特に夢展望(3185)は業績の下方修正で公募価格2600円を下回っています。
中古車売買のネクステージ(3186)も公募価格1700円を下回るなど人気薄です。6月のICDA(3184)も自動車販売会社で業績は堅調ながら不人気ですがいずれも業種が影響していると思われます。
8月は2社(アメイズ、N.フィールド)が上場。ホテルチェーンのアメイズ(6076)は福岡証券取引所に上場した企業ですが、不人気かと思いきや案外株価は上場後堅調な推移を辿っています。
介護関連のN.フィールド(6077)も上場直後は穏健な動きでしたが、直近になって15220円という高値をつけるなど異色な動きです。その後の株価 は調整気味で、9180円という水準となっています。現状の業績(今期経常利益1.75億円)に対して時価総額115億円は依然として割高感が強い状況で す。よほど成長性があると見られたものと思われますが、そうした情報は少なくとも私には来ていません。
9月の上場は3社(サンワカンパニー、オープンハウス、エンビプロHD)でしたが、いずれも比較的穏健な動きです。
オープンハウス(3288・東証1部)は不動産デベロッパーで事業規模が大きく上場後堅調な株価推移。時価総額は736億円。今9月期の予想経常利益110億円という水準が下支えしています。
サンワカンパニー(3187)は住宅資材のネット通販会社ですが、9月の安値2450円から時価3650円で反転上昇の動きが見られます。
エンビプロHD(5698)は廃棄物処理企業で上場初値1040円から調整の動きが続いています。今6月期の業績が横ばいでは致し方ありません。
10月は3社(バリューHR、エナリス、システム情報)が上場しました。
この中で最も人気が集まったのは10月8日にマザーズ上場のエナリス(6079)です。エネルギーマネジメント企業ということで電気代が上がっている中 で人気化しているかと思いますが、上場初値は公募価格280円に対して約2.5倍の717円で上場。その後2578円という高値をつけ、時価は1502 円、時価総額は649億円です。12月決算で予想経常利益9億円に対しての割高感は否めません。
一昨年の今頃、話題となったリブセンス(6054)が公募価格990円で2011年12月の初値1800円から1年半で2回の2分割を加味して26000円の14倍にまで評価を高めたことを思い出してみて下さい。
また、昨年12月20日はミドリムシで話題となったユーグレナ(2931)がマザーズに上場。1年間で2回の5分割を実施して上場初値3900円を10 倍にまで高めました。高値は1回目の5分割後の16510円で逆算で82550円で21倍となっています。上場後の安値3690円からは22倍、いずれに しても壮大な変化です。宝くじのような感覚の銘柄でした。
こうした銘柄が今年も登場するかどうかはわかりませんが、可能性はなきにしもあらず。時間はまだたっぷりあります。研究なさってみてはどうでしょうか。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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