~直近の株価が上昇したきちり(3082)の場合は何があったのか?~
株価には上下変動がつきものです。何らかの訳があって変動しています。横ばいばっかり続く銘柄を投資家は買いたいとは思いませんが、そこにすら何らかの理由があります。
上がるのは
1)決算発表で好業績が発表されたから
2)株価の位置が過去と比べ低いから
3)新たな大口投資家が現れ、浮動株を吸い上げて需給が良くなったから
4)利益につながる好材料の発表が見込まれるから
5)中長期的に利益成長が見込めるから
下落するのは
1)株価が過度に急上昇したから
2)利益確定したいという売りが出る
3)利益が減少する可能性が感じられるから
4)中長期的な視点で売りが出ているから
5)大口の投資家が売却しているから
ちなみに横ばいとなるのは
1)株価の位置からどちらにも行きづらいから
2)投資家の関心が薄くなっているから
3)買い手も売り手も慎重になっているから
4)業績の予想がつかないから
といった理由があるかと思われます。
アナリストが企業を取材して即感じることは、
この会社の株価は上がるに違いない、
下がる要素が強い、中立的な位置にある
といった感想です。
8月20日に開催されたカジュアルダイニングのきちり(3082)のアナリスト向け決算説明会には暑い中でしたので、やや限定的な数のアナリストしか集 まっていませんでしたが、そこで平川社長が語ったことには積極的な質問が飛び交い、なかなか興味深いプレゼンとなりました。
その日からしばらくの株価は850円台から870円前後で推移していましたが、先週末は922円まで上昇してきました。
上がったのは同社が今6月期の決算の見通しとともに中期5カ年計画の目標を示した点にあります。
外食レストランという業態はマクドナルドのようなビジネスモデルはともかく本来は上場に値するのかと思われるような多店舗展開をベースとしたビジネスで 成り立っていて評価は一応に低い夢のないビジネスのように思われがちです。既にワタミなど多店舗展開してきた企業も介護といった他分野に進出しています が、これもなかなか限界のあるビジネスです。
きちりの場合も基本的には自社の開発業態であるカジュアルダイニング「KICHIRI」の東京での多店舗展開(これまでは関西を中心に展開)を推進する ことがビジネス発展のポイントとして捉えられますが、同社はこれに加えてプラットフォームシェアリング事業なるものを今後積極的に展開していくと発表しま した。
これにはタニタ食堂に代表されるブランド・コンテンツ活用型とクラウドサービス展開型とがあり、売上=営業利益という高収益事業という説明でした。自社 の飲食インフラを活用してもらうことで安定した収益確保とスケールメリットが享受できるという将来性の良さを強調。事業再生も受託ができるという説明で、 同社を単なる飲食ビジネス企業と捉えるのはやめておかないとならないとの印象をもった次第です。
同社は5か年計画で平成30年6月期の売上を100億円(今期は73億円)、経常利益を16億円(今期7.5億円)と公表。配当性向を30%として業績の向上とともに配当金の拡大を行うとの見通しを示しています。
今期の予想EPSは88.8円。配当金は15円と公表。2018年6月期EPSは197円が見込まれ、配当金は配当性向30%で59円に拡大が期待されます。
想定以上にプラットフォームシェアリング事業が順調に育ってきたことで既存自社直営展開と同時並行して事業を拡大することになったということを説明会では強調していました。これがようやく株価に反映されてきたということになります。
こうした新規事業がうまくいくかどうかは未来のことだけに誰もわかりませんが、なかなか面白そうな事業だとの印象は持ちました。しかも、既に60店舗展 開中の外食チェーンがプラットフォームに乗っていて実績(前期営業利益1億円が今期は3億円)が生まれているという話も印象的でした。
さて、前期の実績でこのプラットフォームシェアリング事業の売上は7000万円(=営業利益)、今期は1億円(=営業利益)を計画。5年後は6億円(= 営業利益)を目指しているというのですが、アナリストの多くはこの計画にやや懐疑的なのかも知れません。筆者はその真相を追究するために28日に取材を申 し込んでいます。
その結果はまた改めて皆さんに何らかの格好でご報告申し上げますので宜しくお願いします(諸般の事情で有料となるかも知れません)。
いずれにしても同社が単なるこれまでのような外食ビジネスを行う企業ではないという認識を持たないとならない点に皆さんも関心の目を向けて頂ければ幸いです。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
株価には上下変動がつきものです。何らかの訳があって変動しています。横ばいばっかり続く銘柄を投資家は買いたいとは思いませんが、そこにすら何らかの理由があります。
上がるのは
1)決算発表で好業績が発表されたから
2)株価の位置が過去と比べ低いから
3)新たな大口投資家が現れ、浮動株を吸い上げて需給が良くなったから
4)利益につながる好材料の発表が見込まれるから
5)中長期的に利益成長が見込めるから
下落するのは
1)株価が過度に急上昇したから
2)利益確定したいという売りが出る
3)利益が減少する可能性が感じられるから
4)中長期的な視点で売りが出ているから
5)大口の投資家が売却しているから
ちなみに横ばいとなるのは
1)株価の位置からどちらにも行きづらいから
2)投資家の関心が薄くなっているから
3)買い手も売り手も慎重になっているから
4)業績の予想がつかないから
といった理由があるかと思われます。
アナリストが企業を取材して即感じることは、
この会社の株価は上がるに違いない、
下がる要素が強い、中立的な位置にある
といった感想です。
8月20日に開催されたカジュアルダイニングのきちり(3082)のアナリスト向け決算説明会には暑い中でしたので、やや限定的な数のアナリストしか集 まっていませんでしたが、そこで平川社長が語ったことには積極的な質問が飛び交い、なかなか興味深いプレゼンとなりました。
その日からしばらくの株価は850円台から870円前後で推移していましたが、先週末は922円まで上昇してきました。
上がったのは同社が今6月期の決算の見通しとともに中期5カ年計画の目標を示した点にあります。
外食レストランという業態はマクドナルドのようなビジネスモデルはともかく本来は上場に値するのかと思われるような多店舗展開をベースとしたビジネスで 成り立っていて評価は一応に低い夢のないビジネスのように思われがちです。既にワタミなど多店舗展開してきた企業も介護といった他分野に進出しています が、これもなかなか限界のあるビジネスです。
きちりの場合も基本的には自社の開発業態であるカジュアルダイニング「KICHIRI」の東京での多店舗展開(これまでは関西を中心に展開)を推進する ことがビジネス発展のポイントとして捉えられますが、同社はこれに加えてプラットフォームシェアリング事業なるものを今後積極的に展開していくと発表しま した。
これにはタニタ食堂に代表されるブランド・コンテンツ活用型とクラウドサービス展開型とがあり、売上=営業利益という高収益事業という説明でした。自社 の飲食インフラを活用してもらうことで安定した収益確保とスケールメリットが享受できるという将来性の良さを強調。事業再生も受託ができるという説明で、 同社を単なる飲食ビジネス企業と捉えるのはやめておかないとならないとの印象をもった次第です。
同社は5か年計画で平成30年6月期の売上を100億円(今期は73億円)、経常利益を16億円(今期7.5億円)と公表。配当性向を30%として業績の向上とともに配当金の拡大を行うとの見通しを示しています。
今期の予想EPSは88.8円。配当金は15円と公表。2018年6月期EPSは197円が見込まれ、配当金は配当性向30%で59円に拡大が期待されます。
想定以上にプラットフォームシェアリング事業が順調に育ってきたことで既存自社直営展開と同時並行して事業を拡大することになったということを説明会では強調していました。これがようやく株価に反映されてきたということになります。
こうした新規事業がうまくいくかどうかは未来のことだけに誰もわかりませんが、なかなか面白そうな事業だとの印象は持ちました。しかも、既に60店舗展 開中の外食チェーンがプラットフォームに乗っていて実績(前期営業利益1億円が今期は3億円)が生まれているという話も印象的でした。
さて、前期の実績でこのプラットフォームシェアリング事業の売上は7000万円(=営業利益)、今期は1億円(=営業利益)を計画。5年後は6億円(= 営業利益)を目指しているというのですが、アナリストの多くはこの計画にやや懐疑的なのかも知れません。筆者はその真相を追究するために28日に取材を申 し込んでいます。
その結果はまた改めて皆さんに何らかの格好でご報告申し上げますので宜しくお願いします(諸般の事情で有料となるかも知れません)。
いずれにしても同社が単なるこれまでのような外食ビジネスを行う企業ではないという認識を持たないとならない点に皆さんも関心の目を向けて頂ければ幸いです。
(炎)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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