なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
==「投資という戦闘を実行する兵士としての自分をいかに鍛えるか」==
(有料メルマガ第73回・2010/5/18配信号)
【前略】
しかし、若干の減益予想でたった一日で15%以上、2日で20%近く株価が暴落する痛烈な痛手を受けました。
不思議なもので、まったくの勘違いから決算発表の前日に3分の一を売却しました。『神様の声は、間違いなくやってきているのだな~』とまた実感することを体験しました。
過去に香港の賃貸用マンションを売却したときも、いろいろ嫌な事が立て続けに起きて、売却したら痛烈な円高が襲ってきて、もしそのマンションを持ち続け ていたら1年後には為替差損で、不動産価格の値上がり分をすべて失うほどの打撃を回避することができたことがありました。
今回はたまたま5月7日の午後6時に、その対象企業の前期業績の大幅な増益修正の発表のIRが出ました。しかし、それと一緒に子会社に対する貸付金18億円のうち8億円を回収不能と判断し、貸倒引当金を立てて特別損失も計上すると、いやなおまけが付いていました。
午後6時にこっそり出すようなIRはろくなことがない。子会社の貸付金を回収できないと判断した理由も、まったく説明がない。
土曜日と日曜日は、そのことが気になってイライラして過ごしました。自分のポートフォリオの3分の一を占める一番期待している企業なので、とても不安になりました。また母の体調が悪化して入院したこという連絡も入り、精神的に不安感が増大しました。
月曜日の朝にIRへ電話をしましたが、会議中で10時まで確認が取れませんでした。不安なときは「儲けそこなうことありうべし」で売却を行う。このよう に決めていました。しかし10時にはIRに事実確認ができる。以上のことから3分の一だけ売却することに決め実行しました。
IRに確認すると、子会社の業績や財務内容には大きな変化はない。事業は去年から大きく変わった点はなく順調に動いている。ただ子会社に貸付をした時点 から数年たって、現地の状況や為替の変動が大きく変化して、貸付を回収するにしても、当初予定していた期間では回収できず、貸付期間が大きく延びる。会計 上の制約から貸倒引当金を立てるように指摘され、しかたなく会計上の処理をした。IR文言については取引所から指導を受けて、書き直し作業のために時間が かかって、あのような午後6時という遅い時間の発表になった。以上のようなことが分かりました。
買い戻そうかと思いましたが、株価は売値より高くなっていました。非常にイライラした気持ちで二日間を過ごしたために、高く買い戻す気にもなれず、アメ リカ市場が金曜日に大きく下げたので、月曜日には日本市場でも多くの銘柄が安くなったことが幸いしました。また金曜の16時に出た投資先企業の前期の大き な業績上方修正も幸いしました。私のように子会社に対する貸倒引当金について勘違いして心配した投資家も少なかったようです。
他に投資したい企業数銘柄の株価がそろって安くなっていたこともあり、一時的に資金を別の数銘柄の購入に当てることにしました。まったく怪我の功名でした。
いつも保守的な業績予想を出してくる企業なので、来期の経常利益は私が予想したより低い数字でしたが、それほど悪い数字ではありませんでした。しかし午 後1時に決算短信の発表があった時点から株価は下がりだしました。もし売却資金をキャッシュのままで持っていたら、50円くらい下がった時点で買い戻して いたと思います。しかしキャッシュはありませんでした。株価はそこでとまらずに、大引けでは221円も下げていました。通常の数倍の大きな出来高となりま した。そして翌日には更に53円も下げました。
まだ3分の2は持っており、ポートフォリオの20%を占めている最大の投資先なので痛手はとても大きいです。ただ場を見ていると、株価が下がるたびにロ スカットの売りが沸いてくるような感じで、下げが加速していったような状況でした。事業的には魅力のある企業であり、デリバティブ取引で本業以外の大損を するような企業ではないことが分かっているので、残りの部分については安心して継続して投資を続けるつもりです。
しかし、たまたま勘違いして、自分でイラついて、不安感を抑えるために3分の一は現金化した。IRが会議中で直ぐ疑問の解消ができなかった。たまたま、 どうしても買っておきたい別の銘柄の株価が安くなっていた。いろいろな偶然が重なって、3分の一の資金だけでも損失を免れました。ラッキー以外の何もので もありません。
株式投資ばかりではなく人生においても、いろいろな偶然で助けられることがありました。神様のヒントは常に届いている。ただその神様の声を聞き逃した り、解釈を間違えたりして、自分の責任で自分を救えないことも多かったです。自分がとても大きな不安を感じることが起きる、対象物(=今回の場合は主力投 資銘柄)に関係ないことに関してでも、嫌な事が立て続けに起こってイライラする。
このようなことが起こったら、何かがおかしい。自分がやっている何かが危険なことかもしれない。このように自分の身の回りを見直すと、リスクの本体が見つかる。その対処を行う。このことによって損失を少なくすることも可能になります。
皆さんも、嫌な事が起きたときは「神様の声、ヒントではないか」このように考えて、自分の身の回りを見直してみることをお勧めします。
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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