コロナ禍の下でのGIGAスクール構想の始動でクローズアップされたオンライン教育が社会実装されて3年以上が経過してきた。
本コラムで以前も取り上げたことがあるが、そのオンライン教育の担い手企業であるすららネット(3998)の株価低迷がかれこれ3年にもなってきた。
すららネットは現社長の湯野川氏が2008年に東証1部企業在籍中に設立された。eラーニングすららをビジネスで立ち上げ、2010年にはその事業をMBOで買取り本格的な展開を開始。2017年12月には上場を果たしている。
売上規模は今期23.2億円にしか過ぎないものの、営業利益は3.9億円と高収益。9月末の学校導入数は1358で、このうち1025校が公立学校。1182の学習塾も導入。海外でも68校が導入。個人導入と合わせ9月末のID数、つまり課金対象となる活用生徒数は42万8441となっています。
基本的には5教科ですが、先般から探求的な学び支援教材として宇宙をテーマにスタートするなど意欲的な取り組みが盛ん。
コロナ禍において導入された補助金がなくなったことや2025年から投入予定の新バージョンの開発費用計上で減益基調が続いている点がネガティブな評価に繋がり株価はま2020年10月についた9350円という高値から先月の安値533円まで3年間で94%という実に大幅な株価下落となった。
現在もまだ550円以下で推移しており、株価の下落トレンドはなかなか終わらない。
今期予想経常利益3.9億円に対し時価総額は36.4億円。実質無借金経営で11.8億円の現預金を保有。粗利益率が70%と高いのも特徴。不登校問題、教育不足問題など学校教育が抱える問題を解決する方策が同社の目指すオンライン教育となるが、同社はその担い手となっており、一種の社会インフラの役割も果たすことになる。
海外での日本語教育にも貢献するオンライン教育システムの本格導入に向けていくつかの国でも普及が図られている。日本らしいアニメキャラクターを活用した教育コンテンツが不登校生徒やそれぞれの生徒ごとの理解に合わせた提供がなされる仕組みを現状の教育制度に標準的に組み込まれることで学校教育に革新がもたらされることを期待したい。
(炎)
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