株式市場では企業から様々なニュースリリースが日々発表されています。
 発表されたリリースが株価にどう影響するのかを考えながら投資行動を決定されている皆さんも多いかと思います。

 企業が投資家に発信するニュースには業績や資本政策などに関わる投資家にとっては関心の高い適時開示情報と、企業のPR的な任意開示情報とに分類されますが、株主やその会社の株に何らかの興味を持つ投資家にとっては日々出てくる企業からのできればポジティブな情報を心待ちにしていると言えます。
 ポジティブな情報の中では業績の上方修正が挙げられます。またこのところでは積極的な自己株買いの発表もポジティブと言えますが、それも市場外で買い付けるような単発の自己株買いではなく時間をかけての自己株買いが好まれますが、それだけで株価がどこまでも上がることは考えられません。一定水準までの株価上昇には効果ありの施策と言えます。

 株主にとっては好材料と言える発表は歓迎ですが、業績の下方修正などのネガティブなニュースをどのように見れば良いのかになります。


 先月発表された時価総額14兆円のNTT株の25分割(6月末)については驚きでしたが、発表されて半月がたち、株価的には織り込まれた格好かも知れません。
 今月末の分割落ちまでの期間でこの施策は果たしてどのように評価されるのでしょうか?

 株式分割は業績には無関係で、現在の株価4000円という水準からは分割後に株価が160円になるだけの話ではあります。それでもなぜこの時期にこんな分割を実施するのかという70万人もの既存株主の関心とともにまだ株式投資をしたことのないような皆さんの関心を呼ぶだろうとは言えそうです。

 1987年に上場したNTT株はかつてバブル相場の象徴的な存在でもありました。あの頃はほとんどの証券マン、投資家の話題となっておりました。
 そのNTTは日本を代表する通信インフラの担い手としての存在感ある企業ですが、なかなか評価されない状態でした。成長ビジネスである携帯キャリアを展開するドコモとの経営統合もあり、着実な成長を続けている同社株は、時価はまだPER10倍の水準に留まっており、配当利回りも3%台の水準で比較的まだ割安感のある株価水準。

 それでもこのところコロナ禍の中でつけた安値から2倍の水準になり、そろそろ高値形成かとも言えそうなタイミングで打ち出された25分割です。
 現在4000円前後で推移している株価は分割後は160円になりますので新たな経験の浅い投資家にとっては買いやすいと感じられる投資対象ともなります。拡大NISAが2025年にかけ新たな投資家を呼び込むとの見方から、こうした施策で株式投資を始めたばかりの投資家にとっては格好の投資対象ともなるかと思われます。

 国策的な企業でもあるNTTはデータセンター事業や6G事業の担い手でもありますし、スカパーJSATと組んでの宇宙ビジネスにも積極的に取り組む計画です。


 日本を代表する超大型企業だけにNTTは知ってるよと言う皆様も多いかと思いますが、改めて分割後の株価を見据えながらじっくりと研究されてみてはいかがでしょうか?


(炎)


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 です。

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