有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「掉尾の一振を確実に取っていきたい」
(有料メルマガ第463回・2017/12/11配信号)
※2017年12月現在の内容です。留意してお読み下さい。
【前略】
この2つの幸運株を利喰い出来たのは、最近スタートしている短期投資の実践で、売ってから株価が大きく上げても、気にしないという訓練を続けてき賜物です。
キャッシュをたっぷりと持っていることで、買ってから買いのタイミングを間違えたと感じた途端に損切りを行い、買い戻す余裕のあるトレードの快適さも痛感しています。
無理をしないで短期投資を繰り返しながら、投資額を減らしても利益をしっかりと確保できる投資力を磨く訓練をしていたので、すぐ利喰をするという判断ができ、売却の実行が出来ました。
株式投資では株を売ったり買ったりしないと儲けることができません。短期投資では特に、瞬時に自分の方針を決定して、実行することが求められます。迷っているとチャンスは直ぐに通り過ぎてしまいます。
ブログなどで自分が投資した株のことを書いていると、その株で儲けを取らないと恥ずかしいという、変なプライドが生じることがあります。
プライドの高い人は自分の投資判断が間違えだったと認めることが出来ないために損失を拡大してしまうことが多いです。
このプライドというのは何なのかと、かなり昔に考えたことがありました。
広辞苑には「誇り。自尊心。自負心。矜持」と書いてありました。こう見ると良いことのように思えます。ただ、もう少し詳しく調べてみると、良い意味ばかりでなく悪い意味で使われていることもあることがわかりました。
「自分の能力や家柄、容姿が優れていると自慢すること。自分自身が人より優れた存在だとうぬぼれること」などのように、ちょっと鼻持ちならない意味に使われることもあるようです。
このうぬぼれや自慢という感情は、自分に対するおごりから発生するマイナスの感情です。あえて名づけるなら、この『悪いプライド』を持って相場に対処すると、「自分の投資判断が正しくて、現在の相場が間違っているのだ」などと思い込んだり、自分の投資判断が絶対正しいなどと意地を張るようなことも起こります。その結果、損切りができないままで損が拡大し、抜き差しならない大損をしてしまうこともあるわけです。
相場で利益を上げることにおいて、こんな『悪いプライド』は無意味だと思います。
では『良いプライド』とはどんなことなのでしょうか。
私は『良いプライド』というのは『自分を信じることだ』と考えるようにしています。
信じるのは『自分の判断(=考え)』ではなく、『自分そのもの』です。
ですから、相場と対峙して自分の判断が間違いだとわかったときは、『誤ったと自分の判断』を素直に「間違いだった」と認めることができるようになりました。
自分を信じていればこそ、「間違いを間違いだ」と認めることができるようになりました。
実は、自分の判断を捨てられないのは、自分が間違えだと認めると、自分の価値が下がる、価値が下がるのは耐えられない。そんな考えから発生しているように感じています。でも、良いプライドを持っている人間は、『自分の価値』が判断の間違いなどで減ってしまうほど小さなものではないと理解しています。
自分をとても大事にしているからこそ、“愚かな感情に引きずられて間違った判断に固執する”危険を避けることができるのです。私はこれを「自分自身に誠実なこと」と考えることができるようになりました。
投資ばかりでなく、企業でも社会でも『悪いプライド』のために他人を平気で傷つける人間がいます。そんな人間はいずれ自滅していくでしょう。
そして、相場では特に自分自身との戦いを余儀なくされます。『悪いプライド』に代表されるようなマイナスの感情を抱えていては、自分本来の力を発揮することができず、大損をして相場から退場させられてしまう可能性も高くなります。
仕事でも相場でも、人生でも、自分を信じ、自分の判断を信じてチャレンジすることは、本当に大事なことです。
しかし慢心し、過信してはいけないのです。常に自分の判断が正しいのかを再度確認したり、検証したりする作業が必要です。株式投資を行うことで、この訓練をたくさんさせてもらえました。
人間には判断ミスがよくあります。ですから、判断ミス自体に悔やむ必要はありません。判断ミスと感じたら、素直に「ごめんなさい、間違えました」と認めて修正することが大切なのです。
そして、すぐにどう対処したらいいかを全力を持って考えるのです。相場では間違いをした時に、そのとき自分ができる最善の策を考えて、すぐに実行しなければ損を拡大してしまう場合も多いです。
中長期投資を志向していても、ときには損切りが必要になることも生じます。損するのは非常に堪えます。経済的にも痛いですし、心にも大きなストレスを生じます。しかし、このとき悔やんだりして時間を浪費してはいけないことを株式投資を行って身にしみて学ぶことができました。
【中略】
株式市場とは多くの人間の欲望と恐怖がぶつかり合うバトル・フィールド(=戦場)でもあります。傲慢では生き残ることはできません。勇気を持って『悪いプライド』は捨て、謙虚に、しかし自分を信じて株式投資にチャレンジしていく訓練は、仕事でも人生でも大いに役に立ってくれています。
人生でも決断を求められることがたくさん起こります。そのとき自分で判断し決断し、行動することなくしては、何も得ることが出来ません。専業投資家を続けて12年もたつと、株を売買することで、決断力が高まってきたし、失敗に対して率直に修正をすることもできるようになってきたと痛感できます。
ただ、10月以前のように、株に投資すると決めた資金をフルインベストをしていると、損切り買戻しのための資金が証券会社に無いので、損出し買戻しを諦めることも多かったのですが、現在の時点においては、証券会社の口座にもたっぷりとキャッシュがあるために、決断、即実行が可能になっています。
今日のコラムに書いたように、私は幸運に助けられて、株で利益を上げることが多い投資家です。私は平凡な普通の投資家にすぎません。私は超一流の投資家とは、尖がった突出した才能をもった人のことだと考えています。
株式投資で言うならば信用取引を活用して、失敗すればたった一日で1億円近くの損を出す可能性に果敢にチャレンジし、実際に一日に1億円近い損失を受けても、心を萎縮させること無く再チャレンジし、たった2年程度で1億円の資産を十倍の10億円にも出来る才能のことを想定しています。
上がる株を見抜く力を持ち、さらに信用取引(=借金)を恐れずにチャンスのときに行動し、利益をきちんと確保する。超一流の才能と、計画を実行する行動力がないと、こんなことはできません。
残念ながら私には株式投資について突出した、このような才能はありません。そつなくきちんと利益は上げています。そして資産を増加させています。でもそれは徹底的にリスクを管理した、致命的な損失を避けた投資方法によるものです。
臆病なのでリスクを計算し、長い間かけて、なけなしの勇気を奮い起こして投資を実行して少しずつ利益を積み上げてきた成果が大きく貯まったのが現在の状況です。
しいて言えば、私が持っている、銘柄選択眼とか、相場全体に対する(=リスクオフが起きるか、リスクオンが続くのかとかの)判断力とか、自分の判断を投資に反映させる実行力、投資するタイミングの選び方、大きな損失を受けても折れない強い精神力、巨額の借金(=信用取引の利用など)をいとわない挑戦力など、それぞれの投資力は他の普通の投資家とまったく変わらないものでしかありません。普通の誰もが持っているレベルの投資力を持っているだけです。
中畑巨人軍元監督が現役時代によく使っていた『超2流』という言葉が、私は好きです。私の運用能力も中畑流に言えば、2流どころなのです。2流の力をバランスよく寄せ集め、総合力で闘って勝ち上がっているのだと考えています。
しかし2流どころの才能で、それぞれの才能は突出しておらず目立たなくても、その才能を磨きこんでバランスよく配置すれば超一流にはなれなくても「超」2流にはなれるのです。
そして超2流の運用能力でも、そこらへんにいるプロの運用者(=>プロが運用する投資信託の運用成績と比較したらほとんどの投資信託より、圧倒的に良好なパフォーマンスを確保できています)などは軽く凌駕することが可能です。
プロ野球の世界でも、誰もがイチロー選手のような才能と努力する力を持ち合わせることは出来ません。でも「超」2流で活躍しているスポーツ選手もたくさんいます。
そして投資に関して言えば、ほとんどの普通の日本人がすでに持っている投資力をよく磨き上げ、バランスよく配置した[超]2流の投資力だけで十分です。超一流の才能がなくても、まったく問題はありません。
目立たないけれども、安定感があり信頼できる投資力、バランスのよい投資力さえあれば、株式投資で堅実に利益を積み上げていくことは十分に可能だと考えています。
『サラリーマンでは勝ち組にはなれなかったけれど、人生ではけして負け組みではない。』
サラリーマンを卒業してから12年たったいま、こんなことが言えるのも、株式投資や不動産投資、金投資などアセットアロケーションを行って資産運用を行って資金を増やしてきたことのおかげです。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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