私たちの生活にとって病気との戦いは絶えず付きまといます。
中には病気知らずに生きてきたという方もお見えなのかも知れませんが、病気になると病院で医者に診てもらい、診断の結果として薬を処方してもらい薬局で受取り、日々、薬を飲んで治療改善を図るというのが日常茶飯事の医療の現場です。
薬局には風邪薬などの市販薬を主に取り扱うドラッグストアもあれば病院のお医者さんの指示に基づいて処方する調剤薬局があります。
ドラッグストアや調剤薬局にお薬を提供するのはメーカーから仕入れている医薬品卸ですが、その卸もドラッグストアも大手に集約化が進んできました。
しかしながら調剤薬局は中小が主役で全国にはなおも6万店もの調剤薬局が存在しているのが現実です。
最大手のアインですらシェアは4%台とのことで集約化が進展しない背景は大手調剤ほど厳しい行政対応がなされているためだとのことです。
店舗数が1100以上のアインに続く日本調剤、クオールなどは自社での店舗運営を図っていますが調剤業界業界7位とされるメディカルシステムネットワークはこれらの上位企業とは別の生き方をしてきました。それがここに来て如実に表れてきたのは、全国47都道府県にある中小調剤薬局を経営支援するネットワークビジネスがここに来て急拡大している点です。3月末でそのネットワーク加盟店数は8484店になり、自社で運営する調剤店428店舗と合わせ8912店舗にもなったという話です。昨年3月末のネットワーク店舗数は7401店舗でしたがそれが6月末7812店舗、9月8173店舗、12月8555店舗、3月末8912店舗と1年で1511店舗も増加したというのは結構すごいことです。
中小調剤薬局にとっては卸との価格交渉はなかなか大変だし在庫の未使用薬の存在など問題を解決してくれる仕組みは有難い。加えてメディカルシステムネットワークが提供してくれるサービスは魅力的で加盟店がどんどん増えている背景もそこにあるようです。
同社では中期計画の2026年3月期末で12000店舗のネットワークを構築し6万店の調剤店の20%の市場シェアを確保する計画です。その際の売上高1400億円、営業利益65億円を目標としています。
祖業が社名の通り調剤をネットワークすることで、自社の運営調剤も拡大はしてもメインではなく、あくまで事業の主体は中小調剤のサポート役となること。リアルな店舗を確保しながら事業展開しないとならない調剤他社とは生き方が異なります。
その同社への評価は本来ならもっと高くて当然なのですが、どういう訳か時価総額は120億円(前期営業利益35億円)にしか過ぎず、アインの今期営業利益172億円(同社の5倍)時価総額1980億円のおよそ16分の1の水準というのはいかにも理不尽な感じがしますが皆さんはどのように評価されますでしょうか。
(炎)
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