有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「業績に不安が無い企業に投資家が資金を投下し始めた可能性」
(有料メルマガ第401回・2016/10/4配信号)
※2014年1月現在の内容です。留意してお読み下さい。
【前略】
なぜ『企業のリアルな価値』が株価に反映されないのでしょうか。
言い換えるなら、企業の姿は『その企業が持っているリアルな価値』とは大きく乖離した『株価』というバーチャルで歪んだ数字で証券取引所のボードの上に表示されたままでとどまっているのでしょうか。
多くの投資家は、パソコンの画面に映し出された株価というバーチャルで動き続けている『企業のリアルな価値の影』を追うことで利益を掴もうとして、悩みながら苦心させられることになります。
【中略】
私は、『企業のリアルな価値(=本質的な企業価値)』というのは、その企業が過去の利益で蓄積してきた、すでに持っている『企業の資産価値』と、その企業が事業を行うことで将来にわたって稼ぎ続ける収益力の総和、つまり『企業の事業価値』を合計したものだと考えています。
その企業が過去の利益で稼いできた利益の多くはバランス・シートの資産の欄に表示されています。特許などのようにバランス・シートに表示されていない資産もありますが、開示されている資産だけでも投資判断するのに十分な『企業の資産価値』を把握することが可能です。
しかし企業が将来どれだけの利益を稼ぐことができるかという未来の収益の総和を計算することは、誰にもできません。いろいろな手段で推計するしかありません。
そこで私は事業価値(=利益を上げ続ける収益力)を推定するために、4つの経済サイクルのうち一番短い3年~4年でサイクルを描く在庫循環を参考に企業の4年間の平均経常利益を計算し、その5年分つまり5倍を事業価値と考えるようにしています。
利益を上げ続ける収益力を表す事業価値はバランス・シート上に載っていないビジネス・モデルや企業の信用力、社長や社員の能力、ネットワークの力などで利益を稼ぎだせる力を現金換算しなければ計算できません。しかしこれを簡単に算出することは不可能なのです。したがって過去の企業の経常利益で代用し、事業価値を把握するようにしています。
しかし『資産価値』+『事業価値』の合計である、この『企業のリアルな価値』は、投資家のその企業に投資したいという需要(=光)によってマーケットのボードに『バーチャルナな影(=株価)』として写しだされます。
そしてその影(=株価)は、大きく歪んで写し出されることがほとんどです。光(=需要)が強ければ大きく、そしていまのように光(=需要)が弱ければ小さく歪みます。
なぜか。
それは『株価』というバーチャルな影は、欲と恐怖でいびつに磨かれたミスター・マーケット(=全ての投資家の総意)というプリズムを通過することで大きく歪んでしまうのです。
その歪みを補正して『企業のリアルな価値』を予想するためには事業内容や資産背景を把握して、理解しておくことが重要になると考えて私は努力しています。
そして研究レポートでは、私が有価証券報告書などの開示資料から調べることができた、その企業の資産価値および、過去4年間の経常利益などから推計した事業価値などから研究レポートの対象とした企業の『リアルな価値』を説明して、実際に市場で売買されてついた株価と比較して、投資対象として検討する価値があるかどうかを購読者の皆さんが判断する材料を提供するわけです。
私は特定の企業群(⇔約200社程度の企業)の株価と業績の推移を数年間ウォッチし続けています。
私がその『企業のリアルな価値』だと考えていた数字から、どう考えても割安すぎるところまで株価が下がっていたのに、更に売り込まれてとんでもなく下がる株が無数にでてくる状態です。今年は特に投資環境が厳しかったので、去年(=2015年)に付けた高値から半値八掛け以上に下げる企業の株がとても多くなりました。
「株式投資は人間の欲望を変数として機能している制度であり、わずかな入力(投資家の欲と恐怖に駆られた投資行動)の変化が劇的な出力(投資の損益)の変化に帰結するものである」ということ、いやというほど実感させられました。
企業にどんなに価値があろうと、その企業の株を売りたいと考えている投資家より、その企業を買いたいと考えている投資家の数が少なければ株価は上がらずに、下げてしまうことになります。
しかし投資環境が改善されてくると、株価は『企業のリアルな価値』に近づいて行くことが多いです。
研究レポートで取り上げる企業とは別に、コラムに将来の研究銘柄候補を数銘柄、取り上げるようにしています。どの企業に投資家の資金が流入してくるか予想がつかないからです。
コラムで取り上げた将来の研究銘柄のほうが先に大きく上げてしまうこともあるので、このような事を行っています。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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第一建設工業(1799)の詳細レポートと、コラムの構成です。
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こちらから ⇒ https://bit.ly/rin20161004
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