有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「確実性の高いインカム・ゲイン狙いの志向を強める」=
(有料メルマガ第370回・2015/3/1配信号)
※注 2015年3月現在の内容ですので留意下さい。
【前略】
今日のコラムの題にした『選択で言えばキャピタル・ゲイン狙いを劣後させて、より確保できる確実性の高いインカム・ゲイン狙いの志向を強めている』ということです。
「不毛な決断」を迫られるというのは、それ以前の「普通レベルの決定」において繰り返し間違いを犯し続けたために、最後にその清算を迫られているにすぎない状態です。そんなはめに陥らない為に「普通レベルの決定」=自分にとってドライブを中止したり、スピードを落とすということはどのような行動をとることなのかを、普段から決めておくことがリスク管理を、きちんと行なうことになるのだと考えています。
もちろん低PER、低PBR、高自己資本比率、高配当という4つの条件を2つも、3つも、4つも兼ね備えて持っているような企業に投資していても、紋切り型の投資の志向(⇔前年同期比で減益は「売り」、立会い外分売は「売り」、というような投資行動)が強い一部の投資家の合理的でない投資行動によって、株価は大きく下がったりしてしまいます。
でも最近のコラムで書いてきたように、このような玉石混合でほとんどの株が大きく下落している状態は、投資する価値の高い企業の株をより安く買うためのチャンスの時でもあると感じています。
5%近くの配当利回りのある銘柄の株価の動きを見ていても、数日(⇔極端な例だと1日)で年間の配当額以上に株価が下落してしまう銘柄も、けっこう良く見かけます。
しかし企業自体に価値があるので、投資環境が普通に戻れば、株価が資産価値から考えて適正なレベルまで回復する可能性は高いことを信じているのでポジションを維持できています。
自分に求められている課題は、市場の混乱からついてしまった株価に引きずられて、投売りに付き合わないという、自制心だけです。しかし自分の経済的実力を超えた株式投資を行っていて、今回レベルの投資環境の悪化に巻き込まれると、さすがにこんなことはできなくなります。
株式投資を行ってきて過去に大きく利益を上げることができた投資家は「企業を見る目」はあったのだと思います。ところがそんな投資家が大きな損を出して市場から退場する原因は「自分を管理する能力が無かった」ことにあることが、ほとんどのような気がします。
もちろん「企業を見る目が無い」上に「自分を管理する能力が無い」投資家は、今回は生き残れても、いずれは市場から退場させられる羽目に陥る可能性が高いです。
私も最初に株式投資をスタートして10年くらいたっても、「企業を見る目も無かった」し「自分を管理する能力」も非常に低かったです。しかし臆病だったので常に速度を落とした安全運転で、「休むも相場」を実行してきたことが生き残れた秘訣だったように思えます。
このメルマガを書き始める前は企業の資産価値だけは良く計算して見ていました。しかし割安なだけでは投資する理由としては不十分だった。株価がなかなか上がらずにじれて投げて別の銘柄にシフトすることも多かったのです。
しかし、このメルマガをスタートしてからは、有価証券報告書や企業のホームページや決算説明資料などを調査することで、投資する企業のビジネス・モデルも把握できるようになってきました。
割安なだけが投資の根拠だった時点より、企業が利益を上げ続ける秘訣であるビジネス・モデルも把握しておくことは、嵐が来たときに逃げ込む投資対象を見つけておくことにもつながります。
考えようによっては、株価の大きな下落は、より光り輝く有望な企業に資金をシフトするチャンスのときでもあるのだと考えて、この苦境を乗り切ろうと考えて企業の分析を続けています。
先週も似たようなことを書きましたが、株価は欲と恐怖でいびつに磨かれたミスター・マーケット(=全ての投資家の総意)というプリズムを通して大きく歪みます。その歪みを補正するためには事業内容や資産背景を把握して理解しておくことが重要になるのです。
自分が過去数年にわたって継続して観察している銘柄群の株価推移を見ていると、私が把握して理解している事業内容、業績、資産背景、財務内容などから判断して、どう考えても割安すぎるところまで株価が下がっていると感じる銘柄のほうが、更に売り込まれて株価が下がる状況です。
反対にバイオ創薬の企業などにときどき見るように、こんなに赤字が継続しており、配当もない企業の株価が、どうしてこんなに上がるのか不思議でしょうがないと感じる、いわゆる『夢のある企業』の株のほうが、今回のような暴落時においても上がり続けて落ちてこない。こんなことも起こります。
またしても「株式投資は人間の欲望を変数として機能している制度であり、わずかな入力(投資家の欲と恐怖に駆られた投資行動)の変化が劇的な出力(投資の損益)の変化に帰結するものである」ということ、いやというほど実
感させられている状況です。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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