有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「『偶然で稼げた』を『必然で稼げる』に変える努力」=
(有料メルマガ第294回・2014/9/9配信号)
※注 2014年9月現在の内容ですので留意下さい。
【前略】
株式などのリスク資産に投資する時は「リスクは避けるものではなく管理するものである」ということを知った上でバトルフィールドに参加することが必要です。この点については従来からこのコラムで、くどいくらい何度も触れてきました。
株式投資ばかりではなく、仕事でも、人生でも、常にリスクは存在しています。リスクは避けようとしても避けられるものではありません。どんなに現状でリスクの存在を想定して、リスクにかかわり、リスクをコントロールできていると考えていても、リスクは予想をすり抜けて襲いかかってくるものです。
株式投資においては、投資している企業自体の業績が悪くなる。業績は順調だったのに取引先が倒産して、突然大きな不渡りをくらい、不良債権が発生する。アメリカで同時多発テロが起こって、世界中の株式市場が暴落する。アメリカ発サブプライム問題が世界中に伝播して、アメリカ本国の株式市場より対岸の日本の株式市場の下落率の方が大きくなる。東日本大震災で原発事故さえ起きてしまう。このような厳しいリスクを何度も経験してきました。
【中略】
株式投資に限って言えば、偶然(=幸運)で大きく稼げることも良く起こります。しかし自分にとって都合のよい偶然(=幸運)が長い間、常にずっと続くと期待する人は、それほどいないと思います。
株式投資では、たまたま何の努力もしないで投資をしても大儲けできる可能性は人生よりは多いです。しかし利益を上げ続けようと、『儲かった原因や理由』を、頭の中で理詰めで考えて、その方法論でその後の投資を実行しても儲からない(=結果が出ない)ことは多いです。
しかし、失敗しては試行して、失敗しては試行する。この努力は大事です。どうしたら株式投資で安定的に利益を出せるのか、より良い投資手法を必死で考えて工夫しながら、実地で毎日試してみることが唯一、自分の投資能力を育てることにつながるのだと思っています。
そのような、けっこう苦しいけれど、地道な努力を積み重ねていくことで、自分の投資能力が成長して、利益率を高めることができるようになる(=結果が出るようになる)ことが多いです。
株式投資で、上手に利益を稼いでいる投資家には、うまく稼げる原因がちゃんとあります。その仕組みを分析して、自分の経済状況や性格合う形にアレンジした仕組みを構築することで、自分も株式投資でしっかり稼げる投資家に変身する可能性が高くなります。
いまの投資環境は株式投資で稼ぎやすい投資環境だと判断しています。しかし株価の乱高下も激しいので、一時的に稼げても、すぐにその利益が消えてしまうことも起こります。
投資家から見て、株に投資して儲かるときには、単純に考えるとたった2つの別の原因が存在します。投資家から見て、という点に注意しながら以下の文章をじっくりと読んでみてください。
<株に投資して儲かる原因 その1 『偶然で稼げた』>
偶然上がる株に投資出来たときに、投資家は儲かります。
当たり前のことです。私が株に投資して稼げた時のほぼ90%がこの原因で稼げています。
多くの投資家さんが株に投資して儲かった原因も、『偶然上がる株に投資出来たとき』が圧倒的に多いはずです。
<株に投資して儲かる原因 その2 『必然で稼いだ』>
意図的に上がる株に投資したとき。私が投資して儲かったときの約10%がこの原因で株に投資出来た時です。
『偶然上がる株に投資出来た時』のほうが圧倒的に多いです。つまり運が良かった場合です。以前は私が稼げた時の原因は100%、『偶然上がる株に投資出来た時』でした。
だから自分の著書などでは『運も実力のうち』という言葉があるが、私の場合は『運が実力のすべてだ』と書いてきました。
やっと、最近になって『運が実力のすべて』状態から、10%だけですが、『運ではない実力で稼げる部分=意図的に上がる株に投資する』ことが出来るようになってきました。
これは格段の進歩だと、自分では評価しています。なぜなら『意図的に上がる株』に投資出来たということは、同じ理屈で投資すると、その新たに投資した株でも儲けることができる、すなわち利益を上げられる再現性が高くなってくるからです。
私が狙っているのは、その株が上がる理由が理解できていて実際に上げてくれる株に投資をすること、すなわち『意図的に上がる株に投資する』ことで稼ぐ割合を着実に増加させていくことです。
株価が上がる理由は星の数ほどたくさんあります。しかし偶然上がる場合が多いので、再現性は多くはありません。でも株が上がる理由が明確に分かっている場合のほうが投資していて安心できます。
【中略】
投資環境によって上げ始める時期が大きく変わることがあるので、場数を踏んで慣れていくことが大事になります。
しかし優待イベント投資で上手に稼いでいる投資家の中には、しっかりと上がる株に意図的に投資していて着実に稼ぐ投資家も存在します。優待イベント投資家以外にも、しっかりと自分の投資尺度を持つことで『意図的に上げる株に投資』を行うことで大きな資産を築いている投資家も存在します。
『偶然投資した株』が上げても『意図的に上げる株』が上げても、儲かったことには変わりはありませんが、どちらが優れているか、そして利益を上げ続けることができるか、と考えた場合には、偶然より意図して上がる株に投資できる仕組みを作るほうが有利だし優れていると考えます。
株に投資して稼ぎ続けるためには、意図して上がる株に投資ができる仕組みを作っていくことが重要になると私は考えています。
しかし株が上げる理由はたくさんあるので、全てのパターンを解析して自分のものにする必要もありません。優待イベント投資のように再現性の高い、分析しやすい投資パターンを見つけて、自分に合った勝ちパターンを作っていけばよいのだと考えています。
だから『意図して上がる株に投資できる仕組み』は投資家ごとにかなり違っていることも多いです。したがって『意図して上がる株に投資して稼いでいる投資家』を見つけたら、その仕組みを分析して、自分に合った形にアレンジして応用することが必要になります。
株価が上がる理由で一番基本的なものは、その企業の業績が増収増益で伸びていく場合です。
【中略】
このように、決算発表されて業績が良かったのに投資家の都合(=需給)で株価が下げた銘柄については、ある程度下げて、下げ止まった(=売りたい投資家が売り終わった)タイミングを計って、少しずつ上がりはじめたと感じられるタイミングで投資をスタートするという方法も、優待イベント投資並みに稼げる確率が高いと考えています。
でも100%確実に上がるタイミングで投資を実行出来るかどうかは分かりませんし、投資環境の大きな激変も、またあるかもしれません。
ただ偶然に頼るよりは、稼げる確率は上がると、私は信じています。その理由を述べるなら、業績的にも、事業内容にも、資産背景にも問題がないのに株価が下げたのは、投資家の都合、すなわち需給という原因で下げたことが理解できるからです。
ただし好業績なのに下げた時は、多くの投資家に疑心暗鬼を生むので、株価が上がりだすためには、ある程度の時間が必要になります。
したがって、いったん投資を実行したらタイミングを間違えたとしても、グリップを強くして、その株が上げるまでホールドし続ける力(=投資力)が必要になります。上げるまで持ち続ける我慢強さがあるならば、かなりの確率で利益を上げられると考えています。
世の中の多くの投資家は、業績が伸びていく銘柄に投資すれば、すぐに利益に結び付くと簡単に考えています。でも去年8月コラムの4銘柄のように、業績が伸びていく銘柄に投資していても短期的には株価にあたえる影響は『需給によるもの』のほうが『業績によるもの』よりも強いので、株価が上がらないで下げてしまうことも起こるのが株式投資というものです。
需給は読めないけれど、株価に大きく影響を与える要因であるということをしっかり理解して、業績が伸びていくと信じられる銘柄に分散で投資していくことで中長期的に株価が上がる銘柄に意図的に投資できる仕組みが作れると、私は信じて株式投資を継続しています。しかし、まだ成功率は10%程度です。
それでも株式に長年投資を続けていることで、自宅もワンルームマンションも、ゴールドも、私設年金も手に入れることができたのですから、この投資手法の成果は十二分に確認できていると判断しています。ただしこの多くの資産を手に入れられたのは『偶然』がもたらしてくれた株の値上がり益のほうが大きいのも事実です。
株に投資していたから資産形成ができたことには変わりはないのですが、できることならば『偶然』を『必然』に変えていきたいと努力を続けています。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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