有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「日本株の大相場が始まるならいい流れに乗りたい」=
(有料メルマガ第408回・2016/11/22配信号)
※2016年11月現在の内容です。留意してお読み下さい。
【前略】
いい流れが来ることは、それほど頻繁にあるわけではありません。せっかくたまにしか来ない『いい流れ』が来ているのに、それに乗り切れないようでは、利益(=富)は望めません。
株式投資で『富(=利益)』を得るためにはキャッシュをリスク資産である株に投資しなければならなりません。株式投資ではリスクを取らないと『利益(=富)』は絶対に手に入れることが出来ません。
しかし投資家ごとに取って良いリスクと取ってはならないリスクは、まったく異なっています。投資家ごとに経済状態が違います。過去に蓄積して持っているキャッシュ(=現金)の量も違います。また毎年安定的に流入してくる収入などの資金量も違います。
また投資家の年齢や家族関係から発生する諸制約もそれぞれ異なっています。子供の学費や親の介護など、投資家ごとに発生する必要な生活費も、まったく異なっています。これらがそれぞれの投資家にとっての株式投資を行う上での制約となります。投資家によって、色々な制約が存在します。
しかし、各投資家は自分の制約の許す範囲でリスクを取らなければ、富を得ることが出来ないことも忘れてはならないわけです。
すなわち投資家は自分の取って良いリスクの取り方をきちんと理解して、どのような株式投資を行えばよいのかという準備をたえず行っていかなければならないのです。
勿論、そのような努力を一切しなくても株式投資による『富(=利益)』が舞い降りることもあります。宝くじに当たったような幸運です。しかし株式投資を継続して続けて行くならば、常に宝くじが当たるような幸運が永遠に続いていくわけがないことは、誰もが思い知らされることも事実です。
株式投資においても人生と同じように、良いことと悪いことが不規則に訪れます。運命という自分では動かすことが出来ない事態に翻弄されて、安全策を取り続けるような投資家には『富(=利益)』は永遠にやってこないことを理解して、株式投資につきものの不確実性を考慮した上で、自分の株式投資のリスクを許容して、避けるべきリスクは回避したうえで、リスクを積極的に取っていく覚悟を持つ必要があると思っています。
私たちの毎日は、常に新しい事態が起こります。良いこともあれば悪いこともあります。それらの中には予想できることもありますが、まったく予想していなかった想定外の出来事も起こります。
株式投資においても投資環境を激変させる事態が起きます。投資にとって良いことも起これば、悪いことも起きます。しかし良いことか悪いことか、すぐには判断できないことが起きることも多いです。
【中略】
どのような投資行動をミスター・マーケット(=全ての投資家の総意という意味です)が行ってくるか想像ができなかった人がほとんどだったと思います。
無茶をして失敗したら、元も子もありませんが、しっかり作戦を練って取るべきリスクを取る時が来たと感じます。
株価を決定するものは株価が有する企業価値のみではなく、多彩な要因からなるものだということは、長年株式投資を行って来れば、いやというほど分かってくる事実です。
もちろん企業価値も株価を動かす要因の一つではありますが、需要と供給が株価を決定していくのです。
企業のファンダメンタルズ分析を重視することは大事ですが、株価を動かすのは投資家の射幸心、欲望、恐怖、焦燥感などの感情が企業のファンダメンタルズ以上に強く影響することを忘れては、投資で利益を上げることは難しくなってしまいます。
つまり株価は理性的な合理性で動くのではなく、投資家の感情まで含めたもので現実には動いていくことも理解しておかなければならないと強く感じます。
過去のコラムで何度も書いてきたように、株価が企業の持つ企業価値(=資産価値+事業価値)を示しているのだとしたら、それが毎秒のように動いてしまう訳がありません。
たった数日で企業価値が10倍になるようなことはあり得ないことです。しかし株価がバブル化して、数日で時価総額が10倍になることは、ありうることです。
たからこそ、ファンダメンタルズの分析を基礎におきながらも、投資環境の変化による投資家の動きも重視して投資対象を決めていきたいと考えています。
私もそれなりにファンダメンタルズを重視して投資対象を選んでいますが、テクニカル・アナリシスにも敬意を払っています。
ただテクニカル投資家の考えるように、『株価は需要と供給の相互作用によってのみ決まり、テクニカル分析だけで株価の将来性を確実に予測して稼ぐことが出来る。』ということのうち『『株価は需要と供給の相互作用によってのみ決まり』という部分は正しいけれど、『テクニカル分析だけで株価の将来性を確実に予測して稼ぐことが出来る。』という部分については賛成していません。
【中略】
私の場合は『損するリスク』を取るか、『儲けそこなうリスク』を取るかをしっかりと決めて年末の投資に臨もうと考えています。
『損するリスク』を取るか、『儲けそこなうリスク』を取るかは、やはり自分で判断して決めるしかありません。ただ、多くの投資家が株式投資で大きな損失を被る真の原因は、自分の強欲を制御しきれずに、投資を投機に変化させ、それに気付かないときに想定以上の相場の変動の大波をかぶり、損を拡大してしまうときに起こります。
自己コントロールの出来ない投資家は、損を取り戻そうとして、より危険な投機を実行し、回復不能の損失を負ってしまうことも多いです。
繰り返しになりますが、自分の運用成績を冷静に判断して、取ってよいリスクと、取ってはいけないリスクを選択することが大事です。
投資で失敗しやすい人は、損をしたときに、より『大きな損するリスク』を取って、実際により大きな損を受けてしまう投資家です。実際に破たんするような投資家は、そのようなリスクの取り方をした投資家です。
投資で回復不能な巨額の損を負わないためにリスク管理が求められますが、どのような立派なルールを作っても、そのルールを破る自分がいては、リスクを管理することは出来ません。
これまでのコラムでは、何度も株式投資を行って、それなりの成功を収めて大過なく生きのびていくためには、自分の強欲振りや臆病ぶりを把握しておくことも大事だということを書いてきました。
過去に株式投資を実行したことがある人なら、自分の強欲が、いかに投資の成果を低めたかを、理解することが可能だと思います。
過去の失敗、経験に学ぶ。これは投資ばかりでなく、仕事や家族関係など、人生のあらゆることで大切なことですが、過去を振り返らずに、過去の体験を良い経験に換える事ができない人が多いのは、残念なことだと思います。
特に「投資の勝ち組になるためにはリスクは大きく取らなければならない。大きく稼げた時は大きなリスクを取っていたのだから・・・」などという視点で過去を評価していたのでは、一時的には成功しても、後に大きな景気変動や投資家の欲と恐怖が生み出す投資資産価格の大変動に、飲み込まれてしまう可能性が大きくなります。
全ての投資家に当てはまるわけではないでしょうが、30年以上個人投資家として株式投資を行なってきた、私の負けのパターンや私の目にしてきた投資家の負けのパターンを、知っているのは良いことです。
特に自分の負けパターンについては、しっかりと把握しておくことが大事です。
今年ばかりではなく、アベノミクスで好調に運用成績を確保できた過去4年間も、毎年のように運用成績が急速にゼロに近づく時がありました。しかしいままでは年末にはそれなりの利益を確保することが出来ました。
だから短期的な運用成績の伸びの弱さを悔やむことはありません。個人投資家なら1年という縛りを気にしすぎる必要もありません。
自分で自分の経験を大事にすることが重要です。
市場で売買が成立するためには売りたい投資家と買いたい投資家がいて、売りと買いの株数が一致してはじめて売買が成立します。つまり常に反対の意見を持っている投資家が対峙しているのが株式市場なのです。
損をしたいと思って投資をしている人はいないという前提に立てば、買った人は、更に株が上がると考えているわけであり、売った人は株価がこれから下がると考えているから売ったわけです。常に株式市場には反対のアイデア、意見を持った投資家がいる。そのことを忘れては危険です。
市場では、その株に対する反対の見通しを持っている投資家がいるからこそ、売買が成立するのです。みんな自分の考えが正しいと考えて投資しているわけです。
投資は独創性を競う競技ではありません。「株は美人投票と同じ要領でやればよい。自分が美人と思う人ではなく、みんなが美人だと思う人に投票するとよい」こんなケインズ先生の考えは、株式投資の本質を鋭く見抜いた貴重な意見だと思います。賛成する人も多いです。
株式投資では、自分がいくら良い株だ、値上がりするだろうと買っても、他の多くの投資家が同じ判断をして買ってくれないと株価はちっとも上がらないことになります。だから多くの投資家が、この株はこれから上がりそうだと思える株を買うのがよいという考えは正しいと思います。
しかし株価が思い通り買ってから直ぐ上がることは少ないでしょう。株価は上に下にサイクルを描いて動きます。自分が何も調べないで、投資すると、ちょっとの悪材料で株価が上がる前に損切りしてしまうことも多いのです。つまり自分でしっかりした考えを持って投資する必要があるのです。
そして自分の判断を信じることが出来るなら、若干の株価の変動には耐えてホールドを続けるグリップ力が大事です。
自分のグリップ力を強めるものは何か。
その企業の出来高か、ファンダメンタルズか、株価チャートか、優待か。
なぜか優待というとレベルが低いと思う投資家もいらっしゃいますが、優待だってバカにできない強烈な運用ツールです。
私のポートフォリオの中には、優待欲しさに何年も保有しいたままになっていて、買ったときの株価の数倍になっている優待銘柄がいくつも存在しています。つまり、『この企業の優待が絶対に欲しい。』という自分自身の強い欲望が運用成績をとても大きくしたわけです。
いままでも、これからも日本の株式市場でも投資家の株価に対する判断が振り子のように揺れ動き、昨日大きく上がった企業の株が、今日は大きく下がってしまう。そんな乱高下状態が続いていくと思いますが、まだファンダメンタルズ的に日本株は安いという判断を基礎に、株への投資額は維持していこうと思っています。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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