今年に入って、フィンウェル研究所の野尻哲史さんが主催しているデキュムレーション(資産活用)の研究会に参加させていただいております。
メンバーは下記の通りで、私を含め金融業界では著名な方々も多く、お誘いいただいて参加させていただく事に大変楽しく参加させてもらっています。
大江加代さん(株式会社オフィス・リベリタス)
唐木田みわさん(三井住友トラスト・資産のミライ研究所研究員)
後藤順一郎さん(アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研所長)
小松原宰明さん(イボットソン・アソシエイツ・ジャパンCIO)
小屋洋一さん(株式会社マネーライフプランニング代表)
島田知保さん(投資信託事情編集長)
竹川美奈子さん(LIFE MAP合同会社代表)
田村正之さん(日本経済新聞社 編集委員)
津曲眞樹さん(OECD-INFE諮問委員)
山口勝業さん(イボットソン・アソシエイツ・ジャパン会長)
山崎俊輔さん(ファイナンシャル・ウィズダム代表)
野尻哲史(合同会社フィンウェル研究所)-デキュムレーション研究会事務局
ここでは、「高齢者が消費を促進させながらいかに有価証券資産の寿命を延伸させられるか」ということについて、主にリタイアメント後の資産運用や取り崩しについてその考え方などを議論しています。
私が、実務の中で採用をしている「取り崩し」の考え方は下記の4ステップで考えています
1.今後のキャッシュフローを予測して、10年分の不足する金額合計は現預金で保有しておく
まずは、年間の収入(主に年金など)-支出(生活費など)=年間収支を計算し、この年間収支(多くは赤字)の10年分の支出を現預金で保有している10年分の年間家計収支の赤字分を保有していれば、運用していく資産については少なくとも10年間程度の期間で運用を検討することが出来る。
ケースによっては、10年先までの家計の収支が黒字家計である場合には、年間家計支出の1年分程度を現預金で保有しておけば十分と考える。
2.1で控除した現預金を除く部分は、株式、債券のポートフォリオで運用を行う
1の現預金を含めた全体のポートフォリオを見たうえで、
現預金:株式:債券=1:1:1
程度になる程度が保守的なポートフォリオとして考える。
全体の金額が少なくて、現預金比率が高くなってしまう場合には、
現預金:株式=1:1
程度になるまでも許容する。
3.このポートフォリオに組み込む株式や債券の商品は「配当」を期待する場合には投資信託ではなくETFによって構成することも検討する。
「資産取り崩し」の段階に入った人は、「配当収入」を求める傾向が強くなります。(運用からの定期的なキャッシュインを期待するようになる)
取り崩しの段階なので、複利で資産形成をしていく必要性も乏しいので、配当金の再投資を行う投資信託ではなく保有資産からの自然な配当が期待できるETFをポートフォリオ組成の商品として検討することも自然である。
4.資産運用開始から5年程度たった時点で、運用成果を見ながら(多くの場合は5年のパフォーマンスはプラスであると思われる)1のステップから再検討をしてみる。
この4つのステップを踏めば、多くの人は金融資産の寿命を延ばしながら、取り崩しをして行けるはずです。
リタイアメントの状況にある方は、ぜひ現在のご自身の運用と当てはまっているか照らし合わせてみてください。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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