有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「地道に利益を出し続けている低PER銘柄が騰がる可能性」=
(有料メルマガ第384回・2016/6/7配信号)
※注 2016年6月現在の内容ですので留意下さい。
【前略】
私が株式投資を始めたころ、経験したブラックマンデーのことを思い出しました。
ブラックマンデーの時、電気興業というアンテナメーカーで私も『天国から地獄へ』を経験しました。しかし利益を上げて逃げられたのでラッキーだったと感じています。高くなってから買い増していたら、大損害を受けるところでしたから、やはり運があったのだと思います。
私は当時ナンピンという買い下がり方法を学んで、それを実践で使っていました。
昭和62年1月14日 630円で1000株購入。
昭和62年3月 3日 600円で1000株購入。
昭和62年3月12日 580円で1000株購入。
昭和62年4月 4日 501円で1000株購入。
(この株は月足チャートでみると昭和62年4月16日に475円で大底をつけています)
ある日突然、電気興業ではなくヨコオ(当時東証第二部、現在東証第一部)というアンテナメーカーの株が暴騰し始めました。
『なんで電気興業ではなくヨコオなんだ・・・』
と腹が立ったことはいうまでもありません。でも、
『いやいつか電気興業だって上がるに違いない』
という、変な確信が芽生えました。
私が電気興業を仕込んでいるとき、電気興業よりより安かったヨコオ(昭和62年2月9日現在420円)は、なんと昭和63年の2月には4200円まで上昇することになります。
ジリジリしながら待つうちに、思った通り電気興業株への投資も報われる日がやってきました。電気興業もストップ高を伴って暴騰を始めたのです。
昭和62年8月31日に1640円まで一直線に上昇しました。
『2倍になったら半分売れば投資額を全額回収できる。残った株は元金ゼロで株で儲けた利益だけが残ったコストゼロの株だ。コストゼロの株を作ろう。』
と最初は考えていました。でも私は自分で作ったシナリオどおりに行動することは出来ませんでした。
1000株だけは売りました。昭和62年8月22日に840円で売りました。しかし、株価は8月31日には1640円になったのです。たった9日後に2倍になったのです。
こうなるともう当初のシナリオは頭から飛んでしまいました。儲かっているのに、儲け損ねたことで気分を悪くしていました。いま考えると、とても馬鹿らしいことですが、このときは本当に自分に腹を立てていました。
残りの4000株はもう握りこんだまま梃子でも売るまいと決心しました。その時、ヨコオが2000円以上になっていました。
だから
『電気興業だってと絶対上がる』
と何の根拠もなく考えていました。信じ込んでいました。
しかしその後はなかなか上がらないのです。ヨコオは3000円近くまで上がってきているというのに、電気興業は少し下がってそこでうろうろしている。でもヨコオの株価上昇を見ているので私の欲はパンパンに膨れ上がっていました。
ところが、もたついているうちに起こってしまったのです。
ブラックマンデーという大暴落が。
昭和63年10月19日に唐突に起こったような感じを受けました。あっという間に株価は暴落し始めました。
『値がつかない。』
気配値だけで株価が溶けるように下げていきます。数日間売買が成立せず、売りたい希望価格の気配値だけが下がって行く恐ろしさ。
『やばい』
本当に真っ青になりました。
私はやっと1010円で3000株売却できました。でも反発するかもしれないと欲張って1000株は残したのでした。しかし更に株価は下がったのでこれも909円で売ることになります。
悔しかったのはヨコオが下がらずに4200円まで上昇を続けたことでした。
1640円で売れる可能性があったものを1010円で売らなければならなくなったのです。
電気興業の株価は、あれから29年たっても、この時の高値を更新できないままです。
いまでは、このような一攫千金を狙って、夢を買うような企業に投資することはほとんどなくなりました。だからアキュセラ・インクの暴騰や暴落については6月2日ごろにある投資家さんのブログで知りました。
アキュセラ・インクの株に2015年12月までに投資した投資家は、私の電気興業への投資と同じように損はしなかったと思います。しかし今年に入ってから投資した投資家は大なり小なり損を負った可能性もあります。もちろん上げている最中に利喰いして大きく儲けた投資家もいると思います。
このような暴騰や暴落を経験することで投資家は投資力を磨いて、強い投資家、稼げる投資家に育っていくことも多いです。苦しい経験をし、その苦痛に耐えることで、経験を積み成長できるなら、無駄ではありません。
しかし信用取引などをしていて破綻して、株式投資から退場を余儀なくされたり、借金を背負い込んだら、回復するのに大変な苦労と時間がかかると思います。
低PERかつ低PBRの企業に投資していても、今年に入ってからは株価が下落して、かなり苦しい思いをしていたる投資家は多いと思います。しかし、きちんと利益を出して、配当も払っている企業に自己資金で現物に投資していたなら、破綻するようなことにはならないでしょう。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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