億近読者の皆様こんにちは。小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。
今回は、「経済ニュースの教え方」を取り上げます。
「経済の記事を読むのが億劫だ」と感じる人は、私だけではないと思います。
経済記事は、娯楽ではありません。事実だけがツラツラと書かれた真面目な文章です。投資や仕事のために必要だとわかっていても、読んでいてウキウキワクワクするものではありません。
「子供に教養のために、経済のことを学ばせたい」という親御様はたくさんいます。しかし、大人でも夢中になれない真面目な経済ニュースを話して聞かそうとしても、子供はすぐに飽きてしまうことが想定できます。
では、どのように経済の話を子供達に伝えていったら良いのでしょうか。
今回は、難しい経済ニュースを楽しく学ぶコツをお伝えします。
経済ニュースを楽しく学ぶコツ、それは
「身近な事に関連づける」ことです。
「身近な事に関連づける」というのは、経済の勉強に限った話ではなく、教育全般に有効です。
例えば、子供に割り算の概念を教えるのなら、
「この1房のブドウを、平等に4皿に分けるなら、何個ずつになる?」
ときいてみるのが有効です。
子供は「ブドウが何個食べられるのか」という自分事なので、真剣に割り算を解くことでしょう。そして、実践をもって割り算の役割を理解できるはずです。
このようなことは、多くのご家庭でやっているのではないでしょうか。
経済のことを教える際も、同じです。
経済ニュースを子供に教える場合は、割り算の時よりもひと工夫が必要です。
経済全体の話が、子供にとって異次元の話であり、なかなか身近な事としてとらえられないからです。「勉強っぽさ」を感じると、聞いている方は眠くなります。
経済ニュースを子供にとっての身近な事に落とし込むためには、「マクロ→ミクロ」の転換が必要になります。
マクロは経済や社会全体のこと、ミクロとは個別の企業のことになります。
漠然とした経済のニュースを身近な企業の活動に関連づけることで、世の中の動きを具体的に理解できます。
例えば、「二酸化炭素排出量の削減目標」のニュースを子供に伝えるのであれば、「電気自動車」の話もセットで伝えると「二酸化炭素排出量削減のために、自動車業界は電気自動車の開発に取り組んでいる」という世界の動きを理解できます。
電気自動車は、走行中に二酸化炭素を排出しません。そもそもガソリンの給油が必要ありません。子供に、教えるなら下記のような感じです。
親「今度うちも、ガソリンがいらない車に買い換えるか」
子供「え?ガソリンがいらない車なんてあるの?」
親「電気自動車なら充電するだけで走れるんだ。ラジコンが電池で走るでしょ。それと同じだよ。ガソリンは車の後ろから、二酸化炭素がたくさん出るから環境に良くないんだ。二酸化炭素は地球を暑くする。地球が暑くなりすぎると、生き物は生きていけなくなる。だから世界では二酸化炭素を減らそうというスローガンをあげている。だから、自動車会社は電気自動車の発明を頑張っているんだ。どうせ乗るなら地球に優しい車に乗りたいし、新しい車がどんな車なのか、乗ってみたいじゃない。」
子供「うちも電気自動車にしなよ。二酸化炭素を出さないならいいじゃん。」
このように、二酸化炭素排出量のニュースを子供に説明するのなら、そのニュースに関連する、電気自動車の話までに広げると、話題が盛り上がりやすくなります。
穴埋め問題の答えを覚える勉強より、楽しくありませんか。
上記の例では、自動車株の投資の勉強に発展させることもできます。
「投資のことを子供に教えていきたい。だけど、経済のこと教えるのは難しすぎる。第一、子供が飽きるのが目に見えているし、実は自分も活字の勉強は楽しくない。」
という方は、「マクロ→ミクロ」「経済全体のニュース→自分達の身近な企業の活動」という考え方で子供と経済ニュースを話してみてください。
親子で経済の話が盛り上がるかもしれません。
(遠藤)
[遠藤 功二氏 プロフィール]
日本FP協会認定CFP
1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
MBA(経営学修士)
大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
子育て世代のための金融教育サービスFP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
コメント
コメントを書く