全体相場の下落の影響を受け、売られすぎたと見る好業績銘柄を紹介します。
●タムロン(7740) [東証一部]●
■事業紹介・強み
同社は1950年11月に写真機・双眼鏡レンズの加工事業を埼玉県浦和市に『泰成光学機器製作所』として創業。
レンズ専業大手で一眼レフ用交換レンズで世界的。監視カメラ用を強化しており、タムロンブランドで展開するカメラのレンズメーカー。世界シェアはトップクラスでありOEMも手掛ける。ドローン向けや車載用レンズに注力している。
同グループは、カメラ用交換レンズ市場で高倍率ズームレンズのみならず「マクロレンズのタムロン」として認知されており、映像に対する独自のこだわりと技術により、常に革新的な製品を提供している。
また、監視カメラ・車載カメラ等のレンズユニットやその他新規分野においても、強みである光学を主体とした技術力を活かした高性能・高品質な製品を供給している。
成長市場分野である特機関連事業では、監視/FA用や車載用が計画以上に売上を伸ばすなど好調に推移し、増収増益の見込みだ。
監視カメラや車載カメラ等の産業向け市場は、成長基調が持続するものと考えられる。その中で同社は、監視カメラや車載カメラ等の市場の伸びを車載カメラは20~30%、監視カメラは10%程度を見込んでいる模様。
同社の一眼レフ用交換レンズでの一番の差別化は、他社は通常50~60本の商品ラインナップのところ、同社は28本と絞り込むことによって価格面、サイズ面、重さの面で優位に立っている。
■業績確認
7月28日に業績修正を発表した。
21年12月期第2四半期累計の連結経常利益を従来予想の23億円から37.5億円(前年同期は11.6億円)に63.0%上方修正している。
なお、第3四半期以降の前提為替レートは1米ドル=108円(修正前は107円)、1ユーロ=128円(修正前は126円)としている。
自社ブランド及びOEMともに交換レンズの販売が想定以上に進み、また、車載カメラ用レンズの好調も持続したことから、売上高は計画を上回る見込みで、利益率の高い写真関連事業における増収効果に伴い計画を上回る見込みとしている。
写真関連事業が上振れ、ミラーレス向け自社ブランドが好調に推移し新製品の投入も継続。そして上記のように市場環境の回復基調が続いていることから今後も業績面は期待できるだろう。
株価は、足元は8/20に付けた安値2480円どころまで調整してきており、2021/6期のBPSの2196円を加味すると時価近辺は割安な水準と言えよう。
(あすなろ産業調査部 藤井勝行)
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