新型コロナパンデミックの影響で世界の商品市況が影響を受けています。
自粛ムードが終わり、一般消費者が一気に消費をしようと街頭に繰り出していることで米国の消費が高まりを見せ、Eコマースも活況となる中で停滞してきた需要が一気に高まると市況産業は一気に上昇の動きを見せることになります。
米国で起きた消費者物価の高騰はパンデミック収束の日本でも必ず起きることになります。インフレの長期化が叫ばれており、木材、銅、鉄鋼などの市況が上昇。モノを運ぶための海運市況が上昇し最近の株高につながっておりますし空運などへの需要も高まってきているようです。
海運など市況依存型の企業の業績向上が顕著だとされ株式市場では人気を高めたほか、半導体も品不足が言われそれに関連した企業の株価は人気を集めています。
仮需の発生で業績が伸びているだけであればいずれは株価の下落が待っている筈ですが、どうやらこの需要増は長期化するといった観測が流れては多少まだ鼻の下を伸ばしてみようとする投資家も出て参ります。
テクノロジーに裏打ちされた半導体関連はともかく、海運やエネルギー産業などの市況依存型企業の株価には留意しないとなりません。局所的なバブル発生は生じているのではないかと疑ってかかる必要があります。
価格の上昇で困るのは生きていくために必要な食糧価格ですが、このところも値上げラッシュが見られます。また生鮮野菜や輸入牛肉の高騰も顕著なようで、コロナパンデミックの影響はこれからまだ続くと見ておく必要がありそうです。
最近の日本農業新聞記事によると
「輸入牛肉価格が急騰し、ミートショックが発生している。主力の米国産バラ肉は、前年比8割高と暴騰している。」
との話です。この記事によると、高値傾向は今後も続く見込みということです。
吉野家を始めとした牛丼屋・焼き肉屋・ステーキハウス・居酒屋など、米国産牛肉に頼っている飲食店は多々あります。
これでは、緊急事態宣言解除で客足が戻っても、経営はかなり厳しいと見られます。
輸入牛肉価格高騰の理由は米国内や米国からの輸出先中国での、旺盛な需要拡大が背景にあります。
コロナ禍で、食肉加工場の稼働率が低下したり、コンテナ不足による物流コスト上昇もあるようです。また豪州での干ばつの影響も出ているようです。
本格営業開始の飲食店に訪れる試練はまた別の要素でもたらされるかと見られます。10月以降は、客の戻りで9月までよりははるかに活況を呈すとしても、その裏側で、牛肉に限らず、様々なコストが上昇しており、利益なき繁忙になるおそれがあります。
日本の消費者物価はまだ米国ほど上昇するには至っていませんが、徐々に兆候が見えつつあります。様々な商品価格の上昇は2%のインフレ目標達成を早めることになるのかも知れませんが悪いインフレに陥ることがないよう気をつけておく必要がありそうです。
こうした市況上昇の恩恵を受けた企業の株価がこれまで堅調に推移してきましたがそれも早くも一巡してしまった感があります。とは言え、循環的な変動が続く可能性もあり、引き続きそうした市況の変動やそれに関わる企業の株価変動に注目しておきたいと思います。
(炎)
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