日本には420万社余りの法人企業があるとされ、そのうちの大半は中小企業だと言われます。大企業は1.2万社にしか過ぎませんが、更に上場企業となると3800社にしか過ぎません。
つまり上場までに至った3800社はエリートと言えます。
来年4月からの東証市場改革ではその中でプライム市場、スタンダード市場、グロース市場に分類される予定で、既に企業からもどの市場に所属するかが発表されつつあります。
エリートの中のエリートがプライム銘柄と言えますが、現在、東証1部銘柄の中にはスタンダード市場に甘んじることになる企業も出て参ります。
またキャッシュリッチで時価総額以上に現預金を保有している企業も多々あり、保守的な経営を継続する事例も見出されます。
一方でマザーズ市場に上場するグロース市場に移行する銘柄は成長への道筋を明らかにしている企業が大半です。特に直近のIPO銘柄にはそうした成長性を説明する東証からの要求に従ってすべて開示されているようです。
投資家はそうした成長期待を背景にIPO銘柄への期待を高めてきたと言えますが、その期待がはがれたしまったのが昨今の株価低迷の背景なのかも知れません。
米国のNASDAQ市場の隆盛に倣い、日本の新興市場銘柄への期待は高まったのですが、エリートというべき多くの上場企業にはアンビシャス(野望的)なマインドがやや欠けている保守的な企業が多いように思われます。
保守的な企業が変化すれば市場の評価も大きく変わって参ります。
多くの投資家はそうした企業の活動に期待をしています。
理不尽に利益を溜め込んでばかりで株主への還元を怠っている企業にはそのキャッシュの活用をより積極的に行ってもらう必要があります。
見かけ上はM&Aを積極化させるというメッセージを発信しているようですがその投資には保守的で慎重なスタンスが見られます。
本日取り上げましたようにソフトバンクGの孫社長は投資家ではなく資本家という立ち位置で世界のAI企業にファンドを通じ出資しリスクテイクの活動を継続しています。
萎縮している日本の多くのエリート企業(これには銀行も含む)のマインドがなかなかポジティブに変化しない状況の中では日本株の本格的な上昇は期待薄ということになりますが、アンビシャスなマインドを持った上場企業を市場は待望しているのではないかと思われます。
筆者はそうした企業探しに引き続き邁進したいと思っております。
(炎)
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