コロナ禍で多くの企業が窮地に陥っている。上場しているから安心だと言う訳ではなく、未曽有の赤字転落でとうとうワタベウェディング(4696)が事業再生ADRを申請し受理されるなどまさかの出来事がこれまで比較的優良だと思われた企業にも訪れている。
コロナ禍では人と人の交流が極端に制限されそうしたビジネスモデルを敷いてきた企業は軒並み大幅な赤字に転落。先般から話題の深夜営業型の飲食店を運営するグローバルダイニング(7625)もその類で、時短要請に応じなかったことで東京都から時短命令を受けたがこれを違法として東京都を提訴するに至った話が盛り上がり200円以下で低迷してきた株価もこの話に乗って応援団でもいるのか3月24日に373円と言う高値まで一気に買い進まれたのだが、その後は見ての通りの状況。
そもそも同社の業績は低迷続きで上場時こそ長谷川オーナーへの暴力事件(足をピストルで撃たれた話だったかと記憶している)というろくでもない話で話題を呼んだ。またブッシュ大統領が来日した際に小泉首相と立ち寄ったと
いう六本木の権八という店の話も同社の思い出話を飾る出来事だった。
こうした出来事の一方で成長への期待むなしく業績が低迷してきたと言う印象しかない鳴かず飛ばずの飲食店(筆者も昔はよく利用したが)だったからこうした事態への備えができていなかった経営陣にもやや問題があるというのは筆者の同社への勝手な印象だ。
株主にとってもこうなればこのまま座して死を待つだけなら戦い名を高めて新たなビジネスに挑戦していく契機となってほしいと願っているのか株価は一種の景気づけのような感じがする。
同じ飲食系ではヴィアHD(7918)の業績もすさまじい赤字転落で当期利益は56億円余りの大幅赤字となり既に事業再生ADRの手続きに入っている。
またコロナ禍の影響は旅行代理店のHIS(9603)にも未曾有の大赤字をもたらした。その金額たるや前10月期は313億円の経常赤字。今10月期も98億円の経常赤字を見込み1Qだけで118億円の経常赤字となるなどまだ先行きは不透明。そろそろコロナ禍の後の回復を期する声もあり、また新株予約権での資金調達も進展し株価は比較的底堅いが油断はできない。
一方では巣ごもり需要でガーデニング関連製品の売れ行きが好調でタカショー(7590)の業績が堅調。地方大型スーパーのPLANT(7646)も巣ごもり需要増で前9月期は大幅増益となったほか今期も比較的堅調な業績推移が見られる。
ニトリやしまむら、ワークマンといった専門店チェーンも巣ごもり需要を取り込んで業績好調。ミスミG(9962)やトーエネック(1946)などの優良企業も軒並み業績を上方修正しており、配当落ち後の展開が気になるところだ。ミスミGは経常利益を205億円から268億円に上方修正。トーエネックは予想経常利益109億円(減益)から130億円に修正しこの結果増益に転じることとなった。
今後も企業業績の修正が相次ぐことになるだろうが明暗分かれる中で株価の推移にも変化をもたらすことになるのか要注目と言える。
(炎)
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