億近読者の皆様こんにちは。

 小学生の親御様のために、お金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。


 最近お年玉シーズンだったせいか、お金の学びのワークショップのお申し込みが盛況です。

 ワークショップでは、まずお金の3つの役割についてお話しします。

 お金の3つ役割とは、交換、価値、貯蔵のことです。
(順番は、私の独断でこの順にしています。)

 交換についてお話しするときは、子供たちにこのような質問をします。

「お金を使う場所、お金を持って行く場所ってどこだろう?」

 当然子供たちはこう答えます。
 スーパー、100円ショップ、お花屋さん、床屋さん、電車などなど。
 ここで気づいて欲しいことは、お金は物やサービスと交換するためにあるよね、というお話しです。


 次に価値のお話をします。

 このような質問をします。
「お誕生日会でテーブルの上に飴玉が置いてあるのと、ケーキが置いてあるのでは、どっちがうれしい?」

 子供たちはこう答えます。
「ケーキ」

 この喜びの大きさが「価値」です、というお話しです。

 もしかしたら、飴玉はすごい手間がかかっている手作り飴玉かもしれませんが、そんなことは消費者には関係ありません。
 単純に、ケーキという特別感が、3,000円という価値を持っているのです。これが価値です。


 そしてこのような質問もします。

「もしお金がなかったらどうなるだろう?」

 30円の飴玉100個と3,000円のケーキは交換できるでしょうか。
 答えはNOですね。
 ケーキ屋さんは飴玉をそんなにたくさん必要としていません。

 お金があるから、価値を数字で決めることができ、さまざまなものと交換することができるのです。


 そして最後に貯蔵のお話しです。

 ここでする質問が
「みんな欲しいものはあるかな?行ってみたいところはあるかな?」
です。

 子供たちは今の目線で様々なことを書きます。
 ここで説明すべきは、未来の話です。
 大きくなったら欲しい物はもっと増えるし、海外に行きたい人も出てきます。
 そんな時に、お金を貯めている人は、必要なものが買えるし行きたいところに行けます。
 お金がない人は、必要になってから貯めないといけません。

 アリとキリギリスのお話しと同じです。

 つまり、貯蔵は交換する「自由」が得られるということです。
 お金持ちが偉いから貯蓄するのではなく、自分の選択の自由のために貯蔵するのです。
 お金は銀行に入れれば重さゼログラムです。株も電子化されたので、ゼログラムです。スマホで持ち歩けます。お金は貯めても邪魔になりません。しかも腐りません。

 もちろん、貯めてばかりでは、自身も経済も成長しません。

 適切なタイミングで使うことが大事です。
 若いときは特に自己投資に使うと良いでしょう。


 というようなお話しをお子様向けのワークショップでしています。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

生き抜く力を育むお金の体験型教室FP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)