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 新型コロナショックに揺れた令和2年の株式相場は米大統領選の決着が見えない中で引き続き意外なほど強い展開が続いている。NYダウが3万ドル台乗せを演じる一方、日経平均も2万7000円台乗せが目前に迫りつつある。

 師走特有の値動きも既に一巡し、高値をつけた銘柄には利益確定売りが活発に出るなど上げれば高値警戒感も出やすいが、日経平均に限っては押し目買い基調にあってジリジリと年初来高値更新の動きが見られる。この勢いを背景に循環物色が継続。2018年の高値更新にはまだ間があるTOPIXや東証2部、JASDAQなども先高観が醸成され高値更新に向かいつつある。


 こうした中で令和2年師走のIPO銘柄数は一挙に26となり、明日15日から29日にかけた2週間で賑やかな売買がなされるだろう。

 11月30日に再上場を果たしたネットワークセキュリティ機器を手掛けるバリオセキュア(4494・東証2部)が公開価格2250円に対して初値2150円と初値が公開価格を下回り、その後も2000円割れを演じ11日に1822円まで下落したこともあってやや需給面が悪化しているのではとの懸念も出てきそうだが、基本的にはマザーズ銘柄を中心に放出株が少ない好需給銘柄には投資家の関心が向かうと見られる。

 26銘柄のうちマザーズ銘柄がエンゲージプラットフォーム開発のスタメン(4019・15日)や家電の企画販売のバルミューダ(6612・16日)など18銘柄と圧倒的な数となっている。

 今回は少し変わった社名で、インターネット利用の住設機器販売会社の交換できるくん(7695・23日)やSaas型アルゴリズム提供のかっこ(4166・17日)、EC総合支援サイトのいつも(7694・21日)などが含まれるほか、コロナ禍で一度上場を取りやめたFast Fitness Japan(7092・16日)もようやくIPOにこぎつけたようだ。

 JASDAQ銘柄は美容商品、トイレタリー商品の企画販売事業を展開するリベルタ(4935・17日)や市場・技術動向調査のグローバルインフォメーション(4171・24日)、歯科向け総合システムの東和ハイシステム(4172・25日)の3銘柄、また東証2部銘柄は生活物資に特化した物流事業を展開するビーイングホールディングス(9145・15日)、バルブ製造販売のオーケーエム(6229・17日)、給排水器具のSANEI(6230・25日)といった3銘柄の取引が予定されている。

 東証1部銘柄では再上場のローランド(7944・16日)とベビーシッター派遣事業などを展開するポピンズホールディングス(7358・21日)が取引開始予定。

 ここまでの全体相場の需給は良好だが、16日は3銘柄、17日は5銘柄と相次ぐ上場で需給が悪化しないか多少気にはなるが、好需給のIPO銘柄への関心は継続しそう。

 売出株が1000万株を超えるローランドや1505万株の売出を予定しているプレイド(4165・17日)、1715万株を売り出すロボアドバイザーのウェルスナビ(7342・22日)などが大量の放出を控えている銘柄については消化難となる恐れもありそう。


 株高局面で迎える令和2年のIPOもラストラン。皆様とともにその動向に引き続き関心を寄せておくことにしたい。


(炎)


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