億近読者の皆様こんにちは。

 小学生向けのお金の教育論について寄稿させていただいております遠藤です。


 今回は、お金の教育がもたらす家庭のルールについて説明します。

 私は、仕事とお金の関係を教えるために、小学生になったら、
「自分が使うお金は家の中で仕事をして稼ぐ。」
というルールを敷くことを推奨しています。

 実はこのような「ルール」を決めるだけで、他の子育ての悩みも解消される効果があります。


■仕事とお金のルール



 まず、子供がお家の中でお仕事をしてお金をもらう、ということを習慣化するためにはルールが必要になります。

 ●毎日行う
 ●完璧に行う
 ●何時までにやる

など

「自分の仕事を決めた直後は結構頑張っていたのに、段々と飽きてきてしなくなってしまった。」
ということが起きます。

 しかし、社会人になって、「仕事に飽きたから辞める。」なんて甘い言葉は通用しません。自分でどう工夫して仕事を楽しくしていくかが重要なわけです。

 ルールをきっちり決めると、仕事をしなかった時に起きるデメリットを子供が体感することができます。


 例えば、「月の半分仕事をサボったら、翌月からその仕事は無くなる。」というルールにしたとします。
 そうすると、子供としては好きなものを買うための手段がなくなってしまうので、困ります。お菓子も漫画も買えなくなってしまうのです。

 この場合、決めたルールは親も断固として実行することが大切です。

 ルールを遵守することによって、子供にはルールを守ることの厳しさを教えることができます。普通の会社なら、ほんの数日無断欠席するだけでクビになるのではないでしょうか。


■仕事とお金のルール作りが他のルールにも影響する


 例えば、親が子供に
「宿題をしなさい。」
「お風呂に入りなさい。」
「ゲームばかりしているんじゃない。」
などと注意するの、嫌ではありませんか?

 仕事とお金のことで家庭内にルール決めがなされていると、子供を動かすのは「注意」ではなく「ルール」だということに気づかされます。

「ゲームは宿題をしてからでないとできない。」
「ゲームの時間は、◯時まで。(しかもプレイ時間は30分?1時間)」
などのルールを決めると子供は守ります。

 ルールを守れない子には
「1週間の中で3回警告を受けたら翌週1週間はゲームができなくなる。」
というルールを敷いてみてはいかがでしょうか。

 親が感情的に怒らなくても、「3回警告受けたからアウトね。」とう形で冷静に対処をすることができます。

 子供は、泣いて暴れるかもしれませんが意外にルール通りのことに対しては、納得するものです。


 要するに、「約束を破ったら大変なことになる。」ということを学ぶ経験ができるということです。


 家庭内のルールは、骨抜きになりがちです。
 「ゲームは30分まで」と決めていても、親が目をつけてないと何時間でもやってしまう、という子は少なくないでしょう。ルール違反をしても親から説教を受けるだけで、説教に慣れてしまうと子供はまた同じことを繰り返してしまいます。
 説教は、あまり意味がありません。

 だから、破ると「ゲーム禁止」等の大変なことになる厳しいルールが必要なのです。

 とは言っても、突然今日から厳しいルールを取り入れるには抵抗がある、という方は、仕事とお金のルール作りから始めると家庭内に、ルールを作る習慣が根付きやすくなります。

 そして子供はルールの中で工夫するようになります。


 「自分が使うお金は自分で稼ぐ。」程度のルール作りからご家庭の法改正を検討されてみてはいかがでしょうか。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。

生き抜く力を育むお金の体験型教室FP君
web:https://fpkun.com
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


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