足元の日本市場は47都道府県の緊急事態宣言が解除され、徐々に経済活動の再開を織り込む動きとなってきた。安値からのトレンドが出ている銘柄に注目したい。
今回はそんな中からの銘柄紹介です。
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クイック(4318)[東証一部]
『右肩上がりの好業績を叩き出す内需優良株』
【事業紹介】
『リクルーティング事業』および『人材紹介事業』2本柱。
人材紹介では看護師をメインに、子会社で人事に特化した『日本の人事部』サイトを運営するなど専門職に強みを持つ。
2011年に黒字転換をして以降、9期連続での過去最高益予想と堅調推移。
リクルートHD系の媒体を主力としており、人材紹介・派遣といったサービス事業を中心にリクルーティング、情報出版の事業展開も行っている。
5月15日に決算を発表。20年3月期の連結経常利益は前の期比6.8%増の30億円に伸び、7期連続で過去最高益を更新した。10期連続増収、11期連続増益となった。
なお、21年3月期の業績見通しは開示せず、今期の年間配当は未定とした。
幅広い分野で人手不足が深刻化したことに加え、働き方改革による生産性向上や職場環境改善に向けて、企業の人材採用や人事評価、育成等の人材サービスに対するニーズは高い状況が続いた。
第4四半期以降、新型コロナウイルスの感染拡大を背景とする顧客企業の採用活動や販促活動の中断、延期等により、同社グループの業績も影響を受けたが、第3四半期までの業績が堅調に進捗したことから過去最高を更新する見込みとなった。
人材サービス事業は一般企業向け専門職・技術職の人材紹介の業績は順調に拡大した。また、病院や介護施設等を対象とした看護師紹介は、細かな登録者対応や効果的なプロモーション等により、業績は堅調に推移した。人材派遣・紹介予定派遣・業務請負等は、看護師派遣及び保育士派遣とも順調に推移した。また、専門性の高いIT・Web関連職種やオフィスワーク等のパートタイム派遣も順調に推移した。
リクルーティング事業は2021年3月卒業予定の大学生をターゲットとしたインターンシップサイトへの広告やイベントの取り扱い等が好調だった。また、中途採用領域も前期より本格的に取り扱いを開始したIndeedの取り扱いが大きく拡大し、正社員及びアルバイト・パートの求人広告の取り扱いも底堅く推移した。
なお、派遣登録スタッフ募集のための一部メディアについて、18年12月より契約形態が代理店形態から販売委託形態に変更され、取扱手数料のみの売上計上となり、前年同期と比較して売上高が減少したが、仕入原価の広告掲載費を差し引いた粗利は順調に拡大している。
情報出版事業は生活情報誌及び住宅情報誌「家づくりナビ」の業績はほぼ横ばいで推移した。また、前期下半期よりスタートしたIndeedの取り扱いは、人手不足に伴う旺盛な採用ニーズを背景に大きく拡大した。また、折り込みチラシ等のポスティングサービスが堅調だったことに加え、「ココカラ。」ブランドで展開するコンシェルジュサービスも、転職・家づくり・ブライダルの全領域とも業績が順調に推移した。
英国の人材会社を子会社化するなど海外展開に積極的だが、売上・利益の計上時期は日本に準じて四半期ごとに算出している模様。そのため日本は新年度が始まる4月入社、海外は期初の1月入社となることが多く、1Qの業績が膨らみやすい特徴がある。
株価動向4/6に814円をつけて順調な戻りを歩み、足元では5日移動平均線にサポートされしっかりした値動きとなっています。
(あすなろ産業調査部 藤井勝行)
[藤井勝行氏プロフィール]
1991年中央大卒業後、山一證券で個人営業を担当。その後国内外の証券会社で機関投資家向けに日本株式セールスを担当、独自のファンダメンタル・チャート分析に定評がある。経済専門新聞や週刊誌、国内外情報ベンダー等に市況コメントを掲載し株式セミナー講師としても活躍。相場の本質を伝えることをモットーとする。
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