方向感が見えない相場の中に、2つの流れがある様です。
3月19日、日経平均が16358、19円を底値に戻り歩調を続けています。
4月17日には19922、07円まで回復しました。ほぼ1カ月の値幅にして3500円超の戻りを演じました。下落する際も2月21日から急落が始まり、1か月程度で23378円から7000円超下落し、ほぼ下げ幅の半値戻りを演じました。
そのような戻りを演じた株価は、底値から回復基調になっていますが、この4月の新年度入りから東証1部の売買高は日々低調な状況が続いています。
日銀が今まで以上の金額を株式市場に投じ、3月に2000億円のETF買い入れが始まり、その後、4月からは1200億円超の買いを続けています(その前までは750億円超の介入額が膨らんでいました)。
その理由は市場の安定化もあるが、日銀自身の買いコストが下回る状況になり、買い入れをしなければならなくなったことのようです。従来ならば、新年度入りをしたことで、機関投資家が新たに買いポジションを作る時期であるにも関わらず、大手機関投資家は様子見の姿勢が続いています。
唯一、信託銀行、GPIFなどは多少の買い越しでした。外国人投資家の姿勢も4月初めは543億円の買い越し、先週は3019億円の売り越しで、売り越し額が大きくなっていました。戻ったものの主体性がある投資家が不在で、ただ、日本銀行が支えているだけの相場になっている状況です。
その為「米国株式市場」の動きに沿った展開が続いています。
相変わらず寂しい株式市場です。
しかし、その中で日銀が介入しない市場「マザーズ」には個人投資家中心にリスクオンの動きが続き、直近は日々1億株超の売買高になっています。今週初めまではIPO銘柄が主役でした。今では「バイオ」銘柄が中心的な役割を示しています。
上場後下げ続けていた「DELTA・4598」が3日間ストップ高を演じたり、「アンジェス・4563」が四桁相場になったりと活況な動きを呈しています。
このマザーズ市場3月13日に1部市場より早く底値を形成し、その後は下値を切り上げつつ3月初めの水準まで戻しています。1部市場とは違い売買高を伴っての戻り相場を演じていて一歩リードしているようです。
ただ、何度か指摘してきましたが「マザーズ市場」の鬼門は決算発表。それが目の前に来ています。ちょっと気掛かりな時期になりました。
今、バイオ株が物色されるのも、「バイオ」銘柄には決算発表が足枷にならない、ある意味、会社の内容が慢性的に赤字体質になっているのは当たり前と投資家の中では織り込み済みだからです。
しかし、IPO銘柄はやはり決算内容が気になります。その為、今後は「バイオ」銘柄含め、ちょっと材料性が強い銘柄(低位株も含む)などへの物色傾向もでると見ております。
1部市場はこれから本格的な決算発表、今期業績予想を発表できない銘柄も多く出るでしょう。その為、評価することが難しくなり動きづらい状況になるのではと予想します。
そのようなことから、5月連休を前にして手仕舞い・処分売りなどで市場が重くなると考えています。また、決算シーズン真っ盛りですが、5月連休明けが重要なポイントになると考えています。
(大魔神)
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