億近読者の皆様、こんにちは。
 お金の教育特化のFP、遠藤功二と申します。


 私は、家庭でできるお子様向けの金融教育の方法について、連載しております。

 以前のメルマガで、金融リテラシーマップでは、小学生の時に、必要なもの(ニーズ)と欲しいもの(ウォンツ)を区別する力を身につけることを求めている、と書きました。

(参考)知るぽると 金融リテラシーマップ
https://www.shiruporuto.jp/public/document/container/literacy/


 欲しいものに際限なく浪費していると、貧しくなってしまうことは言うまでもありません。

 コロナウィルスによる、マスク不足やトイレットペーパー不足(特に関東圏)は正に「欲しいもの」とは何かを問題提起してくれました。


■「トイレットペーパーの買い溜めは貧しい行為」


 マスクは医療現場で必要とされています。
 だから不足が続いていることは理解できます。

 しかし、トイレットペーパーやティッシュペーパーは、違います。

 「今後供給が不足するかもしれない」、という噂が立ってから、流通に問題がないことがわかった後でも、品不足が続いています(筆者在住の大田区では品不足が続いている)。

 「無くなったら困る」という恐怖感が、パニックに繋がり、いまだに品不足になっています。


 ただ、お子さんがいる家庭の親御さんは、パニックをお子さんに伝染しないように気を付けて下さい。


 世界的に支持者が多い世界で一番貧しい大統領と言われていた、ホセ・ムヒカさんは、
「貧しい人とは、欲しがり続ける人のことだ」
とおっしゃっていました。

 トイレットペーパー。

 家に在庫がなければ買うべきですが、過剰なストックをする姿はお子さんに見せてはいけません。
 欲しがり続けることは、貧しい行為だからです。

 親がトイレットペーパーを欲しい欲しいと何ケースも買い集めている姿は、教育上宜しくありません。

 「うちは家にまだあるからね。」
と言う余裕を見せましょう。


 もしお店に売ってないままストックが無くなっても、いろいろと手はあります。
 今はウォシュレットも普及していますし、トイレットペーパーがなくても命までは取られません。


 今回のペーパー騒動は、自分自身の貧しい心と戦う良い機会になっています。


■「マスク不足はイノベーションの発想に!?」


 トイレットペーパーと違って、マスクは命に関わります。
 あまりのマスク不足に、手作りマスクを作る家庭も増えており、うちの家内もそれを作ってくれました。

 手作りマスクなんて、家庭科でも習いません。
 これは家庭という小さな社会での技術革新といえます。

 現在、生地のお店では多くのガーゼが売り切れになっています。
 普段マスクが足りている時は、ガーゼマスクを手作りする人はいないです。
 追い詰められると、家庭内でも技術革新が生まれるようです。


■「人に喜ばれること○、嫌がられること×」


 新型コロナの影響で、社会も家庭も危機に直面しています。

 このような時だからこそ、
「ビジネスの基本は人に喜ばれることである」
ということをお子さんに伝えていきましょう。

 例えばうちの家内は、手作りマスクをママ友のためにも作り、無料で配っていました。
 もらったママ友もお子さんも喜んでいるようです。

 しかし、どうでしょう。

 もし困っている人のためとはいえ、マスクを暴利で荒稼ぎしていたら。
 それは弱い者いじめです。

 無料でマスクを配ると、お礼の品をもらうこともあります。
 何かしてもらうと、申し訳無いと思うのが人間の心理だからです。

 私たちが普段、支払っているお金も受け取っているお金も、そういった、感謝への対価だということを忘れてはいけません。

 どれほど優れている人であっても、困っている人を助ける行為であっても、暴利を貪ってはいけません。

 「マスクはありがたいけど、1枚3,000円は高いよね。」
と言われた時点で、暴利です。

 価値があることをしている人は、
「あの人のアドバイスが40万円なんて、格安だよね。」
と言われたりしています。

 暴利かどうかは金額ではありません。価値です。

 暴利は、感謝への対価ではなく、ボッタクリへの憎しみに変わります。
 暴利を働いた人へは、次から何も頼みません。


 お子さんへのお小遣いも、普段のお手伝いへの感謝の対価に相応しい金額を設定し、なんでその金額か、しっかり伝えていきましょう。


(遠藤)


[遠藤 功二氏 プロフィール]

 日本FP協会認定CFP
 1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)
 MBA(経営学修士)

大学時代に借金に追われた経験からFPの資格を取得し、金融機関に就職。
証券会社と外資系銀行で延べ1,000人以上の顧客を資産運用アドバイザーとして担当した経験上、日本には金融教育が足りていないことを確信する。
自己責任が求められる社会で、子供たちが自立して生きていけるよう、お金の教育講座を実施している。子育て世代の親たちと子供たちに、金融の知識を届けるため教育特化のFPとして奔走中。
web:https://fpkun.com
メルマガ:https://mailseminar.fpkun.com/
メッセージ:koji.endo@fpkun.com


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)