年末相場で活躍中の銘柄の一つとして先週は1000の用途を持つ粘土として知られるベントナイトの世界的なメーカーとして着実な成長を見せている、クニミネ工業(5388)が人気を集めている。
先週の終値は1370円で前日比192円高、16.3%の上昇を見せた。出来高も100万株を超える大商い。発行済み株式数は1445万株で時価総額は200億円に接近。今期予想EPS116円でPERは12倍弱の水準。PBR1倍、配当利回り2.19%という水準なので株高とは言え、まだ極端に割高感がある訳ではない。
過去の同社はバリュー株として位置づけられてきたが、この株価水準になってようやく別の評価がなされてきたと言える。
実は同社は資源小国日本の地下鉱物資源であるベントナイトという土木分野で活用されている製品の採掘から製品化に至るまでの一貫メーカーとして着実な歩みを続けてきた企業だということを強調したい。
同社の事業内容は同社のHP上に動画があるので参考にしてほしいが、様々な用途に使われるベントナイトを土木やペット用品、化粧品などに用いていこうというのが同社の企業ミッションなのですが、安定成長が続く中で、このところの自然災害の多発などに伴う復興需要、原発汚染処理問題、中央リニア新幹線工事の進捗、地熱発電の活発化などニーズの高まりが同社の業績を押し上げようとしていることに対する関心が高まりつつあることに注目したい。
今期は2Qまでの決算が出ているが、会社計画を若干下回っての着地だったがその後の株価は上昇し、一時1410円と言う高値をつけている。
同社の公開は1989年6月に遡るが、その際の公開価格は1573円。
上場来高値は1995年2月の2050円だが、徐々にそうした株価水準に接近しつつある。
株価の上昇で徐々にバリュー株としての時代がなつかしいという印象を持ってしまうが、日本が世界に誇る特殊な素材メーカーとして、今後はその応用開発品を積極的に投入しながら業績拡大に邁進することになると期待される。
成長株としての位置付けがなされつつある点がここでのポイントとなるものと考えられる。
(炎)
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