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本日の事業提携発表をどう見るか

2019/10/25 00:26 投稿

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 甲府に本社を置く宝飾品メーカー、クロスフォー(7810・JQ)が本日、同じJASDAQに上場する川口に本社を置く日本精密(7771)との業務提携を発表した。
 新製品開発に成功しながらもその生産体制の構築に課題のあったクロスフォーとベトナムやカンボジアでの生産キャパシティの有効活用に課題のあった日本精密が提携を図り、世界市場に向けたビジネス展開を図っていこうというのが今回の業務提携の狙いと見られるが、果たしてこの事業提携が両社の業績にどの程度プラスに働くか注目される。

 まずクロスフォーとしてはこれまでダンシングストーンで業績を伸ばしてきたものの、最近は頭打ち傾向にあり、業績の停滞が続いてきた。2017年7月の上場後の株価にそのことが如実に反映され、上場後の高値905円(2分割を加味して逆算)から直近の安値271円という水準まで3分の1以下にまで低迷。
 同社ではこれを打破するために2つの特許化された新製品を投入しようと試みたが、課題は大きな世界市場からのオーダーに対応ができるかというもの。

 同社は既に世界の超一流宝飾品ブランドメーカーとの取引口座を300以上抱えており、特徴ある新製品を市場に投入できればたちまち大きな売上を確保できるとの自信があった。まずは自社開発の新留め具(ブランド名はイージークラスプ)とその留め具を備えたダンシングストーンのペンダントやネックレスを投入するほか、昨年の後半から準備してきたテニスブレスレットを日本精密との業務提携によってブリリアントブレスレットとして製品化。世界市場に向けた本格的な販売がスタートすることになった。

 一方においてベトナムやカンボジアで主としてカシオ向けの時計バンドやメガネフレーム等を生産する日本精密は、「手のひらサイズのロマン」をテーマに掲げ、大規模な工場を両国で確保しASEANプロジェクトを推進。米中貿易摩擦が激化する中でチャイナ+1の生産体制を以前から構築してきた。工場のキャパシティは十分であるが、大手企業の下請け的な立ち位置から利益の水準は低い状態が見られより付加価値の高い製品づくりが課題となっていた。
 宝飾品は時計のバンドと共通で、高付加価値な製品であるため、今回の提携は極めて理想的な組み合わせだと言える。同社自身が今回の製品を大手時計メーカーに販売ができる可能性もあり、両社の業務提携の幅は今後一層の広がりを見せる可能性があるだろう。

(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)


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