今日から7月相場入り。雨模様の中、大阪で開催されたG20では安倍首相の存在感が光った。
もちろん米中貿易摩擦の行方を占う両首脳同士の話合いも注目の的ではあったが、事前に想定された通り、玉虫色の結論に留まった。それにしてもまさに世界経済が雨模様となる中での今回の梅雨空の下でのG20の開催は皮肉な舞台設定だったと言える。
米中首脳の間に日本の安倍首相がいて両者を取り持つ関係が印象に残った。まさに参院選挙前の印象に残る一大セレモニーだったのではないか。
10月からの消費税増税が敢行され消費に支えられた日本経済にやや先行きの不安感が漂う中で比較的、株式市場は冷静だ。G20までは波乱はないというのがコンセンサスだったとすれば世界の首脳が集まるだけでセレモニーの要素が強いG20の終了は相場波乱の幕開けとなっても不思議ではない。
とは言え、米中首脳会談では8月に予想された追加関税の実施は見送られた。
更に両国間で継続的な交渉が続くことになるが、これはある程度予測されたことではある。これによって週明けの株式相場は多少、歓迎する展開が考えられるが、簡単に解決する問題ではないことも分かった。
トランプ大統領はG20終了後に韓国に渡り、板門店での金正恩委員長との3回目の会談に臨んだようだが、大統領選を睨んだ布石とも考えられる。
一連の政治イベントが終わり、小康状態を保ってきた株式相場や為替相場、原油価格などに再び関心が向かうことになる。先週までの相場の流れを前提にすれば、今週以降の株式相場が明るい展開になるとは断言できないが、日本では参院選を前に様々な経済対策が議論されることにもなる。
仮に全体指数の上値が重い展開が続くなら個別材料株への物色気運は続くとポジティブに捉えておきたい。反対に全体相場に上昇機運が高まるとすればこれまで物色気運を高めてきた個別銘柄の目立った活躍は限定されたものとなるだろう。
一方では今週までの株主総会シーズンを経て投資家には多額のお金が配分されたと推察されその再投資だけでも需給を好転させ相場を下支えすると考えられる。
米中首脳会談で追加関税の見送りは決まったが、完全な解決には至らず貿易摩擦の行方が相変わらず不透明な状態が続くことで、中国経済の変調、ひいては日本企業の業績への影響、米国の金利下げがもたらす為替相場への影響、イラン中東情勢の緊迫化による原油価格の上昇懸念など株式相場の動向には不透明要因がつきまとう。
メディアでは世界経済の状況を踏まえて世界的に今後の株式相場の動向に対し弱気の声も出ているが、弱気派は何とかショートで儲けたいとの意欲が垣間見える。
株価指標からは現在の日本株が割安圏に位置している点でそれほど弱気に傾く必要はないと考えるが、デフレ経済からの脱却に至っていない点で世界から取り残されてしまった感が強い。日本株が世界、とりわけ米国市場と同じ扱いを受けるのは簡単だが、もう少し冷静に株式相場を考えるとそうした弱気派がいるからこそ安く投資できるチャンスが生まれると言っても良いだろう。
梅雨空の下、本日から始まった7月相場で皆様の資産が増強されることを心より祈願する。短期決戦型の売買だけではなく、中長期的なスタンスでの資産増強作戦にもこの際大いに努めて頂きたい。
(炎)
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