今日の話題は1-3月期のGDP速報値が実質で年率2.1%の伸びを示したこと。マイナス成長が言われていただけに意外な数字が出たとの印象が強い。

 この発表を受けて消費税増税の凍結を言ってきたエコノミスト、評論家の皆さんの意気もややトーンダウンするのかと思いましたが、内容がGDPの6割を占める消費のダウンが見られたことや設備投資の減少もあって景気は既に悪化しているという3月の景気先行指数の動向を裏付ける結果になったという主張につながりそうだ。

 消費税増税が凍結されるかどうかはまだ予断を許さないが、株式相場は既に2018年1月をピークに下落歩調にある点を鑑みると実際には景気の実体を先取りした下げであるとの認識を新たにすることになる。


 株式相場のボトム形成は何らかのイベント、施策をきっかけにしたマインドの変化が求められる。
 衆参同時選挙?になるのかどうかも含め、市場は既に前向きな経済政策を安倍首相に求めていると良い。

 昨年12月の安値形成で既に1年近い相場の調整が完了したと断言できるのかどうかの判断を多くの投資家に投げかけている最中だと言えなくもない。


 マザーズ、JASDAQなどの中小型株の調整局面の終焉を心待ちにしておられ投資家も多いのだろうが、この調整が終わるためには米中貿易摩擦の終焉がないと覚束ないのかも知れない。
 来年開催の東京オリンピックを前にしたオリンピック以後の景気情勢、既定路線とも言える10月からの消費税増税の影響を不安視する多くの有識者の存在は無視できない。

 唯一の投資チャンスと考えられるのは個々の銘柄ごとに投資尺度から見て割安感が顕著になりつつある点だ。冒頭に掲げた「犬も歩けば低PER銘柄に当たる」は昨今の株式相場の状況を示している。
 株式で運用されている多くの投資家の皆様もある程度は気がついておられるものと推察されますが、東証1部の市場平均PERが13.3倍、日経225ベースでは11.8倍とされる中で中にはPER5倍割れ銘柄も数多く存在するようになってきた点をどう見るか。

PER=株価/予想EPS

これが低ければ低いほど割安だという教科書に書いてありそうな理屈が通用しない現実がそこにはある。


 本日、企業訪問したイチケン(1847)という商業施設の建築会社の株価は本日1777円。これに対して今期の予想EPSは386.48円だからPERは4.6倍ということになる。
 別の視点では今期の予想経常利益40億円の3.25倍の時価総額で評価されているという実体があることになる。

 PERが4.6倍に対してPBRは0.65倍、配当利回りは年80円配当(配当性向21%)を前提にして4.5%となる。

 イチケンの未来がたとえ明るくないとしてもいきなり消えてなくなる訳ではなくイオンなどの商業施設などからの受注は継続する。不人気の同社が評価を高める要素もない訳ではない。

 2020年3月期の予想売上高880億円、同経常利益40億円の企業の時価総額が129億円では理屈に合わない。だったら何とかせいと言われそうだが、それには地道なIR活動が不可欠なのかも知れません。
 同社では決算説明会を6月5日(水)に予定している。配当金を目当てに投資した方は継続的な配当を維持することになるのか興味深いだろう。

 これまでは内部蓄積が不足してきたと判断していましたが、前期末では現預金を120億円保有し事業継続に備えた現預金を十分に確保している点からは評価不足の印象が持てました。果たして未来の株価はどうなるのか?

 低PERの脱却が果たせるのかこれからも見守っていきたい。

(取材内容の詳細は有料メルマガにて報告予定です。)


(炎)


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