杓子定規という言葉があります。
株式市場で誰もが常識的に使っている杓子や定規、つまり株価の価値を評価するモノサシはPER、PBR、配当利回り、それにPCFR(キャッシュフローレシオ)など。こうしたモノサシに株価を当てはめては割安だの割高だのと御託を並べるのがアナリストという職業人です。
そうしたモノサシを使うという習慣が最近薄れてきたと感じる皆さんも多いのかも知れません。文字通り杓子定規で株式投資していても成果は上がらないという投資家は感覚的なテーマ株投資に勤しむことになります。
夢を語れないバリュー株ではなく、現在人気の成長テーマ(AI、5G、IoT、RPA、サイバーセキュリティ、自動運転、遺伝子治療、創薬、働き方改革、国土強靭化など)や新たな投資テーマに沿った銘柄に軸足を置くことで高い運用成果を求めようという投資家も増えているようですが、こうした市場の潮流についていくかどうかは皆様の自己判断に委ねられます。
成長株投資が株式投資の王道ながら、多くの投資家に認知されてしまった場合は既に株価に織り込まれているケースも多い。また、成長テーマを抱える材料銘柄には赤字だったり財務内容が悪化している銘柄が目白押し。まさに産みの苦しみのような企業へのドリームフォロー投資と旧来のモノサシ重視の株式投資が綱引きをしているような展開がどこまで続くのか、リターンを求める皆様の関心がどこに向かうのか目が離せません。
ここに来て、元気のなかったキャッシュリッチなバリュー銘柄が成長テーマや業績の好転を背景に評価が変わってきたという事例が見られます。
バリュー株の評価が成長株、テーマ株、に変わると株価は居所を変える。
モノサシをどこかに置き忘れてきた株式相場に変化の兆しがないのか、こうしたことが横展開でまたその他多くのバリュー銘柄に伝染していく可能性がないのか、筆者は秘かに研究しているところだ。
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(炎)
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