人類は過去から現在までの過程で様々なモノを生み出してきました。
とりわけ明治時代以降の近代史の中では技術的な進歩をバックグランドとしてモノづくりがものすごいスピードで進化してきました。
馬車に代わってガソリンエンジンで走る車の登場、蒸気機関車に代わって走る高速鉄道の進化系であるリニアモーターカーは2027年には日本でも東京名古屋間を40分で結ばれる計画が進行しているのはご存知の通り。
日本は戦後の復興過程で繊維産業のような軽工業に代わり鉄鋼や機械、造船、重電などの重厚長大型の産業群とともに経済発展を遂げましたが、これとともに松下電産(現在のパナソニック)やソニーを代表とするエレクトロニクス産業が勃興、テレビや白物家電などのホームエレクトロニクスの急成長を見た。
これを横目で見てきたお隣の国、中国の鄧小平氏は松下幸之助氏に頼み込んで自国にこの技術を取り込んで国を豊かにしてきたという経緯があります。
今でこそトランプ大統領が言う知財を盗む行為は許されないということで要求を厳しくしていますが、かつては他国の知財を勝手に盗むことなどは当たり前のことだったのかも知れません。
当の松下電産もかつてはマネシタ電器などと揶揄されたりもしましたので、経済発展の下では起こりがちな行為なのかも知れませんが、経済のレベルをかつてとは比べ物にならない現在ではトランプ大統領の政策ももっともなことです。
研究開発に大変な労力をかけて知財をベースに完成したモノを簡単に盗まれてしまっては開発する立場として由々しきこと。
低コストで生産される様々なモノを海外に輸出して発展を遂げてきた中国とそうした生産物に関税をかけて輸入を制限しようと試みる米国の軋轢がこれから更にエスカレートしていくのであれば経済の先行きにも暗雲をもたらすとの懸念は出てきても当然です。
ただ、そうした状況下でもモノづくりや開発物語は続きます。米中貿易摩擦がエスカレートする中でもそれぞれに画期的な技術開発やモノづくりは進むでしょう。
映画バックツーザ・フューチャーに描かれている未来の登場人物の一人が、トランプ大統領だという説はともかく、この映画が未来とする2015年段階ではまだ空を飛ぶ車は実現していなかったようにも思えますが、既に空を自由に飛ぶことのできるドローンは開発され実用に供されつつあります。
ドローンの活用方法は様々ですが、水面下ではモノの運搬、山間僻地への輸送手段などが進められようとしていると考えられます。人を乗せて飛び回るにはまだ相当の時間を要すると思われますが、案外早い時期に実用化されるのではないかと考えてしまいます。
今週21日にIPOを予定している自律制御システム研究所(6232・M)はロジスティック用ドローンの開発メーカーとして未来を先取りする企業として目先の業績を度外視しても注目を集めそうな予感がします。
同社の時価総額は公開価格ベースで300億円を超えていますが、ロボットスーツ「HAL」開発のCYBERDYNE(7779)のイメージがオーバーラップしてきます。
モノづくりに遅れてサービスが付加価値されて発展してきたコンピュータをはじめとした情報通信分野。現在は通信産業の巨大企業が世界中で誕生し、株式市場でも様々に活躍が見られます。
ソフトバンクグループの孫社長が描くAI群戦略はまさに、ICT、IoTなどインターネット社会の次に来るAIが作り出す未来のサービスを取り込んでることに尽きますが、19日のソフトバンク株の上場で得られた2兆6000億円の資金が孫社長が展開するビジョンファンドに投資され価値を生む。
米国籍を取得している孫社長の頭の中は既に日本から離れグローバル。まるで宇宙人のように未来から過去である現在を俯瞰しているように感じてしまうのは私だけではないのかも知れません。
(炎)
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