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アパレル系IPO銘柄はなぜ不人気なのか

2018/10/03 02:34 投稿

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 日経平均は1月高値を更新。先高感が強まり株式相場が強展開を示す中で、いくつかのセクターでは相変わらず調整ムードが続いています。つまり全面高になってはおらず、限られた銘柄のみが株高の恩恵を受けている点に注目する必要があります。

 225銘柄内での二極化の動きと同様、直近IPO銘柄内での二極化が顕著な点に気が付いている皆さんも多いのかも知れません。


 本日は直近のアパレル系IPO銘柄について簡単に考えてみたいと思います。


 先週末、渋谷本社で開催されたグローバルワークやニコアンドなどのブランド展開を進めるアパレル大手のアダストリア(2685)の2Q決算説明会では想定を大きく下回った業績に対する企業側の釈明と対応が示されましたが、その結果、ネガティブな評価とポジティブな評価が入り混じり一時売り込まれた株価は一気に反転上昇(1389円安値⇒1535円高値)に向かいました。

 短期ネガティブも長期ポジティブが対立しての株価形成かと思われますが、出ている業績のダウンに対して回復に向けた施策をどう評価するのか投資家の判断が問われているのかも知れません。


 パルグループ(2726)のような独特な戦略をもつ企業もあれば皆さんご存知のファーストリテイリング(9983)のような世界市場に向けた日本発アパレル系企業の発展は特筆すべきものと言えますが、一般的にアパレル業界は流行による業績変動がつきものである点が株価の不人気にもつながっているのかも知れません。


 子供服大手のナルミヤインターナショナル(9275・東証2部)は少子化という逆風の流れの中で、9月6日に再上場を果たしましたが、衣装300点を用意した写真館サービスを展開するとしています。
 株価はIPO後低迷しており、公開価格1560円は本日1325円。WBSでも取り上げられましたが果たして今後の株価の行方はどうなりますか?


 再上場組としては9月28日に東証1部に上場したアパレル大手のワールド(3612)も注目されます。
 28日に発表した1Qの経常進捗率48.5%で業績面では評価の余地がありそうですが、公開価格2900円に対して初値は2755円。その後の高値2779円に対して本日は安値2551円、終値は2585円となりました。
 今期予想経常利益128億円に対して、時価総額933億円は評価不足の印象がありますがこれも先行きの業績への不安感があるためなのかも知れません。

 とは言え、直近の経常利益が前々期106億円、前期111億円、今期予想128億円という推移ですので企業からのメッセージがもう少し伝えられると株価にも反応が見られるのではないかと考えられます。

 そもそもワールドは神戸に本社を置く企業で畑崎オーナーの下でかつては高収益を誇っていました。現在は住友銀行出身で過去いくつかの上場企業でマネジメント経験のある上山社長の下でオペレーションがなされていますが、IPO後の株価低迷を問題視しているものと推察されます。


 IPO市場の人気銘柄はIT系、新サービス系、EC系などに偏りが見られます。地味目の銘柄は敬遠気味ながら底流では見直しの動きが感じられます。
 アパレル系各社もそうしたIPO銘柄への人気の偏りによって直近は公開価格割れに至っているものと推察されますが、IRなどの充実によって個人投資家に再び認知されますと状況は変わると考えられます。


(炎)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)



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