前号で取り上げた三信建設(1924)に続いて、本日は神田通信機(1992)も大株主の増配要求に対してまた会社側が反対表明を明らかにしています。
あちこちでモノ言う株主が登場してきますが、株主からの要求が徐々にエスカレートしてきそうな中で、経営陣も心してかかる必要が出てきたことを理解しないとなりません。
三信建設も神田通信機もどちらかと言うと地味目の旧態依然とした建設会社という印象ですが、そうした地味で非効率な企業の株主が声を上げはじめたのかと感じる昨今です。
三信建設の場合は44円程度のEPSに対して130円配当を要求するものでしたが、通常では考えにくい配当要求はゴーイングコンサーンとしての企業経営に揺さぶりをかけるものと言えますが、今回の神田通信機は配当性向100%を要求(1株193円配当)していますのでまったく理不尽とは言い難い点もあり、こうした大株主の要求が増えてくる時代が到来しているのかも知れません。
実際に配当性向100%を実際に行っている夢真HD(2362)のような事例もありますので内部留保としての利益金の積み立てを外部に放出して下手なお金の使い道でうだつの上がらない経営を続けているのであればその利益金を株主に還元しろという要求も致し方ないのかも知れません。
こうした大株主からの配当要求によって今後の株価がどう反応するのかに関心が寄せられますが、今のところどうも株主優位の値動きになっているように感じられます。これからいずれも株主総会となりますが、総会の場でも要求が出るのか興味深く見守りたいと思います。
内部留保の使い方として配当ではなく投資に回すのが株主の負託を受けた経営者なのかと思いますがオーナー経営者とは言っても配当性向を10%程度にしたまま放置し、しかも蓄積した利益を現預金のまま置いている企業も多くなっているのが現状なのかと思います。中には現預金を放置したままでは株主から理不尽な要求を受けそうだとやたら収益不動産に手を出して資本効率を悪化させたり本業よりも内容の悪い企業をM&Aで手に入れては業績を悪化させている企業も目につきます。
地方創生をテーマにしたサイネックス(2376)がそうした企業の典型例ですが、同社は50億円まで積み上がった現預金をこれまでやや非効率なM&Aや不動産投資に使っており、一方では前期の業績は大幅に落ち込んでいます。今期は増収増益を見込んではいますが年12.5円配当を思い切って配当性向30%にまで引き上げてはどうかと思う次第です。オーナー経営なので株主は遠慮気味ですがもう少しを声を上げてはどうかと思います。
株主提案は様々ですが、スパンクリートコーポレーション(5277)の場合は創業者の娘の元役員(3番目の大株主)が他の元役員の怠慢に業を煮やして訴訟に至っています。顧問に引き下がっていたご本人がまた役員に戻ってなかなかうだつの上がらない同社の経営にあたろうとしていますが果たしてうまくいくのか・・。
本日はこのほかLCホールディング(8938)が退任した元代表取締役等に関する調査に対して協力することをリリースとして出しています。多くの投資家は同社の本荘社長を信頼しての投資をしてきたのに、本人はやや理不尽な退任となり、その背景に一体何があったのかが分からないまま、株価の下落を眺めておられるのかも知れません。
同社は株主総会後に新社長となる金子修氏の今後の経営計画発表会を29日に行うと本日、アナリストに対して送付しています。高値から半値水準まで下落した株価に反転の可能性があるのか私はこの説明会に出席して探ることにします。
(炎)
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