有料メルマガ・石川臨太郎の「生涯パートナー銘柄の研究」の過去配信ライブラリ「銘柄研究」「コラム」のうち、コラムの一部を掲載いたします。
自立した投資家、石川臨太郎のコンテンツをお楽しみ下さい。
なお、内容は執筆当時の背景に基づいており、現在の状況と必ずしも一致しないことを予めご了承下さい。
=コラム「投資家の欲望により歪んでいる株価を利益に換えたい」=
(有料メルマガ第47回・2009/11/17配信号)
※2009年11月現在の内容です。留意してお読み下さい。
【前略】
株式投資ばかりではなく仕事でも、人生でも、常にリスクは存在しています。リスクは避けようとしても避けられるものではありません。むしろリスクの存在を想定して、リスクにかかわり、リスクをコントロールしていくほうがダメージを少なくすることが可能です。
株式投資においては、投資している企業自体の業績が悪くなったり、業績は順調だったのに取引先が倒産して、突然大きな不渡りをくらい、不良債権が発生する。地震や事故で工場が被災して生産ができなくなる。アメリカで同時多発テロが起こって、世界中の株式市場が暴落する。アメリカ発サブプライム問題が世界中に伝播して、アメリカ本国の株式市場より対岸の日本の株式市場の下落率の方が大きくなる。
こんなリスクが、いつ起こっても不思議ではありません。ただいつ起こるか誰にも予想できないというだけの話です。だからリスクを恐れて、株式投資を一切しなければ安心かというと、必ずしもそうではありません。
自宅に現金を置いておけば、泥棒や火事や地震で財産を失ってしまう可能性もあります。1000万円以上銀行に預けたら、銀行が倒産してしまい預金が帰ってこない可能性だって出てきます。景気の良かったイギリスでさえ2007年9月には、サブプライム関連で損失を出したという銀行の窓口に、預金を引き出すための預金者の長い列ができました。日本で倒産した大手のコスモ信用組合の窓口に長蛇の列ができたことが思い出されてしまいます。
銀行は無事でも政府の負債が積みあがる日本では、いつハイパーインフレが起こるか、注意を怠ることはできません。海外の発展途上国の成長で石油や鉄、銅、小麦など、あらゆる一次産品の価格が高騰し、デフレを抜け切っていないといわれている日本でも2007年後半にはラーメンや冷凍食品、お菓子など、食料品の値上げが次々に実行されました。
インフレは見えない形で忍び寄っているのかもしれません。日本銀行は過去の政策ミスの再発を恐れて、利上げのチャンスを失いました。日本が過剰流動性資金を引きあげることができなくなったばかりか、世界中の中央銀行がサブプライム問題への対応から流動性資金をつぎ込み続けています。これはバブルの温床になり、少し長い目で見ればハイパーインフレに燃料を注ぎ込んだようにも考えられます。
1%の低金利で複利で運用し、元本が2倍になるためには72年もかかります。つい数年前の預貯金の金利は0.03%などというとんでもない低金利が適用されていました。
複利運用でも元本が2倍になるためには2400年かかるような、ごまのように小さい金利です。紀元1年に預金をしたとしても、まだ400年近く待たないと元本が倍になりません。500万円を定期預金して5年間での利息額は税引き前で8,250円でした。それから比べればかなり高利回りになった1%でも5年間で25万円にしかなりません。1億円の定期預金を今もっていたとしても1%の利息では、1年で税引き後90万円の利息しか受け取れません。いまは定期預金など元本が変動しない金融商品の利息だけでは1億円持っていても生活することはできないわけです。
インフレで物の価値が年間2倍になれば、現金の購買力は2分の一になってしまいます。もし過去のブラジルのように物価が年に1000倍になることはないでしょうが、10倍になっただけでも、1億円の価値は1000万円に目減りしてしまいます。
経済的に敗戦すれば、恐ろしいスタグフレーションがやってきて、物価が高騰しても景気が悪く給料は上がらない、なんて最悪事態に追い込まれてしまう可能性すら否定できないと思います。
だからこそインフレに勝てる、成長性のある企業や、立地の良い賃貸不動産に分散投資をして、将来のハイパーインフレに備えることは、意義のあることだと思います。
だから株式は資産防衛のためにも役立つ投資対象です。しかし株式投資をすることはリスクを取ることです。リスクに挑戦するということだ、といってもよいと思います。
リスクを避ける人、リスクのあることに挑戦することを恐れる人は、おそらく失敗を恐れているのだと思います。挑戦して失敗し、傷つき、人からバカにされ、損をすることを恐れているから、挑戦すること自体に怖じ気づいてしまうのです。
投資でも仕事でも人生でも失敗を恐れて、失敗をしないように消極的にしか動かない人がいます。何かいいアイデアが浮かんでも、もし失敗したらどうしようと、恐れてチャレンジすることをためらってしまいます。
常に失敗することばかりを考えて、失敗しないようにということを最大の目的にして動いています。そして、これだけ細心に失敗を避けて動いてきたのに、失敗してしまうと、失敗したところから動けなくなってしまうのです。
損をしない、失敗しないというリスクを避けるような行動ばかりとっていても、リスクは思いもしなかったところから、襲いかかってくるものです。そして損をしたり、失敗をしたりしてしまうことが起こります。
野球でもバットをふらなかったらホームランもヒットも打つことはできません。株式投資ではまず株を買うという行為をしなければ、利益を得ることはできないのです。株式投資ではリスクを避けては利益を上げることは不可能です。
株式投資には失敗(=投資して損をするということ)はつきものですが、チャレンジを忘れたら、すべてが終わりです。投資家が投資で利益を上げるためには果敢にリスクにチャレンジしていくことが必要になります。リスクに挑戦して(=行動して)失敗することは、何もしないでリスクを避けることばかり考えて、挑戦しないこと(=動かないこと)よりはるかに勝るものなのです。
しかし、信用取引を多用するレバレッジの高すぎる、無謀な投資(=挑戦)をして財産を失ってしまっては、何のために株式投資をしたのか分からなくなってしまいます。無謀なリスクを負っての挑戦ということは、リスクを管理して、コントロールしていないということです。
リスクは避けるものではなく管理してコントロールするものだとしっかり認識したうえで、リスクをコントロールして株式投資を行なっていきたいものです。
【後略】
経済的独立ワクワク!サポーター 石川臨太郎
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また、コラムでは、「米国株の株価の変動より日本株の変動のほうが大きかった状況が少しずつ変わってきたように感じられます。ただ中小型株より大型株が米国市場の乱高下から受ける影響が大きいことから、その変動の違いを利用して銘柄シフトを行う作戦を実行中です。」と題し、現状の市況の認識析と、注目銘柄の値動きや、騰落の要因などを分析しつつ、自身が行っている投資行動を語っています。
さらに、リスク管理の重要性とその対応について具体的に書くとともに、研究銘柄候補を取り上げています。
リスクを管理下に置きつつ、来たるべきリバウンドに備えるためのバイブルとして、ぜひご活用下さい。ご購読をお待ちしております。
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