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AAAつづき

2018/04/17 00:52 投稿

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 はじめに。

 相撲協会しかり、日本レスリング協会しかり、防衛省しかり、財務省しかり、日本年金機構やその他旧来型の組織も同様です。閉鎖社会に棲む人間「特にその上層部は」世間常識からかけ離れ、己の地位と名誉にしがみ付き、そして所属する組織を守ることだけにしか考えが及びません。そして極端に視野が狭くなることで非常識が常識となり、やがてその組織は腐っていきます。民間企業でも斜陽となっている企業は何処も閉鎖的です。

 開示は本当に大事です。これだけでも投資先を選別できますね。


 それにしても先日の大相撲春巡業での映像は酷かった。人命救助中に「土俵から降りろ!」とか、女性が去った後に大量の塩(お浄め)を撒くなど。呆れました。この非常識さでは八百長など日常茶飯事なのかもしれません。相撲に詳しい方は、「貴乃花親方は間違っていない。相撲協会は腐っている」と仰っていました。

 役所を代表例として我々は様々な腐敗を眼にします。これを変えずに日本を再生するとか、生産性を高めるとか・・・国会議員は手品師でしょうか?いや、大半の政治家はホラ吹き・・・と言うと分かり易いですかね。ホラ吹きの大御所トランプ大統領を抱える米国クラスになると、その規模も迫力も桁違いです。

 お蔭で金融市場は大波乱ですが・・・、大丈夫です。所詮はホラですから、時間と共に落ち着きを取り戻すことと思います。


 さて、前回は新興国の通貨や金利に連動する外国債券「いわゆる仕組債」について、幾らAAAやAAと謳っていても、利回りが高い分、それ相応にリスクは大きいし、コストも高いですよと言うお話をしました。

 前回コラム⇒ http://okuchika.net/?eid=7671

 債券本体は高格付けですが、対象新興国の為替と金利に100%連動するのですから、その国がデフォルトを起こしたり、為替が大幅に変動するようならAAAだろうが何だろうが同じように単価も為替も大きく変動します。

 日本国内で最も安全な債券と言えば(日本国)国債ですね。国内投資家にとり、通常は円建てでこれより安全性が高い(=利回りが低い)債券は無いはずです。ですから、これより高い利回りを求めるなら、安全性が日本政府より劣る発行体(発行会社、発行組織)の債券に投資することになります。例えば、トヨタ社債とかソフトバンク債と言ったものを探して投資します。

 一般投資家が外貨建ての、しかも利回りの高い新興国債券に投資する場合には、最も手っ取り早いのが海外債券を組み込んだ「○○債券ファンド」と言う類の投資信託やETFなどになりますし、もう少し纏まったお金を投資できるなら、前述したような個別に組成された外国債券が手頃です。


 しかしながら、これらは国内の一般投資家が円貨を使って手頃に投資できるよう組成された金融商品(金融業者が儲けるための商品)ですからコスト高となっています。
 似たような商品で「日経平均リンク債」や「EB債」(エクスチェンジャブル・ボンド、転換権付き社債)と言った債券も多数ありますが、参照対象(原資産)が違うだけで組成方法は似たようなものです。

 これらの債券には販売に掛かる手数料以外にも(専門家や金融機関への)組成や運用、管理にかかる費用が含まれています。中には満期(償還)まで数年以上に渡る維持費用を発行時に一括して、つまり発行当初に纏めて徴収(発行単価に含まれ計算)される債券などもあります。

 こうなると、買って直ぐに売る場合には、僅かの保有期間にもかかわらず恐ろしく安い価格で売らなくてはならなくなります。例えば100で買ったものを80とか、それ以下とか。それでは見栄えが悪いので「一定期間売れません」といった条件が付いたりすることもあります(苦笑)。

 これらの債券は組成や維持に掛かる費用が結構な額になり、為替のスプレッドも大きいため、見栄えばかりに目を奪われると結果として高い手数料を払うことになってしまいますし、加えてリスクも高い債券であると言う事です。
 それ故、自分で近しい運用が出来てコストの低い投資対象を探さねばいけない、と言うことを何時も書いている訳です。

 殆どインフレの無い世界にいるにもかかわらず毎年2%もの維持費用がかかるようでは、折角大きなリスクを取っているのに手取りが目減りしてしまいます。

 個人の好みの問題とは言え、高格付けの債券であればあるほど発行体への支払額も増えます。これも単価に含まれるため結果として購入者負担になります。


 昨年からの動きでは、新興国でも徐々にインフレ率の低下がみられますから海外投資を前向きに検討したいところですが、単に「AAAだから安心だ」なんてことは有りませんので、そんな眼くらまし商品に騙されないよう、ご注意くださいと申し上げる次第です。


(街のコンサルタント)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)

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