今週(11月20~24日)の東京株式市場は、日経平均株価が週間で154円05銭上昇し(率にして0.7%の上昇)、2万2550円85銭で取引を終えました。2週連続の上昇です。
ところで、「業績相場」、「金融相場」といった相場の「分類方法」がありますが、筆者はこうした分類には違和感を覚えます。人によって解釈が違うなど、性格付けがあいまいであるため、時として便宜的つまり都合の良い使われ方をされがちです。
最近では日経新聞が、「いよいよ業績相場入りか」、「業績相場に移行した」といった記事を掲載しました。これから、業績相場に入るのであれば、これまではどんな「相場」だったのでしょうか(笑)。
景気のサイクルと中央銀行の金融政策から、「業績相場」、「金融相場」を区別する考え方もあるようですが、日銀のように、政策金利をゼロ近辺まで下げたことで、短期金融市場での金融調節機能を失い、長期金利に働きかける量的金融緩和に踏み込んでいる状態では、「金融相場がずっと続いている」と考えてもおかしくありません。
一方、バリュエーションに着目する考え方もあります。「アベノミクス」がもたらした上昇相場は、PERが上昇せず、企業のEPS(1株当たり利益)の上昇のみが株価の上昇をもたらしています。これは大きな意味では「業績相場」でしょう。
EPSが上昇せず、PERのみが上昇するようであれば、これは「金融相場」と解釈できるからです。
では、PERもEPSも上昇する相場は、どんな相場でしょうか。よく分かりません(笑)
いずれにしろ、安易に「業績相場、金融相場」を使う方も言説は、眉唾で聞いた方がいいかもしれません。
(水島寒月)
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