早いもので今年も残すところ2か月余り。街中がカボチャ色に彩られた10月から黄色のイチョウや紅色のもみじに染まる紅葉シーズンの11月に突入して参ります。
台風一過となった本日は木枯らし1号が吹き荒れ、早くも初冬の様相です。
こうした中、戦後最大の国難に立ち向かう安倍政権は国民に信認され再スタート。特別国会の開催に続き、米トランプ大統領の来日が11月5日に予定される中で株式相場は直近のボトムから14%余り上昇し、先週末の日経平均は2万2000円台乗せとなり週明けの本日も小幅続伸の動きが見られました。21年ぶりの高値水準に躍り出てきた日本株の上昇トレンドがどこまで続くのかに皆様の関心も高まっている筈です。
トランプ大統領の初めての日本訪問では天皇陛下への謁見が予定され、安倍首相との首脳会談が行われる予定です。国難に立ち向かう日本が現時点で最も頼りになる米国の後ろ盾を得て未来を切り開く重要なイベントでもあります。それに続く韓国、中国、アジア各国への歴訪が2018年に向けた北朝鮮への対応を決めるための布石となるだけに注目が怠れません。
トランプ大統領訪日歓迎相場とも言うべき展開に対してややピッチが速いようにも見えますので今週以降もこのピッチで上昇するとは言い切れませんが、相場のことは相場に聞けであり、この潮流を無視する訳にはいきません。
ここで強気の22000円というのは1996年7月以来の水準です。
バブル相場が1989年末の38915.87円でピークを迎え、その後わずか10か月後に22000円を割れ、高値から4割以上の下落を見た後、1991年3月に一旦は27000円台まで戻ったりしましたが、その後は長期低迷を余儀なくされた株式相場ですが、22000円台乗せという水準にようやく戻ってきたという印象です。
戻ったからと言って必ずしもこの水準が割高なので、売るべきだとは言い切れませんが、8月29日の安値19280円から2か月間で14%の上昇を示したことへの警戒感は出てくるかと思います。
また、日経平均はバブル相場の時と比べ組み入れ銘柄が変化している点で実質的には既にバブル時の水準に近いか既に抜いているとの見方もできますので、ここは十分に吟味しての行動が必要です。
特に日経平均は一部の寄与度の高い銘柄に影響を受けやすいのでそうした銘柄の変動によって左右されがちです。上昇トレンドの場合は良いですが、一旦下げ相場に転じるとこうした寄与度の高い銘柄を中心に下落する展開も想定されます。
日経平均は16連騰という過去最長の上昇日数を経て22000円台乗せを達成したのですが、この連騰記録は1960年の12月21日から1961年1月11日の14日間、1988年2月10日から27日までの13日間を凌ぐ上昇記録です。
短期的な売り物を吸い上げての株高傾向がいつまで続くのかを読み取るには、為替相場の動向と企業業績の動向がポイントとなります。
為替は米国の金利引き上げが12月に予想されるためこれを背景に引き続き円安トレンドが継続するという点を前提にすれば株価は引き続き上昇基調が続くと考えられます。また円安メリットを享受する企業の業績は好調に推移すると予想され、今後中間期業績発表後の上方修正期待を背景にした株高も想定されます。
一方で懸念材料としてはここに来ての原油価格の上昇で当面のWTIが1バーレル=55ドルを突破し、60ドル台を目指しているとの見通しが浮上すれば下期においてコスト高が企業業績にとってはマイナスに働く可能性が想定されます。マクロ的にはデフレ脱却も想定され、賃金引上げの動きに拍車をかけアベノミクスによる経済効果が一段とポジティブに認識されることになると考えられます。
但し、半島情勢によっては有事の円高が再び意識される可能性もあり、その点は絶えず株式相場の波乱要因として念頭に入れておきたいところです。
(本コラムはその多くを有料メルマガ「炎の投資情報」より抜粋しました。)
(炎)
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